こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi)
ビジネスも人生も全体を見ることで、仕組みが分かり、逆算して計画を立てて行くことができますが、我々は目の前のことに集中してしまい、全体を見ることを忘れがちです。
どこかへ向かうには、『目的地』があり、それを指し示す『地図』があり、『現在地』がわかり、迷わないようにする『コンパス』があり、実際にそこに向かうための『乗り物』が必要で、さらにそれら全てを実現する『計画』が必要です。
人生で言えば、子供は、まずは幼稚園に入り、小学校、中学校、高校、大学と、目の前の目標をこなしているだけで、あっという間に大人になってしまい、その頃には社会にどれだけの職業があるのか、どうやってお金を稼ぐのか、わけもわからず社会に放り出され、働いているうちに、家庭を持ち、いつの間にか時間だけが過ぎて年老いていく。
人生の意味はなんだったのだろうか?と後になって考えても仕方がありません。
起業しても、毎日のサービス提供、集客活動、日々のあれこれをしているうちに、毎月終わってしまい、代わり映えのない売上の現実がある。それを繰り返しているうちに時間だけがすぎている。本当は改善しないといけない、本当は、大きく方向転換しないといけない。でも、毎日のあれこれで忙しい。
なぜそんなことになってしまうかといえば、「俯瞰」ができていないからです。
読み方は「ふかん」。
ビジネスも人生も、全体を俯瞰して見ることができなければ、目的地・地図・現在地・方向・乗り物・計画といった視点が持てず、目先のことをこなして終わってしまいます。
今回は、ビジネスを俯瞰する方法をお伝えして行きます。
Contents
■俯瞰の意味とは?
俯瞰というのは以下の意味ですね。
ーー
高い場所から下方を見渡すこと。
(比喩的)より高次の視点から眺めること。大局的に見ること。概観。
出典:ウィクショナリー
ーー
なぜ高いところから見下ろす必要があるかといえば、全体像を把握するためです。
物理的にも上から見ることで、ようやく全てが見えるように、人生やビジネスといった形のないものならば、なおさら全体像を見ていかなければ迷子になってしまいます。
全体像を把握すると以下のことがわかります。
・全景
・目的地の位置
・現在の自分の位置
・目的地と自分との距離
・自分が向かうべき方向
目的地がどこにあるのか分かる地図を見て行動計画を立てるのか?
それとも行き当たりばったりで目先のことに追われて過ごすか?
全体を把握して物事に当たるのか、ごく一部分だけを見て物事の判断をするのか?
そう考えると俯瞰は欠かせない視点だということが分かりますよね。
■俯瞰の対義語で今の危険が分かる
「俯瞰」は上から見下ろすという意味なので、対義語は「仰視」「仰望」と言った、下から仰ぎ見るという言葉になります。
例えば、山登りに例えれば、空から俯瞰をし、全景を捉えて計画的に登っていけば安全です。
どこから登れるのか?
この先に危険はないか?
と言った全体像をあらかじめ把握できるわけなので。
しかし、山の一番下から、見上げるように全体を見ようとしても何も見えません。見えるのは自分の目の前の少し先だけです。
そういう視点しかなければ、どれだけ高い山なのか?安全なのか?どこから登れるのか?
と言ったことがわからないので、躊躇しますし、とりあえず登って、ダメだったら引き返すという手段しかありません。
現実に置き換えれば、俯瞰の反対は、下から仰ぎ見る「仰視」というよりも、全体を見ないという意味では、刹那的・一時的・快楽的・主観的、あるいは一部しか見ないという凝視、と言った言葉が適切かもしれません。
つまり、「無計画」ということですね。
全体像を知らずに山に入ったら危険極まりないということです。
■俯瞰的と客観的の違い
俯瞰できていないということは、物事の一面しか見えていない、一方向からしか見えていない、ということですが、そうした主観的な自分の考えの中でしか物が見れていない状態に対して、「客観的」という言葉があります。
俯瞰的と客観的の違いは、客観的は「第三者」の立場の視点であって、俯瞰的というのは、全体を見る行為、あえていえば「神の視点」に近いものです。
客観的に見ることは、ビジネスで言えば、コミュニケーションや、マーケティングなど他の人が絡む問題を考えるのに役に立ちます。対して、俯瞰は、大局から全体の判断をしたり、戦略や大前提を考えるのに必要な視点です。
見込み客の立場、顧客の立場、従業員の立場、経営者の立場、業務パートナーの立場、生産部の立場、営業部の立場、と言った、他の人の立場に立ったり、あるいは自分の立場から離れて、自分のこと、自分がしていること、考えていることを、ただ事実だけ、冷静に見るというのが客観視。
客観的というのは誰かからの一方向の視点ですが、俯瞰的というのはその登場人物を含めて全てを全体的に見るということです。
■俯瞰的な視点を持てば人生の創造主になれる
例えば、映画を見るというのは、映画の中の登場人物たちの人生を、観客として神の視点で見ている状態なわけです。登場人物たちは、自分が登場しているシーンで起きる出来事しか知らず、他の場面で出てきた話や情報や、ほかの登場人物の気持ちなど、いろんなことに気づいていません。しかし当然、観客はその全てを見ているわけです。
もちろんストーリーを知っているのは観客だけではなく作者がいますよね。作者は物語を俯瞰して全体設計を行っています。誰に見せる作品か?何を伝えたいのか?登場人物は誰で、どんな舞台設定で、どういう状況からどんな展開を起こすのか?どんなエンディングなのか?その全てを決めた、物語の創造主です。
それと同じく、人生も、ビジネスも、俯瞰をすることで、あなたが全てを決められます。
世の中の原理や、自分の計画を俯瞰することができなければ、目の前に起きた出来事を、トラブルを、処理するだけの人生になってしまったり、だれかに人生や仕事や、そのやり方まで決められてしまったりするわけです。
自分の人生・夢・ビジネスの創造主になるには、その物語を自ら作り出すための俯瞰的視点が必要なのです。
■俯瞰する力を身につける8つの視点
ではどうやって、仕事や人生を俯瞰して行くのかですが、それには、地図・目的地・現在地・乗り物・方向・計画という視点が必要です。