こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi)
「失敗が怖くて行動できない」「失敗したくない」という人は多いと思います。誰もが失敗せずに、早く成功したいですし、うまく行って成果をあげたいですよね。
でも、自己啓発本やらを読んでも「失敗を恐れるな!」とか「最初から成功する人はいない」とか「完璧主義になるな」と言った根性論のアドバイスがオチか、ハウツー本なら「メモを取ろう」「人を頼ろう」「全体を見ろ」「1つにフォーカスしろ」と言った、できたら苦労しないよ!っていうアドバイスがあるだけ。
それがわかったところで、「失敗したらこんなことになってしまう」という『恐怖』は誰にでもありますし、「自信がないから」と自分の実績のなさを理由にしたり、「行動力がないから」などと性格を理由にして、行動しない、あるいは、逃げ腰で問題に当たり、結局は失敗してしまうことを繰り返し、さらに自信を失う結果になりがちです。
そもそも人間、必ず失敗はするわけです。
だったら、問題は「いかに失敗するか?」なんです。
うまく失敗して、うまく立ち直る。
失敗の正体がわかれば恐怖は軽減されます。
今日はそんな失敗学。
Contents
■なぜ失敗が怖いのか?行動できない理由
(1)コンフォートゾーンに居たいから
まず、なぜ我々は失敗が怖いのか?というメカニズムを知りましょう。
失敗が怖い原因は「コンフォートゾーン」にあります。
コンフォートゾーンとは快適領域のことで、人間は快適な環境を望みますし、それを維持しようとします。
人間は正常な状態を維持するために、恒常性維持機能(ホメオスタシス)と呼ばれる機能があって、体温を一定に保とうとしたり、危険なものを避けたりという本能があるわけです。
だから、未知の領域のことや、危険なもの、やったことがないことなどを恐怖に感じるのは人間のホメオスタシスが正常に働いているだけなので、何もおかしなことではないんですよ。寒い日はコタツから出たくないものです。快適だから。
逆に、なんでも危険を顧みずに向かって行ったら命がいくつあっても足りないわけですし、大変なことをしたらエネルギーもなくなるわけで、それを避けて快適領域に留まろうとするのはいたって正常。
だから「失敗が怖い」とか、全く普通のことなので心配しないでください。
(2)自尊心があるから
それで、コンフォートゾーンを飛び出した向こうに「成功」と「失敗」があるわけです。
快適領域の中で、コタツの中にいては、いつまでたっても人との出会いもないし、成功も失敗もありません。その快適領域を飛び出して、いろんなことにチャレンジしたりすればいいわけですが、それが怖くてできません。
なんでかというと、自尊心が傷つくからですね。プライドです。
失敗した時のショックが嫌だから、行動できない。
で、それは結局は「他人の目」が怖いということ。
世界三大心理学者のアルフレッド・アドラーは「人間の悩みは全て人間関係の悩みである」と言い切りました。
お金の悩みでさえ、お金がなかったら人にどう思われるか?他人より給料が低かったら?ということから悩みに至るということ。無人島で育ち、人間は自分しかいないと思っていたら、悩みそのものがないという話ですね。
(3)思い込み
つまり、失敗が怖い原因は、「思い込み」ってことです。
「他人がどう思うか?」
「失敗したら〜」
というのは、他人に対してどういうイメージを自分が持っているか?
失敗に対して、自分がどういうイメージを持っているか?
ということに過ぎません。
「信念体系」というものですが、自分の中で信じていることによって人間は構成されます。
「失敗してはいけない」
「失敗したら他人にバカにされる」
「失敗したら怒られる」
「失敗したらカッコ悪い」
「私は失敗するものだ」
と言ったことを信じている。
だから「失敗=危険」という風に覚えているわけですね。
失敗は危険なものだと理解しているわけですから、コンフォートゾーン(快適領域)の中に「失敗」「挑戦」と言ったものがないわけです。失敗は、不快な領域にあるものだと理解している。だから、コンフォートゾーンにとどまってしまい、行動ができない、というメカニズム。
■失敗の本当の意味とは?
