こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi)
「好きなことを仕事にしたい」という方から似たようなご質問をいただくので、ここで答えておきますね。
これはいろんな場所で語られている事ではありますが、「ワクワクする事を見つけよう」とか、「強みや自分軸を見つけよう」とか、「好きな事がない人なんかいない」とか、抽象論が多い。
「その自分軸が分からないんだ!」ってなりますよね。
「好きって、壇蜜が好きってことでもいいのか!いいのんか!」
ってね。なるよね。
そんなわけで、今まで多くの起業相談や企業の相談などを解決してきた、ビジネスコンサルという立場から論理的かつ具体的に、「なぜ好きなことを仕事にしたい人がうまく行かないのか?どうすれば好きなことを仕事にしていけるのか?」ということを解説してみます。
では行ってみましょう。
Contents
■好きな事を仕事にするとはどういうことか?
この悩みには2段階あって、「好きなことが分からない」「好きな事が見つからない」という段階と、「好きな事があるけど仕事にならない」という段階です。
問題というのはいっぺんに考えるからよく分からなくなるだけであって、「細分化」すれば、1つ1つの問題は大したことではありません。
つまり、
1、まず好きなことを認識する
2、次に、それを仕事にすることを考える
という順番です。
「好きなこと」と、「仕事にすること」を一緒くたに考えるから、よく分からなくなるわけですね。
■好きな事が分からない・見つからない理由
で、「好きなことが分からない」という人がやっている行動は
- ブログアフィリエイトをやってみる
- 情報発信をやってみる
- 転売をやってみる
- 資格を取ってみる
- ビジネスの勉強をしてみる
と言った行動をしていたりしますが、
その行動を選んだ基準は、「儲かりそうだから」「成功しそうだから」「流行ってるから」と言った基準な訳ですよ。
よく考えて欲しいんですが、「好きなこと」が、「儲かりそうなもの」の中にあるわけがないんですね。
「好き」というのは、自分自身の感覚なんです。
「好きかどうか」というのは、あなたの主観にしかないのです。
そして「成功する」「儲かる」「仕事になる」「流行っている」と言ったものは、「社会が求めている」ということな訳です。
他者が求めているから、成功する、儲かる、仕事になる、流行る、ということが起きるわけですね。
それはつまり主観ではなく、客観です。
「他者から見て価値がある」、ということ。
主観で選択すべきことを、客観で選択しているから、
「これは好きなことじゃない」
「やってみても楽しくない」
「続かない」
「こんなはずじゃなかった」
となるわけです。
「好きなこと」=主観(自分が決めるもの)
「仕事(自分の利益)になること」=客観(他者が決めるもの)
まぁここまではよく言われていることかもしれません。
■洗脳された「好きな事」
じゃあ、「主観で好きなことを探そう」ということになるわけですが、多くの場合、「自分がこれが好きなんだ」という認識自体が、社会的成功イメージに洗脳されていたりします。
例えば、「数学が好き」という子供がいた時に、なぜ数学が好きなのかを聞いたら、「問題が解けたら褒められるから」という理由であった場合、それは本当に自分が好きなことなのか?という話です。
褒められるという報酬があって成り立つ行為であれば、褒められなければ好きじゃないということになります。
人間は、「インセンティブ」によって考え方を変えてしまう傾向にあるわけですね。
インセンティブというのは外部から与えられる刺激のことで、「給与をもらえるから働く」「〇〇が得られるからやる」「人に認めてほしいからやる」と言った、外部の動機付けのこと。
「儲かりそうだから」「有名になれそうだから」と言った、外発的な動機で行動選択をすると、好きなことが分からなくなります。
好きなことを認識するには、インセンティブに関係なく、あなたの内側から湧き出る情熱、内発的動機に目を向けなければなりません。
■好きなものの正体
つまり、簡単に言えば、好きなことというのは、
「自分の利益に関係なく、好きであること」のことです。
- お金にならなくてもそれが好きなのか?
- 報酬がなくても好きなのか?
- 褒められたり、承認されなくても好きなのか?
- 誰に命令されるわけでもなく、やり続けたいことなのか?
ということ。
インセンティブもなく、考え続けたい、やり続けたい、
そういうものが「好き」ということです。
まず自分が好きと思っているものが社会的成功イメージに洗脳されたものではないか?ということを確認する必要があります。
「外部からの刺激」がその行動を好きだと認識する条件付けになっている場合は、洗脳された好きなことである可能性が高い。ということです。
■運命の相手
極端な話、結婚であるとかも同じです。
結婚相手の条件として
- 収入が高くて
- ちゃんとした会社に勤めていて
- ちゃんとした学歴があって
- 優しくて
- ルックスが良くて
と言った、結婚が成功しそうな客観的要素を最初に挙げている以上、本当に好きな人にめぐり合うことはないでしょう。
あくまで好きかどうかは主観で自分が感じること、決めることであって、結婚が成功しそうな条件、つまり自分の利益を満たしている相手を自分が好きになる可能性は極めて低いでしょ?
まず自分の利益は置いておかなければならない。
成功しそうな条件自体が、社会的成功イメージの洗脳であるということ。
利益に関係なく、好きだと感じた相手が、結婚した時点では成功条件を全く満たしていなくても、後で成功条件を満たす場合もあるでしょうし、そうならないかもしれない。
それでも関係がなく好きで、その人と一緒にいようと決めるということでしかないわけで。
損得勘定で決めている以上、好きな人にも、好きなものも分からない。ということ。
損得で考えていれば、結婚をするのも、子供を作るのも、仕事を持つのも、負担が大きく、お金もかかり、労力も大きく、損でしかないでしょう。独り身でいるほうが気楽でしょうし、仕事も責任がないもので、簡単に短時間で安定した収入が得られるものをやったほうが負担が少ない。
しかし、それで楽しいか?幸せか?それが好きか?と言うのは別問題で、それが好きになる人もいれば、そうじゃない人もいるわけです。
得をしそうな選択を好きになる可能性もゼロではないが、その選択が好きではないのならば、最初に選択をすべきは、利益に関係なく好きなもの、人、なわけです。
その好きなものを、自分の利益になるようにするにはどうするかというのは次の段階で考えるべきことです。
順番が逆だと、運命の人にも、運命の仕事ににも気づけません。
■好きな事を細分化する
さて、その上で「好きな事」というのも細分化すると、「好きな対象・分野・業界」と「好きな作業」と「好きな環境」と「好きな(お金以外の)報酬」の4種類に分類できます。
- このテーマに
- こんな作業で
- こんな環境で取り組み
- こんな(お金以外の)報酬を得られる
だから、「好き」なわけですね。
これら4種類の全てが満たされていれば、かなり好きということです。
逆に、これらのどれかが欠けていた時に、その行為が嫌になるということ。
例えば、「会社員を辞めたい」という人に話を聞くと、
「そもそもこの業界に興味がないから面白くない」
「営業という作業が面白くない。人と話すことが楽しくない。自由度がない」
「職場の環境が嫌だ。人が嫌だ。労働時間が多すぎる」
「給与が少ない。成長できない。雇用条件が悪い」
と言った
・分野
・作業
・環境
・報酬
のいずれか、もしくは全てを問題にしているから、「辞めたい」というわけですね。
やめる以外の解決策もあると思いますが、それは今回は置いておきます。
踏まえると、
・飽きないテーマで
・得意な作業で
・自分が安心できる環境で
・お金以外の報酬を得ている
ということが、完全なる好きなことだと言えます。
では、どのように好きなことを見つけるか?その方法をお教えします。