こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi)
今回は、ソウルワークのコンサル生の事例です。
販促支援系の企業が、あるアイデアによって
顧客単価が10倍になったという報告がありました。
現在、年商4000万弱の企業なので、一気に1億超えはもちろん
どこまで伸びるかというイノベーションが誕生しました。
非常にユニークな事例で詳細を紹介したいのですが、
戦略に関わる部分なので、詳しい業種や方法は
残念ながらここではお伝えできません。
戦略を簡単にいうと、
個人向けに使っていたサービスを、
法人向けにしたということですね。
それにより、約10倍の単価でサービス提供ができるようになりました。
<実践内容>
・業種:販促支援系企業
・年商規模:約4000万円
・課題:利益率が低く価格競争に巻き込まれている
・実施したこと:ピボット戦略による、ターゲットと利用目的の変更でサービス価格を約10倍で販売できるようになった
Contents
■ピボット戦略とは?
ある程度完成されているビジネスの業績アップというのは、
1.2倍〜2倍程度の改善というケースが多いです。
期間は3ヶ月程度という感じです。
未完成のビジネス、売れていないという問題があるビジネスの場合は
最初が低いので伸び率は当然高いです。
では、ある程度完成されている事業を
5倍、10倍という伸び率で業績を上げることは不可能なのか?
というと、そんなことはありません。
そのような圧倒的な成果を上げる方法の1つとして
今回、活用した「ピボット」があります。
ピボットとは旋回軸のことですね。
バスケットのアレです。
わからない人は、コンパスを思い出してください。
超簡単にいうと、方向転換ということです。
例えば、全く正反対の方向にニーズがないかを探ったり、
同じ商品を別の相手に売ると価値が高まらないか?
場所を変えて売るとどうか?
といった発想をしていくことでピボット戦略は生まれます。
■ピボット戦略:平井堅はアフロにして売れた
歌手の平井堅さんは、
「これが売れなければ契約終了」という中、
「楽園」という楽曲で今までのイメージを一新し、
バラードかつアフロヘアーに方向転換。
爆発的ヒットとなりました。
彼はデビュー当時はアップテンポな曲が多かったようですが、
バラードにこそ魅力がありますよね。
さらに、その容姿も大人の女性のファンがつくタイプです。
大人の女性にその歌声がハマったということですね。
当時のCMには事務所の先輩である江角マキコさんが出ていますが
これも同世代の女性に共感を呼ぶきっかけになったことでしょう。
こうした方向転換によるアーティストの成功は
今まで持っていた資源を
別のところに向けたことで
一気に需要が高まったという数多くのピボットの成功例があります。
■ピボット戦略:小型パソコンの「レッツノート」の戦略
例えばビジネスマンに人気のレッツノートという
モバイルパソコンもそうですね。
個人向けパソコンが主流の中、
法人向けに特化しようという発想がまずあり、
当初の法人向けパソコンはDELLが強かったと思いますが
DELLは室内で使うもの。
では、「室外」、つまり移動時に使える法人向けパソコンは?
となると、一気に競合がなくなります。
そこで、技術を生かして、法人向けの小型高性能PCという
モバイル需要に応えたわけですね。
■ピボット戦略:ハイチオールCの戦略
他にも有名なのが、エスエス製薬のハイチオールC。
シミソバカスに有効な商品として女性に人気です。
しかし、ハイチオールCは、当初は二日酔いに効く商品として
中高年の男性向けに販売されていた商品です。
あまり売れていなかった当時の商品を
ターゲットと利用目的、ネーミングを変更したことで
爆発的なヒットになりました。
これも既存の商品の効果を、別の相手に使う、別の目的で使える
という発見から行われたピボットと言えます。
よく、この事例は「ネーミングの重要さ」
といった切り口で、様々なビジネス書で紹介されていますが、
これはネーミングではなく、
明らかに、新機軸のピボットです。
ただネーミングを変えても、
対象者や目的が変わり、急に価値が高まる、
ということはあり得ません。
■同じことをしても圧倒的な結果を出すピボット戦略
今回のコンサル生も、
既存のサービスで実現できている能力
を、別の方向に向けたことで、
新たな需要を発見しました。
ピボットは、「マーケットの変更」な訳です。
個人のPCから、法人向けへ、
法人向けから、移動用PCへ
そうした戦う場所(ポジショニング)を変更することで
大きな需要があり、他の競合がいない場所を見つける。
そうした戦略的な思考です。
■ピボットするにはケイパピリティを探す
ピボットは闇雲にはできません。
まず、自社のケイパピリティを見つけることです。
ケイパピリティとは、
自社が物事を達成するための能力です。
例えば、
ハイチオールCの成分は、二日酔いの他にシミソバカスに有効な成分であった
わけですし、
レッツノートは、小型化の技術と法人マーケティングのノウハウを
持っていたことから生まれていますし
平井堅は、バラードの能力と、大人の女性に人気が出る容姿や雰囲気があった
ということから方向転換をしていますし
最初に持っている、
「現在の物事を達成させるために使っている能力」
に注目することです。
まず自分のケイパピリティを書き出してみましょう。
ここで実際にやる人とやらない人は大きな差が出ますよ。