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まともなコンサルタントが高額セミナーをしない6つの理由|胡散臭いコンサルを見極める方法

こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi

15年もビジネスをやっていれば、失敗してヤバイという経験や、死ぬほど働いて体を壊す、という経験は僕にもありますが、そういう時期を経て、基本的には目立ちもせず、有名になって叩かれもせず、詐欺まがいなこともせず、自分のライフスタイルを守って、淡々と仕事をして、子供と遊んで、という生き方をしてきました。

その中でも、10年以上にわたってコンサル業、プロデュース業をしていますが、高額セミナーや、セミナービジネスをやっていたという時期は一切ありません。

コンサルタントというと、イコールで「セミナーをやる人」だと思われがちですし、セミナーをしていないと、派手にプロダクトローンチをしていないと、権威がないかのように思われがちです。

しかし、まともなコンサルタントほど、高額セミナーのようなビジネスモデルはやりません。

コンサルタントは、コンサルティングがメインの業務なので、コンサル業務を提供するクライアントがいれば、セミナーをやる必要はないのです。

僕が尊敬する経営コンサルタントは、コンサルティング業務をメインとして、あるいはその能力で事業をプロデュース、経営をしています。決して高額講座とか、資格販売とか、そんなことは行いません。コミュニティを作っていたとしても、それはメインの収益ではなく、起業家の育成をしてその中からパートナーを発掘するのが目的で、妥当な価格、安い価格で提供しています。

これはビジネスコンサルだけでなく、問題解決業を行う業種は全て当てはまります。ここでいうコンサルタント業は問題解決業全般のことです。

なぜ、まともなコンサルタントはセミナーをしないのか?それには6つの理由があります。


■まともなコンサルタントが高額セミナーをしない6つの理由

(1)セミナー業はもはやコンサル業ではないから

セミナービジネスとコンサルビジネスは全くの別物です。

セミナーは、開催地を決めて集客をし、大勢の人に向けて同じ話をホワイトボードやスライドを使ってプレゼンしていきます。つまり、「知識を教える」というのが目的で、受講者は、その話を聞きに来ます。

対してコンサルティングは、企業や個人事業主と契約をし、その会社の問題を発見し、解決策を一緒に考案して、社長や責任者と共に問題を解決していきます。

セミナーは1対多数で提供します。
コンサルティングは1対1で提供します。

セミナーは、様々な問題を抱えた人に対して、同じ情報を提供します。
コンサルティングは、その人の問題に寄り添って固有の解決策を作ります。

そうした性質から、セミナーを開催して、集まった人の中からコンサルティング契約を行う、という手法を取ることはあるでしょう。それは賛成します。事前の知識を、無償や低価格のセミナーで提供して、本当にコンサルが必要だと理解した人が申し込みをする、というなら意味はわかります。

しかし、セミナーだけを商売にしようとして、セミナーに集まってもらった人に、またセミナーを販売するという形を見ることがあります。それが高額セミナーや認定講座ビジネスです。

低価格で説明会のようなセミナーを開催して集客をし、そこに集まった人に、数十万円から100万円くらいの講座を販売しています。

マトリョーシカか!というね。

果たして、それはコンサルティング業と言えるのかというと、明らかに全く別の業態です。真っ当なコンサルタントならば、コンサルタント業がメインです。

(2)毎回、同じセミナーの中身なら動画にすればいいから

さらに、簡単な話。同じ話をするならば、録画すればいいんですよ。

毎回、同じ話を、コント師のようにし続ける、というのはどういう了見なのか、疑問なわけです。
もちろん、クライアントを獲得するにも、ティーチングは必要でしょう。情報提供は必要。

ビジネスコンサルだろうと、整体師だろうと、料理教室の先生だろうと、最初に見込み客になる人に教えたいことはたくさんありますよね。

これだけは知っておいてもらいたい
これを知らないと損をする
みんな大きな間違いをしていて勿体無い
なんとか間違いに気づいて欲しい
おかしい風潮をなんとかしたい

そんな思いから、問題解決業を選択したはずです。

ですから、セミナーをやって何かを教えたいという気持ちはよく分かります。

であればこそ、なぜ録画しないのか?なぜ何度もみれる状態にしないのか不思議なわけです。
そんなにライブが好きなんでしょうか。
重要なのは「中身」であって、生でその人が話すことじゃないはずです。

ミュージシャンだってライブもやれば、ストリーミング音源もあるわけで。

(3)無料ブログ、動画、DVDなどで低価格で知識提供はできるから

で、さらに録画していれば、高額セミナーじゃなく、低価格で提供できますよね?という話です。

動画セミナーやDVDなら、とても良いと思います。
それは必要です。

やはり問題を解決する前に、どんな分野であろうと、予備知識がなければ、どうにもなりません。
その知識を最初に身につけてもらいたい。
であればこそ、動画などにしてコストを落とせば、より多くの人がその知識を得ることができるはずです。

さらに、情報提供すればするほど、見込み客の知識レベルは上がりますよね?

