マーケティング

欠乏欲求と成長欲求とは?|欲求を仕事と人生に活かす方法

こんにちは。スギムーです。

人間の欲求を理解すれば、ビジネスが容易になり、人生が豊かなものになります。

人間には「〇〇したい」という欲求がありますよね?人間が生きられるのも、経済が発展するのも、全て人間に欲求があったからです。その欲求を満たすために、人は行動をするし、お金を使います。

今回はビジネスの業界では言い古された話で、今更にもほどがありますが、「マズローの五段階欲求説」、そしてその欲求を細分化した「人間の根源的10の欲求」から、欲求を人生とビジネスに活かす方法をお伝えしていきます。

前回、「市場規模の調べ方」でも、最終的には市場は欲求から発生していると言うことを伝えましたので、その視点でもご覧ください。

特にアーティストやエンタメ系なんかは、問題解決商品を売っているわけではないので、この欲求のフレームを理解していないと、ファン獲得を推進していくのは難しいですからね。心理学だと思ってスルーするのはもったいないです。

 


■欠乏欲求と成長欲求とは何か?

人間の欲求を2種類に大別すると欠乏欲求と、成長欲求に分かれます。欠乏欲求とは、「不足しているものが欲しい」と言う欲求で、成長欲求はそれらを満たした後に、「自分らしくありたい」と考える欲求です。

これを理解するには、アメリカの心理学者アブラハム・マズロー(1970年没)の自己実現理論、通称「マズローの欲求五段階説」を知ることが必要です。

自分が今、どの欲求を欲しているのか?また、自分の仕事がどの欲求を満たすものなのかを考えながら見ていきましょう。

<マズロー欲求五段階説>

マズローは人間の欲求には以下の5段階があると言う理論を提唱しました。簡単に紹介します。

1、生理的欲求

まず、最も低次元の欲求、最初の欲求は生理的欲求です。これは本能のこと。食事・睡眠・性的欲求といった基本欲求です。これらが満たされていない段階では、この基本欲求が人間のモチベーションになります。動物はこの欲求を超えることはないとされています。マズローは生理的欲求が85%満たされれば、次の欲求に移行するといっています。

2、安全欲求

次に安全欲求。危険回避、経済的安定、仕事、良好な健康状態の維持、良い暮らし、といった安全・安心に暮らしたいと言う欲求です。

例えば、水道・電気などのライフライン、安全な家、健康保険、病院、最低限の収入の確保などがない場合は、人はそれをモチベーションとして行動します。マズローは70%ほど安全欲求が満たされれば次の段階に行くといっています。今の日本では、行動すれば満たされることがわかっている欲求です。

3、社会欲求

親和性欲求、社会欲求、愛の欲求、帰属欲求とも言われますが、生理的欲求と安全欲求が満たされると社会に属していたいと言う欲求が現れます。社会に必要とされていると言う感覚のことです。つまり、「孤独」を嫌い、人間関係を求めると言うこと。家族、友人関係、地域との繋がり、恋人など、人と繋がり、そのグループに属していたいと言うことです。

4、承認欲求

承認欲求とは自分が集団から尊重され、価値ある存在だと認められたいと言う欲求のこと。しかし、承認欲求は2種類あり、低いレベルの尊重欲求は、他人からの尊敬、地位への渇望、注目を得たいといったレベルの欲求。高次になると、他人ではなく自分自身が自分を評価するために、能力を上げたい、自立していたいと言う欲求になる。

5、自己実現欲求

最後に自己実現欲求ですが、今までの4つの欲求が満たされているとしても、人間は自分に最適なことをしていない限り、満足はできません。「自分らしくありたい」「自分の最高の能力によって課題を解決していきたい」と言う欲求が自己実現欲求です。これを超えると、6番目に「自己超越欲求」と言う、社会や世界をなんとかしたい、と言うより高度かつ崇高な欲求が現れて来ます。

<欠乏欲求(所有欲求)>

マズロー5段階欲求説の中の、1〜4までの欲求を「欠乏欲求」と言います。つまり、満たされていないものが欲しい、所有したいと言う欲求です。欠乏欲求には2段階があります。

1、物的欲求

生理的欲求と安全欲求は、物的欲求です。モノを買うこと、モノを所有することによって満たされる欲求だからです。仕事、家、食事、といったものです。モノやサービスの販売は、前提としてこれらの欲求を満たすと言うことが考えられます。

