こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi)
音楽アーティスト活動講座を実施中です。↓
音楽ビジネスが終わっているというのは嘘です。
これからどんどん新しい業態になっていくのが音楽業界です。
表現者・起業家は人々をゴールに導くリーダーです。
起業家は、圧倒的な世界観でコミュニティを作り上げるアーティストから学び
表現者は、ビジネスを取り入れることで、より大きな価値を
より多くの人に提供し、社会を導くことができます。
これから、音楽ビジネスは全く新しい形になっていきます。
そうした内容を示した
「魂の音楽ビジネス構築術」を出版したので
今日は未来の音楽ビジネスを考察していきます。
Contents
- 1 ■今までの音楽ビジネスと今後の音楽ビジネスの18の違い
- 2 ■(1)現在:売れることが重要とされる/未来:社会的意義が重要
- 3 ■(2)現在:音源を売る/未来:音源はプロモーションのために無料で使う
- 4 ■(3)現在:仕事が来るのを待つ/未来:自らプロジェクトを作る
- 5 ■(4)現在:メディアに出る事が重要/未来:自分でメディアを持つ
- 6 ■(5)現在:周囲のスタッフに委ねる/未来:専門家を雇い共に進める
- 7 ■(6)現在:イメージを損なわない企業との仕事/未来:企業のイメージを向上させる提案
- 8 ■(7)現在:所属会社/未来:プロジェクト単位でのチーム編成
- 9 ■(8)現在:大企業との大型少数取引/未来:中小企業との無数の取引
- 10 ■(9)現在:販売単価は相場に合わせる/未来:販売単価は顧客と自分が決める
- 11 ■(10)現在:ファンクラブは数千人規模から/未来:中小企業との無数の取引
- 12 ■(11)現在:誰もが共感する歌を作る/未来:誰も気にしていない大切な事を表現する
- 13 ■(12)現在:大きな会社に所属する/未来:自分で会社を興す
- 14 ■(13)現在:スケジュール管理/未来:事業計画の作成
- 15 ■(14)現在:技術を磨く/未来:ビジネスの方法論を学ぶ
- 16 ■(15)現在:ステークホルダーが大勢いる/未来:直接取引
- 17 ■(16)現在:契約更新/未来:顧客の拡大
- 18 ■(17)現在:コラボ・企画/未来:アライアンス・ジョイントベンチャー
- 19 ■(18)現在:印税/未来:経常利益・収益分配
- 20 ■音楽ビジネスの未来のまとめ
■今までの音楽ビジネスと今後の音楽ビジネスの18の違い
まず、以下の表に現在の音楽業界と、
これからのアーティストのビジネスの18の違いをまとめました。
1つずつ解説していきます。
■(1)現在:売れることが重要とされる/未来:社会的意義が重要
音楽はコンテンツ産業だと認識されていますが、
本質的には音楽アーティストは「コミュニティビジネス」と言えます。
特定の問題・欲求・悩み・願望・趣味嗜好を持った、
特定のグループを、音楽というコンテンツで1つにし、
1つの物語のゴールに向かっていく中で
様々なマネタイズを行なっていくというのが
音楽アーティストのビジネスの本質です。
コンテンツだけでは収益化しにくくなっている現状からしても
原点に立ち返り、どういうコミュニティを作っていくのか?
を、それぞれのアーティストが、
自身の世界観によって構築していくステージに入ってきました。
そうなると、いかに知名度を上げ、コンテンツを売るのか?
という指標ではなく
いかに特定のグループにとって意義のあるコミュニティなのか?
そして、そのコミュニティをゴールに導くことで、
どういった社会的インパクトがあるのか?
