戦略・ビジネスモデル

市場規模の調べ方|失敗しない起業のための簡単な市場選びの基準

こんにちは。スギムーです。

市場選びを失敗すると、ビジネスというのは上手く行きません。
多くの市場選びの失敗は以下のようなことです。

  • 得意なことで市場を選ぶ
  • 好きなことで市場を選ぶ
  • できなことで市場を選ぶ
  • 儲かりそうだからという理由で市場を選ぶ
  • ニッチで勝てそうだからという理由で市場を選ぶ

こういうケースが多いようですね。

しかし、こうした曖昧な理由で参入する市場を選ぶと失敗しやすいです。

最も確実な市場選びは「市場規模」から選ぶことだからです。
どうにもならないのは、市場性のない、需要のない市場でビジネスを始めた場合です。

今回は「市場規模」の調べ方についてお伝えして行きます。


■市場規模とは何か?

そもそも市場規模とは、その商品サービスを購入しているお客さんが世の中にどれくらいいるのか?どれだけその商品サービスにお金が支払われているのか?という規模のことです。基本的には、その業界の「1年間の売上総額」という数字で表されます。

日本にあるお金が、商品サービスが買われることで、一旦、企業にお金が行き、それがまた給与として個人に支払われ、また個人が消費する。企業はその活動を継続するために、他の企業にもお金を支払い、商品サービスの提供を継続する。そうすることで、経済というのは、回っていますよね。

企業の金融資産が1101兆円、家計が1800兆円。それらの資産が、国内の全産業の市場規模が942兆円として消費され、お金が回っているということですね。(出典:日本経済新聞

■個人は市場規模が小さい市場に入るべきか?

ビジネスを始める時、そのお金の流れがある中でビジネスを始めなければいけません。

そうなると、大きい市場に入った方が、ビジネスはしやすいということです。

「ニッチ市場」「誰もやっていないこと」「ブルーオーシャン」などを間違って認識すると、マニアックな市場を選んでしまうので、ここで認識は改めておくべきです。

大きい市場の中で、1%でも、0.1%でもシェアを獲得できればいいのです。

  • みんなが買うもの
  • 誰もが買っているもの
  • 誰もが困っているもの

そういうテーマの方がビジネスになるということです。
もちろん、「女性だけ」「この地域だけ」というセグメント(細分化)は市場選びの次に行いますが、まず大前提として、「市場規模は大きい方がいい」ということです。

■各業界の市場規模の簡単な調べ方

では早速、自分が始めようとしているビジネスの市場規模を簡単に調べる方法をやっていきます。詳細な方法はお金や時間がかかるので、簡単にできる、ざっくりした方法を紹介します。

(1)市場規模マップで調べる

まず最も簡単なのは、こちらの「市場規模マップ」を使ってどれだけの市場規模なのかを把握する方法です。市場規模マップでは日本に約225市場あるとしています。主要な市場はこの中で見つけることができます。この中に自分が予定している市場がない場合は、ちょっと考え直した方がいいかもしれません。

しかし、この中に予定した市場がなくてもちゃんと市場があるものもあるので、市場規模マップに載っていないからといって、すぐに諦める必要はありません。次からの方法で調べることができます。

また、リアルビジネスの場合は(5)の人口についても調べてください。

(2)ネット検索で市場規模を調べる

次に「市場名+市場規模」というキーワードでネット検索をしてデータを調べてみましょう。単純にそれだけでデータが見つかる場合もあります。

矢野経済研究所
調査のチカラ

(3)キーワードプランナーで市場規模を調べる

Googleのキーワードプランナーで、月間どれだけその市場を探している人がいるのか?調べる方法もあります。市場規模マップになくても、ネットで数万件も検索されていて、競合がそこまでいなければ、ビジネスが成り立つ可能性は高いです。

まず、キーワードプランナーにアクセスして、Googleアカウントでログインします。

地域で行うビジネスなら「〇〇市 業種名」で調べます。
例えば、教室ビジネスのように繰り返し継続的に利用されるサービスならば、月間で数十件でも検索されていればビジネスは成り立ちます。

次に実際にGoogleで同じキーワードで検索して競合がどれだけいるか?競合が強いかどうかを検索します。上位に表示されているサイトに勝てそうならば、参入しても問題ないでしょう。

(4)Googleトレンドで市場の成長性を調べる

成長している市場に入る方が成功しやすいわけなので、市場の成長性を調べることも大事です。データが手に入った場合は、現在の動向、業界の売り上げ推移がわかるので、それを参考に伸びているかジリ貧かを見ることができます。データが手に入らない場合は、Googleトレンドで伸びているかどうかを判断することができます。

伸びておらず、成熟市場の場合は、一般的な手法でそのビジネスをやっても苦しくなります。どうしてもその市場を選ぶ場合は、競合不在市場を見つけ、今まで提供されていなかった客層に向けたサービスを考えたり、今まで不満だったものを解消するようなイノベーションが必要です。

(5)人口調査で市場規模を調べる

リアルビジネスの場合、「商圏」があります。お店に来てくれる距離の範囲に、どれだけ対象者がいるか?ということです。ビジネスでは「商圏人口」と「支持人口」の2つを理解している必要があります。

<人口密度を調べる>

ビジネスをする地域の人口密度を調べます。wikiに書いてありますので、「〇〇市 wiki」で検索してください。例えば、宇都宮市の人口密度は「1250人/km²」でした。

