こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi)
今や中高生でも「起業」に興味のある子供はいます。そんな子供に実際に聞かれた起業に関しての5つの質問に対して答えていきましょう。
起業するなら「オススメの業種」「何歳からやるべき?」「学校は?」「資格は?」と言ったことに答えていきます。
Contents
■(1)起業するならおすすめの業種は?
まず、どういった業種が起業に良いのか?という点ですね。それには、「起業に最低限必要な2つの条件」「起業が成功しやすい業種のの条件」の2点を説明します。
<起業の2つの最低条件>
1、その業種に詳しい
まず最低限の条件として、起業する業種のノウハウや業界について詳しいかどうかです。蕎麦屋を始めるのに蕎麦屋について詳しくない、となるとどうやって蕎麦屋を運営するのか?という基本的なことが分かりません。当然ですね。もちろん、自分で蕎麦を打たなくても構いませんが、経営者として作業者にならずともその業界について興味がなければ行けません。
2、経営のノウハウがある
もう一つの条件が重要ですね。自分が蕎麦を打てるからという理由で蕎麦屋を始めても、結局は、どんなビジネスでも経営です。経営者は経営に詳しくないと行けません。市場規模は?顧客のニーズは?価値は?商品は?集客方法は?リピート方法は?客単価は?リピート率は?投資回収率は?あらゆることを判断し、コントロールしていく必要があります。
<起業が成功しやすい業種の条件>
成功しやすいかどうかは以下の6つの条件のうちどれだけ条件を満たしているか?でほぼ決まります。もちろん、6つ全てを満たしていれば最もリスクが低まります。
1、利益率が高い
2、固定費が低い
3、人を雇う必要がない
4、定期収入がある
5、在庫不要で資本金が少なくてもできる
6、市場が大きい
要するに、経費が少なく、利益が高く、顧客獲得が最小限で済み、かつ、需要が大きい、顧客数が多いというビジネスです。
<起業にオススメの業種>
それらの条件を考えると、オススメと言える業種は現段階では以下になります。
・WEBサービス
まず、経費がかかりにくく、資本がいらず、利益率が高く、定期収入がある、それでいて市場が大きいとなると、WEBサービスになります。インターネット上のサービスということです。現在の企業のROEランキングを見ればわかる通り、収益率が高い企業というのはWEBサービスの会社が多いです。これは、実店舗もいらず、在庫もいらず、人材も少なくて済むからこそ、そこまで投資収益率が高いのです。
WEBサービスのビジネスモデルは、「課金モデル」「広告モデル」「物販モデル」「マッチングモデル」と言った形があります。Yahoo!のように、アクセスを集めてそこに広告を掲載するのが広告モデル。Dropboxやゲームのサイトのようにサービスを有料で課金するのが課金モデル、求人サイトのように価値ある情報とそれを求める人をつなげて報酬を発生させるのがマッチングモデルです。
例えば、インターネットメディア業ならブログを開設して文章を投稿し始めれば誰でも小資本でスタートが可能です。もちろん誰でもできるからこそ、ライバルが多いので、そこには戦略が必要になりますが。スタートするだけならしやすいということです。ここに、プログラムが書けるという要素があるなら、なお、ライバルができないサービスも実現しやすいです。
・コンサルタント
コンサルタントやインストラクターは自分で知識を身につけていれば、在庫も事務所も人材も不要ですから起業しやすい分野です。ビジネスコンサルタントであれば、事業主がクライアントになりますが、事業主は日本にかなりいますので、市場は小さくありません。もちろんコンサルティングというのは日本にはそこまで馴染みのないサービスなので、それ自体は市場は大きくありませんが、他の関連サービスと組み合わせることがしやすいです。
例えば、上記のブログ運営を自分でし始めてうまく行けば、それを企業に指導しサポートするというコンサルティングができます。大事なのは、今持っているノウハウだけで考えるのではなく、これから自分がやることが誰に役に立てるか?という視点です。
・教室業
他にも、定期的に収益になり、在庫がいらないという条件を満たしている教室業も安定しやすい業種です。5000円の月謝で先生一人につき200人の生徒というモデルができれば、月収で100万円が安定します。100人で1万円でも同じ。定期収益というのは、毎月、集客に困らないので、廃業しにくいです。例えば、健康産業にも入ってくるフィットネスなどの分野、グローバル化が進む中での英会話、など、伸びている市場で教室ができればなお良いでしょう。
■(2)起業するなら何歳から?