要するに「失敗」というものへのイメージの問題なわけです。
人間は言葉という概念に振り回されて、妄想の中で生きている部分があります。
「お金」という言葉へのイメージが「危険なもの」「良くないもの」「足りないもの」「苦労して嫌なことをしないと手に入らないもの」「悪いことをしないと手に入らない」と言ったイメージを持っていれば、当然、お金を避けるようになりますから、お金は手に入らないでしょう。
「失敗」へのイメージが「危険」「良くないもの」「バカにされる」「自分の価値がないように感じる」と言ったネガティブなイメージであれば、失敗は避けたいものになります。
当然、失敗を避ければ成功は手に入りません。
ですから、失敗という言葉の定義を再定義して「怖くないもの」に変える必要があります。「失敗は怖くない」「失敗しても全然平気」と言ったイメージに変えるわけです。
そこで、失敗のイメージが変わる、「失敗の正しい意味」を3つ紹介します。
(1)失敗は成功の反対ではない
「成功の反対はなんですか?」という話です。
辞書には、成功の反対語は「失敗」とあります。
しかし、それは生きていく上では間違えです。
以下の図を見てください。
現在地点では何もしていません。
そこから行動を起こし、成功というゴールにたどり着きます。
つまり、成功の反対位置にあるものは、「何もしていない現在」です。
むしろ、「失敗が怖い」という理由で何もしていないのであれば、何もしていない今が失敗であるということですね。
起業したいという方で、「失敗が怖くて何もできません」という人がいましたが、その状態がもう何年も続いていたそうです。もうその時点でその数年間を失敗してますよね(苦笑)
(2)失敗とはプロセス
そして、成功というゴールに向かう途中にあるのが失敗です。
以下の図を見てください。
成功へ向かう途中に、何度も失敗して、その度に軌道修正して、成功にたどり着きます。
失敗とは「この方向では間違いだよ」と教えてくれる神様です。
その神様によって、軌道修正ができているということ。
失敗という神がいなければ、失敗に気づかずに突っ込んで、取り返しがつかない結果になっているということ。失敗は、ありがたい存在とも言えます。
「怒られるのが怖い」とか「数字(結果)を見るのが怖い」と言った人がいますが、そういう人は失敗に気づかずにどんどん深いところまで入ってしまい、取り返しがつかない状態になります。早めに結果を見たり、注意されたりしないと逆にやばいです。
軌道修正していけば、そもそもの方向が間違っていない限り必ず成功にたどり着くってことです。
(3)失敗とは確定
ということは、失敗とは「やめた時」に失敗となるということです。
次の図を見てください。
どこかの時点で、現在のルートではうまくいかないという判断をし、そのルート、その方法をやめたとします。その時点で失敗が確定されるということです。つまり、失敗とは「やめる判断」なのです。
そして、別のルートに行けばいいのです。プランAをやめて、プランBに移る。1つ目のやり方をやめて、2つ目のやり方に変える。ということです。
こうした失敗のイメージを本質的に捉えることで、失敗の正体がわかり、失敗の恐怖が軽減されていきます。
■仕事のミスや失敗ばかりする理由
失敗は成功のためのプロセスだということを頭で理解していても、そうはいっても、失敗の数は少ない方がいいですよね?
