マインドセット

「カイジ」の名言に学ぶ社会の仕組み。「勝たなきゃゴミだ」

こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi

この世界にはルールを作る者がいて、ルールを使いこなす者だけが勝利し、ルールを知っているだけの人間と、ルールを知らない人間だけが敗者になるゲームだとしたら、ルールを知り、使いこなし、勝者となり、自らのルールで生きる人間こそが本来の人生を歩んでいると言えます。

まず誰もが与えられている、「頭脳と体」そして「時間」を使って、既存のルール内で勝負をし、勝つことから、自分のルールで生きられるようになっている。それが社会。

そんな社会の構図をわかりやすく描いているのが「カイジ」という漫画です。
この漫画をニートがギャンブルで勝ち進める賭博マンガと捉えるか、社会の構図を教えてくれる優良図書にするのかは人によりますが、抽象度を高めてみれば、かなりヒントになる話だと思います。

そんな「ざわざわ」したい人に、僕なりに社会システムをカイジの名言を使って解説して行きます。
※ネタバレ含む


■「カイジ」の簡単なあらすじ

カイジ 人生逆転ゲーム

どんな話かというと、アルバイトをしながらアパート暮らしをしている若者カイジが、友人の借金の肩代わりをすることになることから話は始まります。

数百万もの借金を返せないカイジは、金融業者の遠藤という男から、ある船に乗ってそこでギャンブルに勝てば借金はチャラにする、しかもそこで勝てば一攫千金だという話を持ちかけられ、その話に乗ることにする。しかし、そんなうまい話はなく、負けたら大変なことになるという命がけのギャンブルだったという感じの話。カイジは、いろいろなギャンブルで負けたり勝ったりしながら、人間として成長していくという話です。

「借金」「ギャンブル」「ニート」と聞くと、特殊な状況ですが、どっこい、この物語の仕組み自体が社会そのものなのです。

■「カイジ」利根川の圧倒的な名言

この漫画を象徴する悪役。
金融会社側のナンバーツー「利根川」が債務者を集めた今から人生をかけたゲームを行う船で語った強烈な言葉がこちら。

ーー
勝ちもせず生きようとすることが そもそも論外なのだ
負けた時の処遇なんて そんな話はもうやめろ
それが無意味なことは もう話した
これ以上は泣きごとに等しい 泣きごとで人生が開けるか・・・!
そうじゃない おまえらが今することは そうじゃないだろ・・・!
語ってどうする・・・?
いくら語ったって状況は何も変わらない
今言葉は不要だ
今おまえらが成すべき事は、ただ勝つ事、勝つ事だ!
おまえらは負けてばかりいるから勝つ事の本当の意味がわかっていない。
勝ったらいいな・・ぐらいにしか考えてこなかった、だから今、クズとしてここにいる。
勝ったらいいな・・じゃない!
勝たなきゃダメなんだ!
ドジャースの野茂、将棋の羽生、イチロー・・
彼らが今脚光を浴び、誰もが賞賛を惜しまないのは言うまでもなく、ただ彼らが勝っただけなのだ・・・!
勘違いするな!よく闘ったからじゃない!
彼らは勝った、ゆえに今その全て 人格まで肯定されている。
もし彼らが負けていたらどうか・・?
負け続けの人生だったらどうか・・?
これもいうまでもない。
おそらく 、野茂はウスノロ、羽生は根暗、イチローはいけすかないマイペース野郎。
誰も相手にさえしない。わかりきったことだ。
翻って言おう
おまえたちは 負け続けてきたから
今誰からも愛されることなく
貧窮し・・・ウジウジと・・・
人生の底辺を・・・這って
這って這って 這っているのだ・・・!
なぜか・・・?
それはおまえらが・・・・
ただ負け続けてきたからだ
他に理由は一切ない
おまえらはもう20歳を越えて
何年もたつのだから もう気が付かなきゃいけない
もう心に刻まなきゃいけない・・・!
勝つことが全てだと・・・
勝たなきゃゴミ・・・
勝たなければ・・・ 勝たなければ・・・
勝たなければ・・・!
/利根川
ーー

悪役なのだけれど、完全に筋の通った綺麗事抜きのセリフ。

映画だとこんな感じ

「何かと戦って勝つ」
という修羅道の人生が人間の生きる道ではない。それは虚しい。

でも、真剣に今を生きていれば、負け続けることなんてありえない。
もしそうならば、すべきことから逃げているだけなのだと、言わんばかりの手痛い言葉です。

■カイジ名言<出航>人は負債を抱えて生まれてくる

さて、なぜカイジは「逆転ギャンブル漫画」ではなく、「社会システムの漫画」と言ったのか?

