思考法

決断力がない人が失うもの。決断できない理由と鍛え方

こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi

今から100年近く前のアメリカで当時、2番目の大富豪だった鉄鋼王「アンドリュー・カーネギー」という人物がいます。

この人物に、当時、貧乏だった学生記者が取材をした時、「ある提案」をされました。

「私は君に、これから億万長者になると見込んだ500人を紹介しよう。彼らの共通点をまとめて成功哲学としてまとめて欲しい。期限は20年。」

さらに、こう付け加えました。

「しかし、資金の援助は一切ない。」

つまり、無給で20年間働くということ。

これに対して、なんと答えますか?

青年は、これに対して「イエス」と答えました。

君が答えを出すために29秒かかった。 私は1分を超えたら 君を見込みのないただの人間としてあきらめるつもりだった。

これによってこの青年、ナポレオン・ヒル博士は近代の成功哲学をまとめ、自分自身も大富豪になったわけです。

まぁ、多分、作り話だと思いますが(笑)(あまりにも出来過ぎ)

ここから学ぶべきことは、

「成功するには、いかに早く決断できるかだ!」

と良く言われますが、それは嘘です。

決断することは大事だけれど、勢いで決断をしたところで失敗は目に見えています。

重要なのは、決断をしないと何を失い、何を得るのか?
そして決断とはどういう時に限ってできることなのか?
という原理を知ることです。


■決断力がないことで未来を失う

そもそも決断をしないということは、「現状を維持したい」ということですよね。

決断をすれば変化が訪れ、
決断しなければ今のままがずっと維持される。

と考えての決断をしないという決定ですが、
そんなわけがないのです。

決断をしないということは、決断を先延ばしにする
という意味では現状が維持されます。
しかし、現状が維持されることはありません。

例えば、付き合っている彼女が「そろそろ結婚して欲しい」と言っているけれど、男が結婚を決断しないとして、それは結婚するかどうかの返事を先延ばしにしているだけですよね。

でも、その恋人の状態が永遠に維持されますか?
といえば、無理なのです。
彼女に愛想をつかされたり、どこかで決断しなければならなくなります。

目の前のラーメンを食べなければ、すぐにのびます。

だから、決断をしないというのは「現状維持」ではないのです。
「現状悪化」でしかないのです。

決断をすれば、「成功」あるいは「失敗」にしろ、
何かしらの結果が出ます。

その「結果」という未来を失うことが、決断していない状態です。

誰もが失敗したくないから、なかなか決めないわけです。

■決断力がある人・ない人

実際の話ですが、僕は「その場に居ただけ」という理由で、ある会社の取締役に就任するという経験があります。

逆に、どんな良い条件の、どんな名誉ある仕事だろうと、興味がなかったり自分のスタイルに合わなければ即答で断ります。

仕事に関してだけは決断が早いです。
早く決めたものは、早く結果がわかりますから、失敗しても修正が効きます。

逆に、起業したいけどできない人、などの決断できない例ですが、
あるビジネスがあって、月商150万くらいのウェブサイトだったのですが、やりたい人がいなくなったので、周囲の人に「誰かやる?」と言ったら、誰も返事をしなかったので、そのビジネスを潰したことがあります。

また、先日も「誰か社長やってくれないかな?」という案件がありましたが、周囲にふれる人がいなかったので話は流れました。

他にも、いろんなチャンスがあって、その度に、例えばビジネスの話なら起業したい人に話を振ったりしますが、ほとんどそういう人は決断をしません。やる人はとっとと自分でやっていますからね。

情報を持っている人の近くにいれば、多くの機会を得られますが、決断力がなければ、チャンスをものにすることはないということです。

■決断力がないことで失うものは他にもある

で、上記のように決断できない人というのは、結果という未来を失うだけではありません。

「信頼」を失うわけです。

カーネギーはこう言いました。

「私は1分を超えたら 君を見込みのないただの人間としてあきらめるつもりだった。」

その人にとって大きな機会を正当な理由もなく決断できなければ、「見込みのない人間」として相手からの信頼は失われます。

もう二度とその人に機会を与えようとは思わなくなるでしょう。

それが一番の問題です。

■決断力がない理由

では、なぜ決断力がないのか?

(1)視野が狭いから

1つは視野の狭さです。
決断しなければ、

  • 現状は維持できない
  • 結果という未来が手にできない
  • 信頼を失う可能性がある
  • 他者に貢献できるかもしれない

という広範囲に物事を見れないからこそ、今と自分だけを見て「やれないかも」「難しいかも」「大変かも」「心配」と言った感じで、とりあえず判断を保留しようとするわけです。

例えば、ナポレオン青年の話で言えば、無給とは言え、多くの成功者に会える機会を得ることで、自分自身が勉強になり成功に近づくことは想像できますし、そこから価値を生み出すこともできそうだから、やると答えられたわけですよね。

それは時間軸や、他者、自分の成長の可能性など、広範囲に物事を見れたからこそ、判断ができたわけです。

(2)情報が足りないから

それを決断することによって得られるメリット・デメリットをはっきりさせていれば、多くの情報の中で、判断ができます。

「考える」ということは、調べること、情報を集めることによって集まったパーツを組み立てることに過ぎないので、情報がなければ組み立てること(この場合、決断すること)ができなくて当然。