せっかく、コンサルを受けに来て、対面でサービス提供をできる機会を得ても、ものすごく基礎的な話を教えて終わり、ではもったいないわけです。

僕は15年前からコンテンツビジネスをしていましたが、その手法を教わったコンサルタントの先生は、「出し渋りをせずに無料で情報をすべて出しなさい」と言っていました。それに従って、サイトやメルマガで書けることはたくさん書きました。

それによって、見込み客は安心して商品を買えますし、質問の問い合わせも減りますし、相手はこちらの実力や持ってる情報のレベルも分かりますし、「こんなはずじゃなかった!」というミスマッチも防げますし、コンサルのレベルもお互いに基本知識のある状態から進められます。

さらに今の時代はこうしてブログがあるわけで、無料でブログに書く、無料動画を提供する、さらに充実したそこまで高額ではない動画セミナーのパッケージを提供する、と言ったことができるわけです。

それをせずに、具体的なノウハウは一切わからず、「詳しくは説明会にきてね」「詳しくはセミナーにきてね」というのは、まともな問題解決業を行う人がすることではありませんよね。

真っ当なコンサルならば、無料で情報提供しても痛くないし、コンサルのレベルが上がっていくということを知っているから、高額セミナーではなく、低価格や無料で情報提供を行うのです。

(4)講座・セミナー・資格取得では顧客の問題は解決しないから

最もこの話で重要なのは、そもそもセミナーや講座、資格の販売などでは、顧客の問題は一切、解決しないということです。

考えてもみてください。
座学で、ホワイトボードやスクリーンを前にして席に座って、話を聞いているだけで、あなたのビジネスは良くなりますか?

「痩せる方法」の話を聞いて、痩せますか?

無理です。1ミリも変わりません。

知識の提供は、あくまで事前の予備知識を持つことだけしかできません。

もちろん、その知識だけで問題を解決できる人は、稀にいます。
センスに優れていたり、行動に移せたり、という、ベテランはいます。初心者の中にそういう人がいたら、かなり才能のある人です。

そんな人は滅多にいません。

セミナーだけでは、知識だけでは、確実な問題解決は、ほぼ不可能です。少なくとも初心者には。

資格の習得も同じです。数日間の講義と、技術演習だけでスキルが身につきますか?そこまで簡単なスキルなんですか?車の運転でさえ、何ヶ月も毎日のように通い続けて取得するのに。

さらに資格を習得したからと言って、それが本当にビジネスになりますか?
経営のこともわからないのに。ビジネスモデルも作れない。商品も作れない。マーケティングもできないのに、どうやって資格をとったという賞状だけでビジネスにするんでしょうか?

本来の問題は、ビジネスを始めたい、ということであって賞状をもらうことではないはずです。

本来の目的は、「痩せること」「稼ぐこと」だったりするのであって、「話を聞くこと」ではないはずです。

なのにも関わらず、提供者がセミナーだけしか提供していないなら、受講者の未来は1ミリも変わらないのです。

そんなことは、まともなコンサル系商売の人間はやりません。顧客の結果を出すために、日々奮闘してるはずです。

(5)高額商品も一般商品も本当に価値を提供したら実は利益は変わらないから

本当に顧客の問題解決をするならば、「大勢に、同じ話をする」のではなく、「一人一人に、その人にあった問題解決策を提案する」はずです。

たった1日や数回のセミナーを、法外な高額で販売するということは、ほぼ100%、顧客の問題を解決する気がないわけですが、それを、本気で問題解決をして、高額商品として販売したとしましょう。

すると、1日や数回のセミナーではなく、6ヶ月間の個別のコンサルティング、という形式に変わって行くはずです

もしそのセミナーが30万円だったとしましょう。
たった数回のセミナーが30万円。

それが、本当に価値を出すために、6ヶ月間、個別対応にして30万円ならばどうでしょうか?
10人も同時にやったら、結構、大変なくらいです。

そうなると通常の商売となんら変わりのない収益性になりますよね。

本当に結果を出す、価値を出す、ということを考えれば、期間は伸びるし、回数は増えるし、1体多数から個別対応になるし、オペレーション上、「楽して丸儲け」にはならないということです。

例えば、フィットネスのインストラクターで考えてみましょう。

「魔法のように痩せる方法」というよくわからない高額講座を30万円で販売したとします。
たった数回の、知識提供と、ちょっとしたワークショップのある講座です。

当然、痩せる知識は身につきますが、実際に痩せたりはしません。

提供者は、そんなビジネスモデルなので、楽々に数百万円、数十万円という金額を荒稼ぎです。

しかし、それを本当に結果が出るやせるプログラムを考えたとします。

6ヶ月間でマイナス10kgを目標に、知識提供に加えて、マンツーマンのフィットネスを毎週2時間、さらに食事管理を個別に行う。1人30万円。

これで確実に痩せますね。約束は果たせるので詐欺ではなくなり、素晴らしいプログラムになりました。

しかし、2時間のフィットネスなので、1日4人が対応キャパシティの限界になるので、週5稼働すると4人×5日=20人、が提供キャパシティです。

1人30万円で販売しても、30万円×20人=600万円

6ヶ月の売り上げで600万円になりました。
月あたり100万円です。

意外と普通です。

某有名パーソナルトレーニングの企業はこういう効率でビジネスをしているはずですし、そのためのトレーナーがたくさんいて企業として成り立ちます。
決して結果も出ないようなものを高額で販売しているわけではなく、結果のために必要なコストとして、高額なプログラムを販売しているはずです。

では、一般的なフィットネスのビジネスモデルと比較したならどうでしょう?