まずカイジは友人の負債を請け負って、借金を負うことになりましたが、「現実はそんなことは滅多にない」とこのカイジという主人公を他人事のように見ますよね。

しかし、どうでしょうか。
人は生まれ持って借金をしているようなものです。
学生まではそれを親が負担してくれる。
しかし、大人になって社会に出た途端、自分の生活費には何十万ものお金がかかります。
それが社会です。
家族を持てばもっと負担が大きくなる。

その中で努力し、まっとうな仕事を手に入れて問題なく生活ができればとりあえずOK。
そのために勉強し、一流の会社に入る。
でも、その成功法則も崩れた現代、ましてやその努力ができた人もわずか。
となれば、どこかで人生の逆転を狙うしかない。

昇進、転職、結婚、起業。

チャンスを伺う。
カイジも同じく、アルバイトをしながら「いつか」を待っていた一人。
そんなカイジに、ギャンブルに誘いに来た金融業者の遠藤はこういう。

ーー
一体「何」を「いつまで」待つつもりだ…?
こんな薄汚いアパートで
貧しいバイトをして
半ば眠ったような意識で鬱々と「待つ」…?
そういうのを無為っていうんだっ…!
/遠藤
ーー

実際、何年待ってみても何も降って来たりはしません。
自ら動かなければね。

■カイジ名言<勝負>原理原則を使ったものが勝つ

そして、動くことを決めたカイジはギャンブルの現場に行きます。つまり戦場。
現実に置き換えれば、仕事の現場です。

ーー
お前らは負けてばかりいるから 勝つことの本当の意味がわかっていない・・・っ
「勝ったらいいな」じゃない・・・!
人生は「勝たなきゃダメ」なんだ・・・っ!
/利根川
ーー

むやみやたらとギャンブルをし、運任せで多くの人間が負けて行きます。
しかし、運ではなく、確率論、ルールの裏、原理原則を理解し、使いこなしたものだけが確実に勝利を得ていくわけです。

ビジネスも同じ。
やたらめったら動いても消耗するだけ。
ルールを理解したものだけが状況を自ら作り出すことができる。

しかし、その視点は、自らが責任を持ち、主体的に選択したものだけが到達する視点。

ーー
他人なんか関係ねえんだよ・・・!
オレだっ! オレだっ・・! オレなんだっ・・・!
肝心なのはいつも・・! オレがやると決めてやる・・・
ただそれだけだっ・・・!
/カイジ
ーー

カイジも甘い考えを捨て、主体的に選択をすることで成長して行きます。
とはいえ、今まで、社会や親に決めて来てもらった人生、そう簡単にその癖を変えることはできない。

ーー
苦しく難しい決断になると、自分で決めない
そうやって流され流され生きてきた
その弱さがこの土壇場で出た
この結果は言うならば必然
これまでのオレの人生のツケ!
/カイジ
ーー

この主体性こそがスタート地点に立てるかどうかの分かれ目。

■カイジ名言<負け>強制地下労働

勝てなかったものがどうなるかというと、借金返済のために地下で過酷な強制労働をさせられるわけです。与えられるのは貧しい食事だけ。娯楽も自由も何もない。監獄のような暮らし。
そんなこと現実ではありえないでしょうか。

このカイジの強制労働システムは、お金に縛られて、ローンの返済のため、何かを買うために、毎日、お金のために働く、という資本主義社会の構造そのものを表していると言ってもおかしくはないと思います。

一度そのサイクルに入ったらもう新たな努力をする気力はなくなる。
それなりに現状を受け入れて、夢を見ずに、毎日を過ごしたい。

ーー
奴ら・・・
可能性を見てない
気持ちに状況に押し潰され 僅かだけどまだ皆に残っている
勝ちへの道を閉ざしているんだ・・・ 自分から
言っちゃ悪いが 奴ら正真正銘のクズ・・・
負けたからクズってことじゃなくて 可能性を追わないからクズ・・・”
/カイジ
ーー