失敗には2種類あります。
良い失敗と悪い失敗です。
良い失敗は成功のプロセスにある失敗です。その失敗は軌道修正をして行けば成功に辿りつきます。しかし、悪い失敗は、「同じような失敗を繰り返している」という状態です。こちらは、いくらやっても物事が進みません。
「何度やっても失敗ばかりしてしまう」という場合、2つの理由があります。
物事を行うには、「1に原理」「2に方法」が必要です。そのどちらかに問題があるから、同じような失敗を繰り返してしまうわけです。
(1)原理の理解
まず知識不足です。同じ失敗を繰り返してしまう場合、「何がどうなったらうまくいくのか?」という原理の理解をしていないということです。
成功させるというのは、物事を成立させるということですが、物事を成立させるには一定の条件が必要なわけです。
例えばカレーを作るには、「材料」「レシピ」「調理」「盛り付け」という行程が必要ですし、美味しいカレーという基準を満たすには、「美味しいと感じる味」が必要なわけで、美味しいと感じる味の要素は、、、と、物事を成立させるには、分解された様々な条件があることで成り立ちます。
ということは、自分が手にしたい結果のために、どういう条件を揃える必要があるのか?という物事の本質を理解しないと行けません。
例えば、任された仕事において何が自分に求められているのか?この仕事の成功にはどんな要素が必要なのか?なぜそれをするのか?ということもわからず、とりあえず目につく作業をしようとしていれば、いつまでたっても似たような失敗を繰り返してしまうでしょう。
そうした知識不足、情報不足から、トンチンカンになってしまうということです。
(2)方法の実践
次に、原理の知識があったとしても、方法を実践するための技術がない場合です。
言ってみれば、カレーを作るには、「材料」「レシピ」「調理」「盛り付け」という行程が必要だということが理解できていても、調理をする技術がなければ方法を実践して、成功の条件を揃えることができませんからね。
例えば、野球で速い球を投げる原理を理解していても、それを実践するための筋力がなければ実践できませんし、ブログで集客をする原理がわかっていても、それを実践するライティング力や、継続するための管理能力などがなければ実行できません。
実践は繰り返してこそ筋力がつくものですから、実戦に問題があることが分かっていれば繰り返しトレーニングをしていくだけなので、そこまで心配はありません。
原理の理解と方法の実践ができれば、ミスを最小限にすることができます。
■正しい失敗の仕方の4ステップ
では具体的に、最小限の失敗で、正しく小さく失敗していくための4つのステップをお話しします。
(1)成功と失敗の定義の明確化
まず最初に、何を持って成功なのか?何を持って失敗なのか?という定義を明確にしましょう。
例えば独立起業をするために、副業でビジネスを始めたとします。
そこで以下のように定義したとします。
<成功>
月収50万円を1年間は継続すること
<失敗>
今から3ヶ月以内に5万円の売り上げが発生しなかった時
資金10万円が底を尽きた時
こうした定義を明確にすることで、「いつやめるか?」「どうなったら成功か?」ということが理解できます。
会社でも同じことです。上司の指示で何か動く場合、「何をもって成功か?」「何がどうなったら失敗か?」ということを確認しておくことで、原理を把握しておくことが可能になります。
(2)成功のレシピを活用する
次に、我流ではやらずに、すでにそれを成功させた経験のある人にやり方を聞くということです。
例えば、料理ができるようになりたいなら、レシピ集から料理を作りますし、料理の先生をつけます。そうすれば、我流で何度も失敗する必要がなくなりますよね?
例えば、あなたが営業マンで、あなたと同じ商品を扱ってたくさん売っている人物が社内にいるならば、その人に話を聞いて真似をする。ということです。
自分のオリジナリティや自分らしさにこだわるからこそ失敗を続けるので、まずは成功体験をするためにも先生の真似をすることが大事です。
(3)プランBを用意する
一度の失敗ですぐにくじけてしまうのは、プランが1つしかないからです。
例えば多くの企業は最初のプランではなく、2つ目のプランで成功することが多いわけで、最初からこれがダメだったらこっちにいく、という2つ目のルートを持って始めているわけです。
先ほどの例ならば、
<失敗>
今から3ヶ月以内に5万円の売り上げが発生しなかった時
資金10万円が底を尽きた時
という条件に当てはまった場合に、プランBに移行するということ。
プランがもう一つあるだけで心に余裕が持てます。
(4)了承を得る
組織で動いていたり、他人が絡むことであれば、周囲に事前に「失敗の了承」を取りましょう。
「こうなったら失敗で、その際は軌道修正をしましょう。こういう状態になったら別のプランに切り替えます」と定義を共有しておくことで、失敗が起きても予期せぬ出来事ではなく、あらかじめ想定の範囲なので、あなたが悪いということにはならなくなります。
■失敗の恐怖のまとめ
- 失敗の判断基準を持っている
- 成功のレシピを使っている
- 別のプランもある
- 失敗できる空気もある
これで失敗の準備は整いました。
思う存分、小さく失敗してください(笑)
コンフォートゾーンの中に、「失敗を軌道修正をしていて当たり前」という感覚が入れば、怖くなくなりますよ。