同時に1クラス10人、毎週提供するとして、一回につき1時間。1日5回転として。
1日50人×5日=250名

客単価が8000円として、250名×8000円=200万円

なんと、同じ働きでも1人のスタッフで200万円の売上です。
半分の稼働率でも100万円です。

ビジネス的には変わらないですよね?という話です。

高額セミナーのような、提供者の手間はなく、際限なくたくさん販売できる、しかし顧客の結果は出ない、というビジネスは、「牛乳を水で薄めて売ってるようなもの」なわけです。

真っ当なコンサルが高額セミナーをやらない理由は、別にそんな顧客を騙すようなことをしなくても、普通に稼ぐことができるからということです。

(6)売り切り商品でリピートが取れないから

最後に、高額セミナーをやらない理由は、そのビジネスモデルそのものに欠陥があるからです。

高額セミナーや資格などの販売は「売りきり型」で、一度売ってしまったら、二度買う性質のものではありません。

つまり、ずっと、新規獲得をし続けなければならないということです。

だから、手を替え品を替え、新しい企画を作り続けなければいけません。

よって、主たる業務は、コンサルティング業務という本来の問題解決サービスではなく、プロモーションやブランディング、イメージ作りを延々としなければならないわけです。

もしも、高額セミナーのリピートがあるのだとしたら、それはそれで大問題です。
だって、その講座で問題が解決するという約束をして販売したのに、解決しなかったからまたその人のセミナーに通うわけで。

もし、起業塾にリピーターがいるのなら、前回の内容では起業できなかったということです。
矛盾してますよね。

ダイエットサプリを買ってもダイエットできないから次のダイエット商品を買う、みたいな無間地獄です。

■楽して稼ぎたいから自分都合で高額商品を画一的に売ろうとしてる

ということです。

コンサルなどのサービス業は、無形商品ですから、商品開発の原価がかかりません。
セミナーなら会場費くらいなものです。

そうした性質である商品を「高額単価」で販売すれば、「利益額」は暴利です。

さらに、それを「個別」に一人一人、オーダーメイドではなく、画一的に、数十人、数百人に一気に提供できるとしたら、「販売数(顧客数)」も無制限です。会場を大きくしていくだけで、席を増やすだけで在庫を無限に増やせます。

さらにさらに、その講座を「3日間集中講座」とか、「6ヶ月間、月に一回ずつのセミナー(計6回)」といった、対応コストも最小限にすれば、年に何期も回転させたりすることも可能です。

決して「楽して稼ぐ」ことは悪いことではありません。

というか、楽してビジネスの仕組みを作らなければどんな企業も稼ぐことはできません。

効果的な販売方法、的確なターゲティング、最小経費で最大の価格で販売することによって粗利益を高める工夫、業務を属人化しない最小限のオペレーション。

その全てはビジネスにとって重要なことです。

ビジネスは「価値提供」と「業務効率」で成り立ちますから、楽して稼ぐのは顧客にも企業にも必要なことです。

問題は、結果が出ないものを高額で販売することにあります。

  • 「知識提供のみ」であることを理解して顧客が買っているのか?
  • 「賞状をもらうだけでビジネスになるかは自分次第」ということを理解して顧客が買っているのか?
  • 「技術を習得するだけの内容であり、稼げるようになるかは別」ということを理解させているのか?

という話です。

■胡散臭いコンサルを見極める方法

つまり、以下の形式でしかサービス提供をしていないコンサルは、まず胡散臭いと思って間違いありません。

・形式:セミナー/講座のみ
・価格:高額(数十万円〜100万程度)
・受講期間:短期間・短時間(数回程度)

こういう結果の出ないセミナーなどで荒稼ぎをする業種がコンサルなわけではないですし、大企業の案件でたいそうな資料ばっかり作ってくる人ばかりが優秀なコンサルなのではありません。

むしろ、何かの業種でしっかりと本業をやってきて、今もなお、現場で実践している。
経営の知識だけではなく、実践をしている。

そういう机上の空論ではなく、現場で動いてきた人こそがコンサルタントであるべきなんです。

高額商品で容易にビジネスを展開したい気持ちはわかりますが、あくまで顧客の結果をいかに適正価格で作れるかということが全てだということは、コンサル型ビジネスをする人間であれば忘れてはいけないことですね。

それで、セミナーやらないで、どうやってビジネスするの?
っていう、回答はこちらを。↓

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