どんな最悪な状況でも、可能性を追うことはできる。
なのに、自ら勝負を捨てている。
負けが増えるとどうしてもこの思考に入ります。

■カイジ名言<搾取システム>給料をビールに

さらに、強制労働施設には、甘い誘惑があります。
給料日に、法外な値段の、ビールや食べ物が売られるわけです。

労働の給料はほとんど借金返済で天引きされ、残ったわずかなお金も、この無駄なものに消えていく。無理もない。他に楽しみが何もないのだから。

しかし、それも搾取して、この労働を永遠にやらせるための敵の陰謀。

今日はとりあえず楽しんで、明日から倹約しよう。明日から頑張ろう。
明日になったら何かが変わる。
と先延ばしにするほど、搾取されるシステム。

この社会そのものです。

ーー
「明日からがんばろう」という発想からは…
どんな芽も吹きはしない…!
そのことに 20歳を超えてもまだわからんかのか…!?
明日からがんばるんじゃない…
今日…今日だけがんばるんだっ…!
今日をがんばった者…
今日をがんばり始めた者にのみ…
明日が来るんだよ…!
/大槻
ーー

明日なんてものはない。
あるのは「今」だけ。
今できないことは明日になっても10年後にもできない。
今。
今やらなきゃ。
今日、やらなきゃ。
明日なんて永遠にこない。

ーー
目先を追うな!いい加減気がつけ!
その場、その場の状況で動くなよ
オレ達はいつもそれで失敗してきたんじゃないか
耐えることなくして勝利はないんだっ!
/カイジ
ーー

そういう中で、カイジのような人は目覚めるわけですね。
目先の利益、目先の楽を追うのではなく、今をしのぎ、戦略的に行動することから今日が始まる。

■カイジ名言<大勝負>生存確率の低い勝負

とはいえ、強制労働でチマチマと貯金をしても、借金はなかなか減らず、時間だけが過ぎる。カイジは、ある時、病人、けが人の医務施設に行きますが、そこではお金がなくて治療を受けられない病人であふれていたわけです。

いくら毎日耐えても、行き着く先はそこならば勝負に出るしかないと気づきます。

しかし、そんな大勝負は命を賭けるしかない。
高層ビルとビルの間の鉄骨を渡るというギャンブルをさせられます。
クリアすれば借金がチャラになり、大金も手に入る。
落ちれば即死。

言ってみれば、独立起業みたいなものですね。
生活をかける勝負なわけですから。実際は、仕事はギャンブルではないので勉強して安全にやればいいだけですが。生存確率が低い点は同じです。

ーー
必死に勉強したわけでもなく、懸命に働いたわけでもない・・・
何も築かず、何も耐えず、何も乗り越えず・・・
ただダラダラと過ごし、やったことと言えばほんの十数分の余興・・・
なめるなっ・・!
/利根川
ーー

そうした機会があっても、人は迷い続けます。

ーー
一生迷ってろ・・! そして失い続けるんだ・・ 貴重なチャンスをっ!
/利根川
ーー

ーー
30になろうと40になろうと 奴らは言い続ける・・・
自分の人生の本番はまだ先なんだと・・・!
「本当のオレ」を使ってないから今はこの程度なのだと・・・
そう飽きず言い続け・・・結局は・・・老い・・・
死ぬっ・・・!
その間際いやでも気付くだろう・・・
今まで生きてきたすべてが 丸ごと「本物」だったことを…!
/利根川
ーー

そう。紛れもない本物。この人生が。今が。

自分の力で、渡りきるしかないのです。

■カイジ名言<一発逆転>イカサマを見抜け

じゃあどうやって勝つことができるか?
ですが、この漫画で繰り返し使われる「運否天賦(うんぷてんぷ)」という言葉。
つまり、「運を天に任せる」という意味ですが、

それをしないということです。

ーー
奇跡なんて望むな!
「勝つ」ってことは・・
そんな神頼みなんかじゃなく
具体的な勝算の彼方にある・・現実だ・・・!
勝つべくして勝つ・・・!
/カイジ
ーー

そう。これが真理。

カイジは、大勝負の最後に、神頼みをしてしまい、負けてしまいます。
そこで得た大きな気づき。

勝っている人間は確実な勝算があって勝負をしていた。

勝つというのは、具体的な行動の積み重ね。

原理(イカサマ)があるということ。

それを見抜き、応用したものだけが自分のルールを生み出す立場になれるということ。

世の中のほとんどがそう。
物理法則。原理がある。ビジネスもそう。

■カイジの名言のまとめ

可能性を捨てず、今を生き、他人でも運でもなく、主体的に自らの責任で行動をし、原理原則を使いこなすこと。積み重ねること。

本当の自由を手にしろ。

というメッセージが込められた話だと思います。

目覚めたほうがいいレベルにいる人には是非、観てもらいたい作品です。

なぜこんな記事を書いたかというと、この間、Huluで観たから(笑)

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