これからの時代の仕事・人生の変化|中小企業・個人を襲う4つのトレンド

こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi

今、世界でなにが起きているのか?どう対応すべきか?を1記事で解説を試みます。
なぜかうまくいかない、というのは時代が大きく変わっているからです。

  • 「いくら頑張っても業績が上がらなくなった」
  • 「広告コストが上がった」
  • 「労働が増えた」
  • 「収入が上がらない」

といった、「うまくいかない」というのは、基本的に自分が原理原則に沿っていない決定をしているという内部の問題の場合がほとんどです。つまり、自業自得ということ。敗因は常に「情報不足」「怠惰」「思い込み」から生まれます。

しかし、働き方の方向性、起業の方向性、ビジネス改善の方向性は、自分側のことだけではなく、外部要因である「時流」を理解している必要があります。

時流というのは、市場の変化や、ビジネスの手法の変化、といった外部のリスクやチャンスのことです。

その時流があまりにも大きく変わっているため、あるいは逆転現象が起きているため、ビジネスのルールそのものが変わってしまう時代に突入しました。

ルールが変わると

  • 今までやっていたことが通用しなくなる
  • 今までの常識では生きていくのが大変になる
  • 今までの教育が間違いになる
  • これからの時代のお手本が存在しなくなる
  • これからどうなるのか分からずに知識人に振り回される

ということになります。

何事においても「先が見えない状態」というのは苦しいものです。

これらあらゆる不安の根本的な原因は、経済問題です。

結局のところ、国が不安定、会社が儲かっていない、だから個人の収入が十分じゃない。だから、労働が増える。支出が多い。貯蓄がない。だから、自由がなく、心理的にも余裕がなく、人間関係、家族関係にも響く、という悪循環が生まれる。全てとは言いませんが、ほとんどの問題は経済問題からの派生です。

有名投資家であるジム・ロジャーズ氏はこれからの日本経済についてこんなことを言ったそうです。

「もし私がいま10歳の日本人ならば……。そう、私は自分自身にAK-47を購入するか、もしくは、この国を去ることを選ぶだろう。なぜなら、いま10歳の日本人である彼、彼女たちは、これからの人生で大惨事に見舞われるだろうからだ」
出典:週刊現代

拳銃を持たなければならないくらい治安が悪化するのではないかという話です。それくらい日本経済の見通しが立たないということ。

じゃあ、一体、経済はどうなってるのか?という話です。
なんで、収益が上がらないのか?
なんで、労働が厳しくなっているのか?

というのは、例えばこういうことがあるからです。

・成長市場から成熟市場になった
・大手の寡占化が始まり、業種ビジネスは続々倒産している
・情報爆発で広告が効かない時代
・ICTで嘘がバレる時代
・AIなど第四次産業革命で衰退するビジネス、なくなる仕事がある
・EC化率が進み、リアルビジネスが危機
・シェアリングエコノミーで企業の市場縮小
・人口減少問題による売上減少
・ライフシフトで長寿化により客層の大幅変更
・後継者不足による倒産でBtoB市場も市場縮小

その結果、労働基準法に違反する企業は84%、ブラック企業は3割にのぼるという調査結果があったり(中小企業においてはそれどころじゃないでしょう)、あるいは賃金の問題であったり、倒産・合併・経営縮小・リストラなど、事例をあげたらきりがありません。

それは世界のルールが変わりつつある「過渡期」だからです。

今回はこれからの人生の変化や、ビジネスを始めたり、改善を行う前に「これだけは知って起きたい」という4つの変化についてお話しして行きます。

常識が変わっていますから、これを知らなければ、正反対の方向に突っ走ってしまうと思ってください。いまの時代、なぜうまくいかないのか?それはこの4つに原因があります。

Contents

■これからの時代の仕事・ビジネスと人生が変わる4つのポイント

(1)競争マーケットへの突入

・成長市場から成熟市場へ

市場が成熟し、普通に仕事をしていてもうまくいかない時代になりました。

90年台半ばを境に、日本経済は戦後始まって以来の競争市場に突入しました。つまりは価格の下落です。需要が多かった高度成長期は年々価格が上昇していましたが、需要より供給の方が多くなったため、モノの値段が下がり始めた。これが、成熟市場。競争の始まりです。

簡単に言えば、物を買う人が少なくなって、売っている人の方が相対的に増えたということ。ものが行き渡ったということです。

そうなれば、90年台半ば以前はやればやるほど、作れば作るほど売れる時代で、何もせずとも価格も上がるため、どんどん企業は利益を上げましたが、以降は逆転現象が起き、値段が下がり始め、競争になり、さらに値段が下がり、企業は利益を獲得するのが難しくなりました。

これを「釣り場から魚がいなくなった」と表現する方もいます。

それから20年以上が経過し、日本は今や次のステージに突入しました。それが次に説明する寡占化です。

・寡占化による業種ビジネスの終焉

成熟化した市場は、効率化に向かいます。つまり、コストの低下によって利益を獲得する方向性に切り替わるということです。そうなれば大手企業のように資本集約型ビジネスを展開しやすい企業が、大量生産・仕入れによるコスト削減で巨大化してくる。

特に、ものづくりをしていたメーカーが以前は強かったわけですが、成熟化すると、エンドユーザーに近い、小売り・サービス業などの方が利益額が大きいので、巨大化します。簡単に言えば、メーカーは問屋を通して小売に販売するわけですから大量に卸販売するわけで利益額は小さいが、大量に販売できる。でも、大量に消費される時代ではなくなるとメーカーよりも、直接販売している小売の方が売上高が大きくなる。

巨大化した一部の企業によって、ほぼ全ての市場は寡占化しました。寡占化とは、一部の大手企業数社によって市場の過半数が取られた状態です。こうなれば、中小企業のマーケットは縮小して行く一方です。

これが意味するのは、「業種ビジネスの終焉」です。

商品サービスくくりでビジネスをする「業種ビジネス」が終了し、「業態ビジネス」が主流になりました。業種とは売り手の「売り方」を考えた販売方法。業態というのは顧客の「買い方」を考えた販売方法。「野菜を扱う八百屋」ではなく、「夕ご飯の材料を扱うスーパーマーケット」の方が顧客の用途に合致しているためです。

中小個人がやっているのは業種ビジネスが多く、「〇〇屋さん」と商品単位で扱っているビジネスはどんどん縮小化されています。商店街、個人ストアが消えているのはこのためです。

<業態ビジネスに市場が取られている例>

・内食・中食→コンビニ・スーパーへ
・家電・衣料品・家具など小売→カテゴリーキラー、ECへ
・家庭の生活用品→ホームセンターへ
・薬局→スーパードラッグストアへ
・外食→ファミリーレストラン・ファストフードへ
・学習塾・セミナー→Eラーニングへ
・銀行→フィンテックサービスへ
・不動産→マッチングサービスへ
・会計士→クラウドサービスへ
・印刷→Webサービスへ
etc…

といった感じで、顧客の目的によって商品を供給してくれる買いやすい業態店・業態サービスに市場は移行しているわけです。

個人単位で言えば、「業種ビジネス」に就職、または立ち上げたりするとアウトの時代です。

あるいはすでにビジネスをやってるならば、業種ビジネスなら先は明るくありません。これからの時代、さらに大手は合併を繰り返し加速的に大きくなります。大手同士の合併、M&Aブームです。

「成熟化からの脱却」と「業態化」は、これからの時代の仕事の基礎の基礎ですので、まずこれを覚えておいてください。