しかし、情報が少なく、考える枠組みも持っていなければ、何がメリットで何がリスクなのか?ということすら分かりません。

決断力が低い人は、情報を集めることをあまりしません。
具体的には

  • 質問をしない
  • 勉強をしない
  • 本を読まない
  • 情報を持っている人の近くにいない

ということが言えます。

(3)目的がないから

なぜ情報も集めず、視野を広く持てないのかと言えば、そもそも主体的な目的がないからです。

「これこれこういうことのために、こういうことが必要だ」ということを理解していれば、その目的に対して視野を広く物事を見て、アンテナを張り、主体的に情報を集め、有益なものを採用する決断を日々行えるわけです。

ゴールを持たないということは自分の人生のリーダーシップを自分でとっていないということ。

目的を最初に理解することで、その判断に必要な情報を集めて、組み立てて、決断をし、行動をするという、「考える」ことができます。

(4)信念体系が誤っている

ではなぜに主体性の欠けた状態なのかと言えば、なん度も書いていますが、「信じているもの」が自分を不幸にするものを信じているから。

「思い込み」「偏見」「プライド」と言った論理的な思考の欠如は、信じているものそのものを変えなければいけません。論理で捉えられないから、自分の人生を他人に預けてしまい、主体性が欠如し、目的を持てず、視野が狭くなり、情報を集めるモチベーションもなく、決断が鈍ります。

例えば、「決断したら失敗するかも」と言った思考は、「失敗」という言葉の定義が、イコールで挫折のようなイメージを持たれているからですよね。しかし、挫折するほど状態が悪くなるまで問題を放置しなければいいだけであって、まず決断して、ここまでやってみてダメなら違う決断にしよう、でもいいわけですよね。これは「失敗の向こうにしか成功がない」ということがわかっておらず、イメージで失敗=全てを失う、みたいなことを恐れているから起きている現象です。

■決断力がある人の特徴とは性格ではない

つまり決断力がある状態というのは、上記の逆です。

  • 主体的な目的を持ち
  • 視野を広く持ち
  • 情報を集めることによって
  • 決断ができる

ということ。

よく決断力のある人は自信がある、と言いますが、自信がある状態というのは上記のことをしているから、確信を持って判断、行動ができるだけなんです。

最初から、「勝てるゲーム」だとわかっているとか、
最初から、「やめ時」を決めているからとか、

そういう思考が裏側にあるから自信を持って決断ができるだけです。

「自信家」という性格が決断力を決めているわけではなく、自信を持って決断ができるくらいの、「目的」「情報」があるということ。

■決断力を鍛えるには?

では、どうやってその決断力の源泉となる、主体的な目的を持ち、視野を広げ、情報を集める意識をもてるようになるか?と言えば、全ては成功の土台となる「人間力」の問題です。

ここで言っているように、抽象度で人間力は決まるでしょう。

勉強ができるできない、能力があるとかないとかではなく、抽象度が高いかどうか?
これが人間の基礎の全てです。

「自分」を抽象的に捉えれば「自分=人類」です。

そうなれば、人類にプラスになるように考えるという視野がもてる。
もちろん、「自分→家族の一員→地域の一員→日本の一員→人類の一員」というステップがあるので、最初は自分のことだけではなく家族のことまで考えられる、というところから抽象度を高めれば良い。

こうした視点が視野の広さというものです。

「時間」も抽象的に捉えれば、「時間=人生」です。

「現在→明日→1年後→5年後→10年後→将来→子供の未来→人類の未来」

という風に、抽象的に捉えられれば、今の決断が、明日、数年後、子供の未来とつながっていると理解できます。そうなれば、今現在、中途半端なことはできませんよね。

「ビジネス」も抽象的の捉えれば、「ビジネス=資産」です。

例えば「月商150万円のアパレルECサイトの運営→ECサイト運営→ネットビジネス→ビジネス→資産」という感じですよね。

こうして抽象的に捉えれば、「自分はアパレルは関係ないから」と最初から情報を切り捨てることはしないはずです。メリットやリスクや、自分の今の状況を考えて判断できます。

例えばこのように、あらゆることを抽象的に捉えれば、本質に近づきます。
本質に近づくからこそ、「思い込み」や「プライド」などを捨てて、決断力が上がるわけです。

■決断力がない人のまとめ

・「成功者は決断力が早い」は嘘
・しかし決断力がなければ「未来」と「信頼」を失う
・決断の先延ばしは「現状維持」ではなく「現状悪化」
・決断できないのは「目的」「情報不足」「視野の狭さ」が原因
・抽象度を上げて考えれば主体性が身につく

「29秒で決断しなさい」とか、そう言った自己啓発の類はそのまま鵜呑みにしてはいけません。
無鉄砲に決断したものは、「リスク」なんかではなく、ただの間抜けがすること。リスク以前に最初から良い結果は出ません。

決断の早さは、持っている目的と情報量によって変化します。

なぜ決断ができないのか?という原因を取り除いて、一つずつ潰すようにしましょう。

 

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