2、精神的欲求

親和性欲求、承認欲求は、モノではなく精神的な欲求です。形がない、つながりを求める、人から認められる、と言うのは見えないものです。精神的な欠乏感がこの欲求を生みます。

<成長欲求(存在欲求)>

成長欲求は、自己実現欲求のことです。マズローは、欠乏欲求と成長欲求は全く異なるものだと言っています。自己実現欲求の段階にいる人はかなり少なく、自己実現を果たし、自己超越欲求にまでたどり着く人は人口の2%しかいないともされています。

■欠乏欲求から起業を始めると失敗する

「欲求」を初めて知った人は「ハッ」とする人もいるみたいですが、こうした人間の欲求原理が常に大前提にあるわけですね。

で、問題は自分のモチベーションがどの欲求原理に基づいているか?と言うことです。

例えば、「起業をしたい」と言う話を聞きますが、よく話を聞くと「旦那さんと仲良くしたい」と言う目的があって、そのために相手に認めてもらうために起業を・・・と言った、理由で起業しようとしていたりします。

「友達を見返したい」
「すごい人に見られたい」
「自分もあの人みたいに」

と言った欲求は、先ほど出てきた低次元な承認欲求と言われているものです。これがモチベーションだと、いざ、本格的にビジネスを作るとなると難しくて全く興味が持てなかったり、顧客の立場で考えられなかったりして、うまくいかないケースがほとんどです。

本来、起業がうまくいく人は、会社組織の中で能力を発揮して、その枠では収まりきらないとき、つまり「自分の創造性において課題を自由に見つけて解決したい」と言う自己実現欲求で起業する人です。

■欠乏欲求からビジネスを考える

自己実現のためにビジネスをやっているからこそ、自分や他人ではなく、課題を中心に考えることができます。顧客や社会の問題を見つけ、それを解消することです。

基本的にビジネスは問題解決ですから、商品サービスの販売を通じて、顧客の欲求を満たすことです。つまり、満たされていない欲求を満たすのがビジネスなので、ここで言う「欠乏欲求」が対象なのです。

自費出版で億万長者になったジェフリーラント博士は欠乏欲求をさらに10個に分解し、ビジネスに応用することを提唱しました。それが以下の10個です。これらの欲求のいずれかに属したビジネスであれば市場性が見込めます。

(1)お金の市場

お金を稼ぎたい・お金持ちになりたい・節約したいと言う欲求です。これは誰もが持っているニーズです。企業であれば、利益を上げたいのですから、「売り上げアップ」「経費削減」のどちらかにしか興味がありません。人材育成をして売り上げアップ、SNSで売り上げアップ、システムを導入して経費削減、ロボット化をして経費削減、と言うことです。これはお金の欲求です。

もちろん、個人も転職して給料アップ、副業をして収入アップ、起業をして収入アップ。と言うことなので、それらを行うために、付随する商品サービスであれば成功しやすいと言えます。自分のビジネスに、そうした「お金が稼げる」「節約できる」と言う要素があるかどうかを考えましょう。

例えば、ただのウェブ制作ではなく、「集客できるウェブ制作」ならばこの市場になります。ダイエットコーチが施術をするのではなく、「稼げるコーチ講座」をやればお金の市場に変わります。アーティストのスポンサーになる企業に、認知度アップによる収益増などが提案できればそれもお金の市場なのです。

(2)健康の市場

人間の最大のテーマである健康には誰もが興味があります。健康になりたい、健康を維持したいと言う欲求です。例えば、市場がどんどん拡大しているフィットネス、オーガニック食品、健康食品、医療、アンチエイジング、メタボ、トクホ、リラクゼーション、整体、カウンセリングなどのメンタル、スーパードラッグストア、などなど、伸びている商品、業態はたくさんあります。

(3)愛の市場

「愛されたい」と言う欲求です。人は誰もが愛されたい、好かれたい生き物ですから、その欲求に訴えかける商品サービスは成功しやすいわけです。例えば、贈り物市場、クリスマス、誕生日、母の日、敬老の日と言った記念日、指輪やアクセサリーなどは愛の市場に属すわけです。自分のビジネスで、愛の要素を入れられないか考えてみましょう。