早ければ早いほうがビジネスの体験ができるので、そう言った面では早いほうがいいでしょう。しかし、ビジネスをやるには、最低限のノウハウが必要です。それを考えると、手順を追ってノウハウなどのリソースを獲得しながら、人生設計を歩んでいくのが最も懸命です。
実際に、例えばワタミの社長は学生時代から居酒屋でアルバイトをし、資金を貯めて、フランチャイズでお店を持ち、そのお店を成功させて独立という手順を踏んでいます。つまり、業務ノウハウの獲得、最低限の資金の獲得、店舗ノウハウの獲得、経営ノウハウの獲得、と必要なリソースを順番に獲得しているわけです。
逆に学生時代からビジネスを立ち上げて成功させている経営者もたくさんいます。しかし、そうした若い経営者の多くはデジタル産業や、新しい市場、もしくは新しい手法を使ったビジネスに多いという傾向があります。新しい産業の場合は、自分で実践しないとノウハウが獲得できないという事情があるからでしょう。
そう言った点から参入する市場によって年齢は変わりますが、早めに10代のうちからビジネス体験はしたほうがいい。しかし本気の起業は、必要な資源を獲得してからスタートを切るべきということですね。そういう意味では年齢は関係なく、何歳でも起業できます。
■(3)起業するなら大学に行くべき?
大学に行っているからビジネスに有利ということはありませんが、優秀な学校に行けば優秀な人たちがいる確率は高まります。それは学校だけでなく、会社員になったとしても言えることです。優秀な人が周囲にいれば自分のレベルも上がりやすい。そういう意味で学歴を活用するのは良いことです。世界は学校だけではないので自分の進みたい分野で優秀な人に会える確率が高い場所に出入りすることを選んだほうがいいです。一緒にいる人でレベルは歴然として変わります。
ただ、会社に関していえば、起業するなら、一流企業に勤めて第一線の仕事をするよりも中堅どころのベンチャー企業で、プロジェクトを任されるまでやるほうが経営に近い感覚になりますし、経営者とも距離が近くなります。プロ野球でベンチ入りするより、社会人野球でエースになったほうが、経営者感覚は磨けるということですね。起業するなら成熟している大企業と成長が見込めない中小企業は避けて、成長しているベンチャーが一番、激しく学べるはずです。
■(4)起業するなら資格は取るべき?
業種によりますが、経営自体には資格は必要ありません。しかし、業種によって、業務提供をするにあたって資格が必要な業種はたくさんあります。これは、起業する分野が決まった時に、なんの資格が必要なのかを調べれば済むので、最初に考える必要はないでしょう。
ただ経営に関して必要な知識という意味では、学んでおいたほうがいい知識はいくつかあります。経営の原理原則についての知識、ITの知識、財務の知識、税金の知識、などですね。僕も個人的に最初に簿記の勉強は少ししたので確定申告などは最初は自分でやっていました。アウトソーシングすれば済みますが、経営者としてお金の知識は必要ですね。
■(5)起業するなら読んでおく本は?
最後に、起業するのにオススメの本は何か?という質問ですが、中高生でも簡単に読めそうなこの漫画をオススメします。
■起業するなら1回目の起業だけで考えない
さて、ここまで進めてなんですが、起業希望者は起業という行為を「一生に一度の一世一代の決断」か何かと勘違いしていることがあります。
文中であげた「居酒屋のアルバイト→店長→フランチャイズの店長→独自ブランド化」
という例でも、最初はフランチャイズだったわけです。
ビジネスは、常に業態転換が必要です。10年も30年も、同じ業態、同じ商品でずっと続くわけがないのですね。だから、必ず途中で変わります。逆に言えば、変われないと廃業します。
そういう意味では、最初の起業というのは、「課題にぶち当たるための起業」に過ぎません。
ビジネスをスタートするから、社会の課題が見えてくるのです。
それに、「リソース調達のための冒険」でもあるのです。
まず、ノウハウの獲得、資金の獲得、人脈の獲得など、が必要になります。
最初のビジネスは、そのための第一歩に過ぎません。
最初から完璧に自分にあったぴったりのビジネスを探し求めて、いつのまにか時間が経過しているということになりかねません。
そのあたりを柔軟に対応していきましょう。