という指標こそ、
アーティストにとって最重要な存在意義になるでしょう。
■(2)現在:音源を売る/未来:音源はプロモーションのために無料で使う
現在までの主な音楽アーティストの収益源は
音源とステージ、グッズなどです。
現在では、音楽配信、定額配信、無料動画配信など
音源の低価格化、無料化が進んでいることもあり、
有名アーティストでさえ、
音源を販売するというだけでは、ビジネス自体が成り立たなくなっています。
これからは、音源はほぼ無料でプロモーションに使用され、
コミュニティの顧客を集め、
その顧客に、1つのゴールを目指す中で
様々な形でキャッシュポイントを作り
マネタイズしていく流れになっていくでしょう。
■(3)現在:仕事が来るのを待つ/未来:自らプロジェクトを作る
現在は、仕事の依頼を受けるという発想が主流です。
依頼を受けて、報酬を受け取ります。
しかし現在は、クラウドファウンディングで出資金を集めたり
クラウドソーシングでリソースを募ったり、と
個人でもコアファンと協力者次第では
プロジェクトを作り出すリソースを調達することが容易になりました。
これからは、自ら問題解決のプロジェクトを立ち上げ、
様々な人と組み、
ビジネスを作り出す形になるでしょう。
■(4)現在:メディアに出る事が重要/未来:自分でメディアを持つ
現在まではいかにメディアに露出するか?
という考え方でした。
知名度を上げ、音源を売り、コンサートを提供する。
そうしたところから、
自ら媒体を作り出し、顧客リストを持ち、
何かを始めれば、一気に顧客にダイレクトにメッセージが届き
ダイレクトに商品の販売が行われていくでしょう。
アーティストがブログなどのオウンドメディア(自社メディア)を持ち、
メルマガを運営し、ニュースレターを発行するという形です。
■(5)現在:周囲のスタッフに委ねる/未来:専門家を雇い共に進める
起業家は、会計士・弁護士・コンサルタントといった士業を雇い
専門分野はそうした知識を学んだ人間に頼りながら
自らはリーダーとして果たすべきことに注力しています。
独立系アーティストも利益を出しながら
専門家とチームを組んでプロジェクトを進行していくようになるでしょう。
■(6)現在:イメージを損なわない企業との仕事/未来:企業のイメージを向上させる提案
アーティストのイメージを中心に案件を選んでいる状態から、
アーティストが企業のブランディングに貢献し、
コンサルティングサービスとして収益を上げていったり、
またはスポンサー契約として収益を上げることも考えられます。
■(7)現在:所属会社/未来:プロジェクト単位でのチーム編成
所属会社として一緒に動くメンバーが決まっていたチーム編成から、
プロジェクト単位でメンバーを集めていく形に変わり、
求人やパートナーシップも
同じビジョンで考えられる人材が集まるようになるでしょう。
■(8)現在:大企業との大型少数取引/未来:中小企業との無数の取引
アーティストが持つコミュニティの価値、趣味嗜好と
合致する団体、企業と多くの取引をする可能性もあります。
例えば、メディアがあれば、広告掲載やスポンサー契約も可能でしょうし、
企業と商品開発を共同で行い、コミュニティを中心に販売したり、
といった可能性も秘めています。
■(9)現在:販売単価は相場に合わせる/未来:販売単価は顧客と自分が決める
現在はCDがいくら、配信がいくら、
チケットがいくら、
といった相場によって価格設定が行われています。
しかし、価格は需要と供給のバランスによって決まるものです。
例えばアーティストのウェブサイトに100人だけ名前が掲載される権利に対して
1万人が欲しがっていれば、価格は釣り上がるように、
用意した価値と、需要によって、価格決定を行うことで
適切な顧客単価でビジネスが運営可能になるでしょう。
また、コミュニティによって、音楽やキャラクターとしてのグッズだけではなく
様々な価値提供が考えられます。
■(10)現在:ファンクラブは数千人規模から/未来:中小企業との無数の取引
現在ではファンクラブを運営するには、
それなりの規模からでないと開始しないということがありますが、
独立系アーティストであれば、5人でも10人でも、ノーコストで始められるはずです。
例えば、オンラインサロンという形式ならば
決済手段を用意して、Facebookグループでコミュニティを作るだけで
一人あたり数千円の月額課金を行うことも可能ですよね。
ファンクラブであれば年間で数千円でしたが、サービス化すれば、