<商圏の半径を出す>

業種によって商圏の距離は異なりますが、例えばコンビニは商圏人口1万人に1店舗が成り立つように作られているビジネスモデルです。中でもセブンイレブンは5000人でも成り立つように作ったことで圧倒的な成果を上げています。

例えば、美容室のような業種ならば、大都市(人口密度15,000人km程度)なら半径1km、地方大都市(人口密度5,000人km程度)なら半径2km、田舎の都市(人口密度1.500人/km程度)なら3km、田舎の住宅地(人口密度300人/km)なら4km〜10kmの目安で考えます。

それくらいの距離の人ならば、移動して来店が見込めるだろうという距離です。これは人口密度と業種によって変わります。大型ショッピングセンターや、専門店などであれば、もっと遠くても行きますからね。

<商圏内の人口を出す>

商圏人口というのは、お客さんが自分のお店の半径にどれだけいるか?という人数です。例えば、宇都宮市の美容室ならお店から半径3kmに何人が住んでいるか?ということです。地域のホームページか、市役所に行けば、詳細な地域ごとの人口、年齢別人口、性別、など分かりますので、その半径で人数を割り出します。
ここでは仮にお店の半径3kmに6000人いたとします。

<支持人口を出す>

支持人口というのは、

「商圏人口÷競合の店舗数」=支持人口

という計算式で算出します。

これによって、その業種でお店が成り立つだけの顧客数がその地域に競合との兼ね合いも考慮して、最低限いるかどうか?ということがわかります。一定数をクリアしていれば、簡単に集客ができるようになるということです。

上記の例では、例えば競合数が10店舗あれば、600人が支持人口です。お店が成り立つのに、スタッフ3人の美容室で250名の客数、3ヶ月に一回の来店頻度なら、250×3ヶ月=750名の顧客リストが必要です。なので、支持人口600名だと、ちょっと苦しいという事が分かりますね。

■市場規模が時流で変わるという嘘

ここまで数字の論理だけでセオリーを伝えましたが、もう少し別の見方を書いて行きます。

市場規模を考えるのに、「トレンド」に飛び込むという考え方があります。

例えば、「AIの時代が始まるからロボット産業が伸びる」
というのは誰でもわかることですが、
そもそも、「ロボット産業」という市場って、なんの市場ですか?
と聞かれると、答えられる人はなかなかいません。

そもそも、「ロボット市場」なんてないんです。

時流によって市場が形成される、
市場が新しく移り変わる、
というのは、半分は本当ですが、半分は嘘です。

どうゆうことかというと、人間の欲求は太古の昔から変わりません。

例えば「スマートフォン」という市場があります。
しかし、それは元々は、「携帯電話」という市場でした。
商品が新しく変わっただけです。

「携帯電話」という市場も、「通信市場」に携帯性を持たせただけです。
通信市場も、大昔からあります。
電話ができる前は、「手紙」です。

それも、人間同士が遠距離で情報伝達をする必要性が生まれてから誕生したはずです。

上記の例は、コミュニケーションの市場です。
人に繋がっていたいというのは、「帰属欲求」とも言います。

ロボット市場は、ロボットが何の役割を果たすのか?誰が使うのか?
によって市場は様々ですが、
なぜ人間からロボットに切り替えるのか?と言えば
企業なら、コストダウンが目的です。
つまり、お金の節約という市場です。

そう考えれば、市場なんて大昔から決まっているんです。

それは人間の「欲求」そのものです。
人間の欲求が変わらない以上、人間という構造が変わらない以上、段階的に、時代によって満たされている部分が異なるだけであって、本質的には、人間が欲しいものは、大昔から変わっていません。なので、市場データやモノに惑わされず、なぜそれが欲しいのか?人間の欲しいもの、欲求を考える事が大事です。

■派生する市場を予測する

本質的な欲求を見ることは大事ですが、それだけでは新しい市場を発想することはできません。未来を予測する事が大事です。

「風が吹けば桶屋が儲かる」

という言葉があります。

何かの事象が起きれば、それに関連して別の事が起きるという事です。
例えば、スマートフォンが流行ったので、アプリ開発の市場が一気に大きくなりました。ソーシャル関連が流行ったから、関連サービスやソーシャル専門コンサルタントなどがブレイクしました。今、成長しているものだけを見るのではなく、今、成長しているビジネスがあることによって、他にどんな需要が生まれるのか?を考える事で未来予測はできるようになります。

これは、もっと小さく、自分の地域でこういうものが流行っている、こういうお店ができる、といったことでも十分に市場の成長性に可能性があることです。

■市場規模の調べ方まとめ

・市場は大きいところから選ぶ
・みんなが買っているもの、使っているもので選ぶ
・検索されているかどうかを調べる
・リアルビジネスなら商圏人口、支持人口を調べる
・人間の欲求は本質的には昔から変わらない

一般的に、市場のある業種でビジネスをしていれば、競合不在マーケットに入り、しっかりと欲しい商品を用意し、マーケティングをすれば、成功確率はかなり高くなります。

これから起業する人は、市場規模をしっかり把握してから起業してください。

もし、起業して何年も苦しんでいる場合は、そもそも市場があるのかを疑ってみてもいいでしょう。

 



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