(4)危険回避の市場

次に、安全の欲求です。人は安心安全を求めます。例えば、セキュリティサービス、返品保証、がん保険、無添加食品。例えば、人は、何かを得るよりも、何かを失うほうがモチベーションが高いです。「住宅ローンで得をする」よりも、「住宅ローンで300万円をドブに捨てない方法」の方が興味が持たれます。自分のビジネスに応用できないか危険回避の要素を考えましょう。

(5)救済の市場

救済欲求というのは、「助けてほしい」という欲求です。占い、カウンセラー、コンサルタント、士業、専門家、キャッシング、あらゆる助けるビジネスがあります。救済欲求の問題は、「何について助けるか?」です。単に「人を救いたい」という思いで仕事を始めても、助ける分野次第では価値がありません。救済欲求は、他の欲求と組み合わせて使いましょう。「健康」について「救済する」と言ったことです。あなたの市場に助けられたい欲求を持った人はいませんか?

(6)承認の市場

承認欲求の市場とは、有名になれる、地位が上がる、と言った要素を持ったビジネスです。SNSは低次元の承認欲求を簡単に満たしやすいため、「いいね!」の数や、フォロワーの数、といったものでいかに注目を浴びるか?と言う感じで使われたことで流行りました。ブランド物の洋服、高級車など、顧客が他人から賞賛されやすい要素を持たせられないか考えて見ましょう。

(7)帰属の市場

帰属欲求の市場とは、どこかのグループに所属していたい。孤独は嫌だ。というものです。例えば、コミュニティビジネスやスマホ、通信ビジネス、音楽などはこの欲求に訴えかけています。ファンビジネスは、帰属欲求を理解することが必要です。どんなグループに所属したい人たちを対象にしているのか?何をもって一体感、連帯感を持っているのか?

(8)自立の市場

独立したい、一人になりたい、という欲求が自立の欲求です。独立開業、注文住宅、新築マンション、単身者向けアパート、おひとり様、孤食、中食。親からの自立、会社からの自立、自立したい人の欲求を取り入れられないか?

(9)性の市場

壇蜜の市場です。性的欲求がなければ子孫繁栄しません。例えばアダルトデジタルコンテンツ市場は700億円以上、アダルトDVDが500億円市場、風俗施設の市場規模は3兆5775億円と、相当な市場規模です。ちなみに音楽CDなどコンテンツ市場が3000億円です。そう考えると一大産業です。意外と自分は関係ないと思っていると思いますが、シャネルなどの超有名ブランドでもSEXの要素のある広告というのは常に意識されています。プロモーションではよくこの要素は使われます。

(10)美貌の市場

最後は「綺麗になりたい」という美貌の市場。これはいうまでもないと思いますが、エステ、ヘアサロン、ダイエット、フィットネス、食品、洋服、装飾品、いろいろな市場があります。自分のビジネスで美容に関係する要素はないか?考えて見ましょう。

以上ですが、基本的にこれらの要素があるビジネスが成功しやすいわけです。

■成長欲求のあるビジネスは良い顧客が集まる

日本では、基本的な欲求は大体満たされています。
食事も、睡眠も、家も、仕事も、治安の良さもありますし、寿命は長くなり、若々しく、友達も大体いるし、となれば、ある程度の欲求は満たされているわけです。

そして現在では、商品の価格は落ちて、寡占化が進み、モノは供給過多です。もうお腹いっぱいです。モノがない時代ではなくなりました。だから、早々、一般化された普通のものでは売れない時代になっています。

そうした背景の中で、欠乏欲求にばかり訴求した商品を用意しても、良い顧客は集まってこないことは想像しやすいかと思います。そこで、必要なのが「成長欲求」に訴求することです。

  • 「自分の力で課題を解決したいという欲求を持った人」
  • 「上手くなりたい、上達したい」
  • 「もっと学びたい」
  • 「よりレベルアップしたい」

という考えの人を対象にしていくことで、「丸投げ」「お客は偉い」「お金を出したのだからやってもらって当たり前」「主体性がない」といったレベルの低い客層を相手にしなくてよくなりますし、そうした人の方が利用頻度や客単価、良い結果が出るという面で優良顧客になりやすいでしょう。

そのためにも、あなたのビジネスが、何を目指し、どこへ向かっているのか?
何をなそうとしているのかをしっかりともち、伝えることが大事です。

 

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