10倍、20倍の価格にもなる上に、小規模からでも運営が開始できます。
またそうしたサロン運営の代行システムも存在しています。
■(11)現在:誰もが共感する歌を作る/未来:誰も気にしていない大切な事を表現する
作品づくりもコンテンツを売ることを主眼にしていた
過去に比べて、
どんどん本質的なアートに近づいていくでしょう。
アートの本質は、
相手が気づいていないことを表現し、
気づきを与え、感動を起こすことに価値がありますよね。
多くの共感を取る必要があったコンテンツ単体ビジネスから
コミュニティのバイブル(聖書)としての作品になることで
アート本来の気づきを与える作品づくりを中心にしていくことができ、
より感動的な作品が生まれるはずです。
■(12)現在:大きな会社に所属する/未来:自分で会社を興す
現在ではアーティストは音楽活動を中心にしていました。
しかし、音楽業界の成功モデルが崩れてきている現在では、アーティストが企業に属する旨味がだいぶ少なくなり、独立系アーティストはマネジメントやマーケティングを自ら行うことで、損益分岐点のハードルがだいぶ下がります。
例えば1万枚のCDを販売してようやく経費を支払えるというのが現在のモデルなら、それを起業家が自ら行えば、1/10で利益化する可能性もあるわけです。
そうなれば、顧客数を圧倒的に増やさなくても経営存続が可能になります。
例えば、矢沢永吉さんや、西川貴教さん(T.M.Revolution)のように、自ら会社経営をするトップアーティストと同じく、経営者となり、専門家を雇いながら経営チームを作っていく形式に変わっていくでしょう。
■(13)現在:スケジュール管理/未来:事業計画の作成
仕事の依頼を受けて調整するという発想ではなく
自ら事業計画を作り、
道を切り開いていく形に変わって行きますね。
自らの軸に沿って行動計画を立てることで
無理のない活動をしていくように変わっていけるはずです。
「とにかく売れる時期に売っておけ!」
という会社に属す必要性はないのです。
■(14)現在:技術を磨く/未来:ビジネスの方法論を学ぶ
現在までは、とにかく良い作品、
なんとか売れるような画期的なこと、
話題になること
そうしたクリエイティブ優先で突破口を見つける傾向に業界はありましたが
独立系アーティストは、作品づくりに時間を持つためにも
しっかりとビジネスの方法を学んで運営していくことになるでしょう。
■(15)現在:ステークホルダーが大勢いる/未来:直接取引
プロダクションがあって、レコード会社があって
出版権になんだかんだ、
中間マージンがあって、あの業者が入って、、
と、とにかく利害関係者が多い音楽業界です。
しかし、これからは顧客との直接取引。
自らプロジェクトを作り、
プロジェクトの見込み客を集める
メディアを持ち、
リストを取り、
決済手段を持ち、
見込み客にダイレクトにコミュニティに入るための
商品サービスを販売する時代になっています。
■(16)現在:契約更新/未来:顧客の拡大
活動を継続するには、企業との契約更新をするしかありませんでした。
しかし今後は、
自らのビジネスモデルを成立させ、
プロジェクトの顧客をいかに
拡大していくかが継続活動のカギになって行くでしょう。
■(17)現在:コラボ・企画/未来:アライアンス・ジョイントベンチャー
現在は新しい企画があっても
コラボレーション作品や、
共同で同業者とコンサート企画する程度かもしれません。
しかし起業家として活動する独立系アーティストは
同業者だけではなく
様々な分野のコミュニティーリーダーとジョイントベンチャーを
することが可能になります。
例えば、アーティストのコミュニティで商品を販売したいリーダーと
組んで、より、顧客の問題解決を促進させながらも
バックマージンを受け取ることも可能でしょうし、
逆に、アーティストの商品を他のコミュニティで販売したいという
コミュニティリーダーと組むこともあるでしょう。
■(18)現在:印税/未来:経常利益・収益分配
現在までの収益源は、ギャランティと印税でした。
しかし独立系アーティストは自らのプロジェクトの
売上から経費を引いた利益を受け取っていく形になって行きます。
■音楽ビジネスの未来のまとめ
ざっと見てきましたが、
アーティストは心を満たす、情緒的価値だけではなく
ニーズを満たす、機能的価値も併せ持つコミュニティを主宰することが
今後のキーになっていくでしょう。
さらに知りたい方は
こちらをお読みくださいー。