プロモーションの意味とは何か?売れない時に広告してはいけない

こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi

世の中のビジネス本のほとんどはマーケティング情報です。
マーケティングという分野の中でも
「プロモーション」という
つまり宣伝・広告という『集客』の分野の情報です。

「ビジネスコンサルタント」の多くもマーケティングコンサルタントです。

しかし、実はプロモーションというのはある一定の条件を満たしたビジネスで実施しなければ、有効に働かないどころか、ジリ貧になり、どんどん状況は悪くなって行く。

ということを知っている人は少ないです。

今回はプロモーション(販売促進)の本当の意味とは何か?
をお伝えしていきましょう。

■プロモーションとは何か?

プロモーションの意味を調べると以下のような表現が出てきます。

ーー
販売促進活動のこと。提供する商品やサービスを、その特長も含めて一般大衆に知ってもらおうとする活動の事。
ーー

「販売(セールス)」を「促進(プロモート)」するから、セールスプロモーションは販売促進という意味で使われています。

「販売」を「促進」するということは、

「いかに売るか?」
「いかに売り込むか?」
「いかに商品を魅力的に見せるか?」
「いかに説得するか?」

ということを考えるということです。

しかし、これは間違いです。
本来プロモーションの語源は、「Sales point promotion」にあります。

つまり、セールスポイント(魅力)をプロモート(伝える)する

というのがプロモーションの本来の意味です。

セールスをかけることではなく、
セールスポイントを伝えるのがプロモーションです。

これは日本で間違って伝わっているマーケティング情報の一つです。辞書も間違っていますから気をつけてください。

■プロモーションをするほど客数を減らす理由

ということは、プロモーションをするよりも先に、
ビジネスや商品に魅力がなければいけないということです。

よく、

「売り上げが落ちた時こそ販促を!」

ということが言われていますし、
売り上げをカバーするために広告宣伝に力を入れ始める人は多いです。

しかし、「売り上げが落ちた」ということは、
会社やお店や商品に、「問題がある」ということですよね?

その問題がある状態で広告宣伝をするとどうなるでしょうか?

「売れない」

それだけじゃありません。

悪い部分を宣伝して回るわけですから、

「二度と来ない」

という選択をする顧客が増えていくわけです。

  • つまらないウェブサイトに大量のアクセスを送る
  • 魅力のないメルマガに大量の登録をさせる
  • 結果の出ない商品をたくさん販売する
  • サービスの悪いお店に集客をする

といったことをすればするほど、
顧客が減るわけです。

例えば、3万人の人口の地域で同業者が10店舗ならば
1店舗あたりの支持人口は3000名

ということは、月間300名を集客し続けて入れば
1年間で3600名にお店を体験してもらえるわけですが、

万が一、そのほとんどの人に魅力がない製品を売ってしまえば
たった1年でその地域でビジネスをし続けること自体が
難しい状態に陥る
わけです。

だってもう、3000人に売ったら、その地域ではおしまいなのですからね。

それが悪いものならば、固定客がつかずに廃業に追い込まれます。
こういうケースが中小個人では多いのです。

この状況なら、頑張る人ほど悪くなるのが早いのです。

■プロモーションをするほど悪評も広まる

その状態でプロモーションを続けた場合、
固定客、リピーターがつかないだけではなく、
悪評が広まるわけです。

オンラインビジネスならば仕切り直しも容易ですが
地域ビジネスの場合、致命的です。

一度体験した顧客が不満を抱き、
別の場所で悪評を広め、さらにはレビューの書込みまでする時代です。
LINEやメッセンジャーによって、
その広まり方は5年前とは比較になりません。

これがサイレントクレームの最も怖い問題でしょう。

集客にばかり気を取られていて
サービスの改善、商品の改善という
本名策を怠れば、取り返しのつかない問題に発展していきます。

良いものも悪いものもどんどん広がる時代です。

数ヶ月運営して、リピーターがつかない
アクセスがあるのにメルマガ登録や販売につながらない
といった場合は、
商品価値、そのものを見直すことが最優先です。

■プロモーションをするほどジリ貧に追い込まれる理由

さらに、ビジネスモデルが悪い場合は
プロモーションをすればするほど利益がなくなります。

集客にはコストがかかります。

オンラインで1万円の商品を販売し、
その原価が5000円だったとします。
すると利益は5000円。

100アクセスに1件の購入がある商品とします。
1クリック50円で集客し、100アクセス集めれば広告費は5000円です。
1個の販売のために5000円の広告費がかかるので
5000円の利益から広告費を引くと利益はゼロです。

この商品にリピート性がない場合、
売れば売るほど赤字ということです。

これは最初に作ったビジネスモデルで決定されるわけなので
プロモーションするほどジリ貧になるか、
プロモーションするほど顧客リストが増え、
リピートが増えるかは、最初に決まっています。

