「SMARTの法則」の目標設定は時代遅れか?FASTの法則との使い分けと具体例を紹介

こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi

年末年始は1年間の計画を立てる人が多いですよね?でも、去年の目標、ちゃんと達成しているか?というと、立てた目標も忘れてしまっていたり、というのはありがちです。

目標設定というのは単に心機一転で「抱負」を持っていても意味がありません。目標の立て方というものがあるわけです。一般的に目標を立てるに当たって、国家やコンサルなんかが使うフレームワークに「SMARTの法則」というものがあります。

ただ、SMARTの法則だけでは足りていないので、今回はその考え方を紹介します。年初めということもあるので、ここでしっかり目標を立てて行ってくださいね。

■SMARTの法則は時代遅れか?

目標設定の普遍的なフレームワークとしてSMARTの法則があります。

S: Specific (具体的である)
M: Measurable (測定可能である)
A: Agreed upon (同意できる)
R: Realistic (現実的である)
T: Timely (期限がある)

「目標」と言えるものは、具体的かつ、数字として測定可能であり、自分が納得して取りかかれるものであり、成果に基づく現実的なものであり、期限が数字で決まっていること、です。

「今年は痩せる!」みたいな曖昧な目標を持っていても基準がないので、具体的にどういうことをするのか?どのくらいの体重・体脂肪率にするのか?それはやりたいと思えるのか?ゴールに基づいて現実的に可能なことのか?何月何日までにやるのか?という具体性を持たせるわけですね。

その実行プランを、スケジュールに落として、大きい目標を、1ヶ月区切り、1週間区切り、1日区切りで小さい目標に置き換えて行動ベースに落とし込むわけです。そうすれば、時間が経過すれば、淡々と行動計画を実行するだけでゴールまでたどり着けます。

このSMARTの法則が古いという人がいますが、これは1981年にコンサルタントのジョージ・T・ドラン博士が論文で発表したものなので、数十年経過しているために古いというだけです。

SMARTの法則自体は普遍的な目標設定の原理原則なので、変わらず使うことができます。

■FASTの法則とは?

一方で、新しい目標設定のフレームワークとして「FASTの法則」があります。FASTの法則は、マネジメントの専門家であるドナルド・サルとチャールズ・サルによって2018年に提唱された目標設定のためのフレームワークです。

F:Frequent(目標が頻繁に議論されること)
A:Ambitious(不可能でない範囲で野心的な目標であること)
S:Specific(目標が具体的であること)
T:Transparent(目標が組織の全員から見えるような透明性を保つこと)

このように、FASTの法則は組織全体で目標を推進していく内容になっていることがわかります。スピードが求められる現代の会社に必要な目標設定の考え方と言えるでしょう。

■SMARTの法則とFASTの法則の決定的な違いとは?

しかし、SMARTの法則とFASTの法則には決定的な違いがあります。

それは、SMARTの法則が「現実的な目標」を立てるのに対して、FASTの法則は「野心的な目標」を立てる点です。

つまり、SMARTの法則は実現可能性を重視したフレームワークであるのに対して、FASTの法則は挑戦的な目標せってのフレームワークということです。

これにはもちろん理由があって、無難な目標というのはかえって逆効果になることが分かっているからです。そこそこの目標を立ててもそこに向かって頑張ることはできません。ちょっとハードな目標の方が燃えるということです。

売上1億円を目標にしていると結果は1億も行かなかったりしますが、2億目標だと、3億を超える、みたいなことです。ハードルは「少し高め」に設定するといい。というのはマネジメント経験のある人なら誰でも頷くことではないでしょうか?ちなみに、私は2018年以前から「ハードルは少し高め」というのは現場でやっています。

■目標設定が難しい理由

ただ、目標の立て方はSMARTの法則やFASTの法則で構いませんが、そもそも目標に掲げていること自体が間違っていることが多く、目標設定という行為そのものがめちゃくちゃ難しいのです。

「これをやる!」という「これ」のやり方が間違っているかもしれないし、そもそも「これを解決するためにこれをやる!」ということですが、その解決すべきポイントが間違っていたり、と、一箇所ずれてしまえば、何も意味のない目標設定になってしまうわけです。

例えば、「料理教室をやっているけど、売り上げが上がっていかない」という問題を抱えているとしましょう。そこで、「今年はブログで集客をする!」という目標を立てたとします。多分、この時点で間違いですからね。

よくある間違えポイントは

  • 問題を把握できていない(分析ができていない)
  • モチベーションがない目標を立てている
  • 数字的根拠に基づかない精神論、根性論の目標である
  • 目標を実行する時間がない

という間違いが多いでしょう。

なので、SMARTの法則だけでは検討すべきポイントが全然、足りないのです。