■プロモーションをしていいビジネスの3つの条件

ということは、「プロモーションが有効なビジネス」というのは以下の3つの条件が必要ということです。

(1)買いたい商品がある

顧客が買いたい魅力的な商品サービスがあることが第一です。
その魅力を伝えれば必然的に集客、そして販売は可能だからです。

(2)リピート率の高いサービスになっている

集客をしても再来店をしてもらえる顧客不満が生じない状態が必要です。
不満があればリピートは生まれません。

(3)利益率の高いビジネスモデルになっている

集客コストに耐えられるだけの利益が必要です。
利益の出る価格、または、二度目、三度目の販売が見込める商品である必要があります。

■プロモーションの例・種類

これらの条件を満たした上でプロモーションに取り組みましょう。
広告宣伝、広報、集客の種類は数多くあります。

(1)折込チラシ

チラシほど魅力を表現できなければ反応が取れない媒体も少ないでしょう。外注に丸投げのチラシは反応ゼロということが大半です。いくらデザインが綺麗でも、この情報爆発時代では魅力を伝えられなければ、無意味なのです。

「チラシはもう古い」というトンチンカンなコンサルが多いですが、対面サービスや、店舗ビジネスなどでは折込チラシは依然として有効です。魅力がないから、魅力を表現できないから、チラシ集客ができないだけです。

折込チラシで魅力を伝えるポイントは、最も売れている自社商品サービスの魅力を伝え、まずその一番良い商品サービスを試してもらうことを考えましょう。

(2)ポスティング

ポスティングの利点は、新聞を取っていない一般住宅に配布できることです。新聞を取っているのはご年配の住宅が多くなりますので、子育て世代、マンションなどを対象にしたい場合はポスティングは有効です。ポスティングの紙面は折込チラシと同様です。

(3)PR・プレスリリース

地域メディアや専門誌などにプレスリリースを送るにはそれこそ魅力的な何かがなければいけません。役立つ切り口、面白い切り口、新しい切り口など、魅力がなければ相手にされないのがマスメディアです。PRではなく雑誌広告など、純広告ならば確実に掲載されます。

(4)SEO対策

今の時代、魅力がなければSEO対策による検索エンジン集客は出来なくなりました。もうテクニックではないのです。魅力的なサイト、そのキーワードについて網羅的に問題が解決するような有益な記事を書けなければSEOによる集客はできなくなりました。これはもう実力、知識の勝負です。

(5)リスティング広告

googleなどのリスティング広告を行えば、クリックを取り、集客をしてくるのは容易なことですが、集客したページ、商品に魅力がなければ、買われません。集客はお金で買えますが、成約率はお金では買えません。魅力が必要なのです。圧倒的に、「集客力」よりも「販売力」の方が重要だということです。集客の問題ではないということに気づいていく必要があります。

(6)ソーシャルプロモーション・アフィリエイト広告

SEOやリスティングは、明確な見込み客の購買に結びつく検索キーワードが必要ですし、キーワードがわかっていなければ集客ができません。しかし、そうした明確なキーワードで販売するタイプの商品だけではないものもあります。つまり検索されていない商品サービスです。そうした商品は、ネットではソーシャルとアフィリエイトが相性が良いです。魅力的な製品はソーシャルでどんどん広まっています。

コンサル系、ビジネス系など検索需要ではないビジネスは、アフィリエイト広告やソーシャル広告で主にリストを集めていることに注目しましょう。

(7)プロモーションビデオ・動画

動画によるマーケティングも増えてきています。動画は良い内容ならば、検索だけではなくソーシャルで広がりを見せるマーケティングツールの1つです。バズらせるのはそう簡単なことではないので、プロモーションビデオよりも、教育ツールとして使う方が賢明です。

(8)イベントプロモーション

イベント開催もプロモーションの一つです。映画のプロモーションでは必ず試写会などのイベントをしています。そこからSNSに繋げて大成功した「君の名は。」という映画もありましたね。

(9)口コミ・紹介マーケティング

良いものは口コミで広がります。ただ自然発生を期待していても科学的ではありませんから、紹介を促進させることが有効です。リアルビジネスでは紹介システムを入れるだけで、新規集客は困らなくなる業種も多くあります。もちろんサービスが良くなければ紹介したいとは思えないので、要注意。

(10)DM・メルマガ・ニュースレター

プロモーションは何も新規集客だけではなく、既存客に対しても行うことができます。ハガキやメルマガ、ニュースレターなどがそれにあたります。こうしたツールによって顧客が「商品の存在を忘れていた」という状況を打破できます。

■プロモーションのまとめ

プロモーションの前に、
「顧客が買いたいものがあるか?」
「リピートされるほど価値があるか?」
ということが大事です。

売れていないならば、リピートされていないならば
「問題を取り除いてからプロモーションをする」ということ。

なので、世の中のビジネス情報の多くの集客ノウハウを手に入れても実はあまり意味がないのですね。

イノベーション(価値を作る)という分野の情報、
経営の情報、
マーケティングの分野でもリサーチの方法から
商品サービス開発という情報の方がはるかに重要です。

新しいマインドセットとして

「買いたいものを売る」

ということを覚えておきましょう。

売れるものを持っていれば、集客は簡単になります。