人間力の意味とは?|仕事ができる人間力が高い人が行う人間力を高める方法

こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi

ほとんどの自己啓発書やビジネス書のネタ元になっているのが「7つの習慣」という書籍なわけですが、今や中学生でも「7つの習慣」を学校で学んでいる時代です。

僕の子供の学校で「7つの習慣」を提供しているフランクリンコヴィージャパンの副社長が講演に来てくれたんですが、自由参加で保護者はほとんど来ないという残念な状況でした。

大人は興味なく、今の子供達が学んでいる。

なぜそのようなビジネスで使われている自己啓発プログラムのようなものを子供達が学んでいるのか?

それは「人間力」をつけさせるためなわけです。

■人間力がなぜ今の時代に必要なのか?

「人間力」と聞くと、曖昧で怪しい自己啓発か何かだと思う人は多いでしょう。

あるいは、「どれだけ器が大きいか?」「人の痛みがわかること」「自分に嘘をつかないこと」「人のために行動できること」「悪口を言わない」「感謝できること」

と言った、金八先生が教えてくれそうないい話が「人間力」と考えられている風潮もありますね。
でも、「人間力」は、そう言った精神論ではないのです。

以前、文部科学大臣が

「学力一辺倒でない人間力を判断する入試のあり方について議論していきたい」

という発言をして話題になったことがありましたが、徐々に教育が学力だけではなく、「人間力」を育てることにシフトしつつあるわけです。

実際に、内閣府が定義している「人間力」というのがあるんですね。

■内閣府:文部科学省が定める「人間力」の意味とは?

内閣府が定めた「人間力」とは以下の定義です。

「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」

当然と言えば当然な定義ですね。子育ての最終的なゴールは「自立」なので、親がいなくても自分の力で生きられるようにすることが子育て、と考えれば、学校教育も、学力だけではなく、その学力を社会で活かせるような力が必要です。

この定義に含まれる要素は「知的能力」「対人関係」「モチベーション」の3種類があります。

(1)知的能力的要素

  • 基礎学力
  • 専門的な知識・ノウハウ
  • 論理的思考力
  • 創造力

(2)社会・対人関係的要素(コミュニケーション)

  • コミュニケーションスキル
  • リーダーシップ
  • 公共心
  • 規範意識
  • 切磋琢磨しお互いを高め合う力

(3)自己制御的要素

  • 意欲
  • 忍耐力
  • 自分らしい生き方や成功を追求する力

出典:人間力戦略研究会報告書(抄) – 文部科学省

■人間力がない大人は仕事ができない

で、こうした「主体性」や「論理的思考」「創造力」「リーダーシップ」というのは、多くの大人が持ち合わせていないと判断されているからこそ、教育方針を切り替えていく必要があるわけですよね。

人工知能が発達して人間が人間にしかできない役割を果たしていくべき時代にとって、そうした人間力は、必要なわけです。

反対に、人間力が低いとは、こういうことになります。

・主体性がない
・論理的思考ができない
・創造力(価値を生み出す力)がない
・一方的なコミュニケーションしかできない
・ゴールを作れない(リーダーシップ)
・社会や他者の利益を考えられない(公共心)
・協力し合えない
・モチベーションを作れない(意欲)
・継続できない(忍耐力)
・自分らしい生き方を追求していない
・成功を追求していない

これでは、精神的にも経済的にも自立ができません。
でも、もし、この状態に陥っているならば、大人なら自分でなんとかするしかありません。

ではこれらの能力を今から一個ずつ身につけていくにはどうしたらいいでしょう?

■人間力を高める方法

・人間力を高めるには抽象度を上げる

こうしたスキルを一個ずつ身につけようという発想自体が、ここでいう「人間力」が低い状態と言えます。こうした総合的な能力というのは、「モノの見方」という共通点がありますから、その一点が変われば全てを身につけることができるはずです。

で、こういう物の見方こそが「抽象度」というものです。

抽象度というのは、物事を抽象的に捉えること。
抽象的に物事が見れると、目に見えない情報が理解できるようになり、人間力が高まります。

・人間力の低い人(自己中心的な人)は抽象度が低い

例えば、抽象度が低い思考では、「山田さん」という人がいて、その人が自分にとって都合の悪い人だったとして、「今目の前にいる邪魔な山田さん」としか認識していないわけです。そう捉えていれば、山田さんを邪険に扱うかもしれません。内容によっては「今」と「自分」しか考えていない抽象度の低い思考では、犯罪すら起こしかねません。

逆に、抽象度を高く考えれば、山田さんには家族がいて、同僚がいて、多くの人物とのつながりがあり、地域の中の人物であるし、日本人であるし、人類の中の一人であるわけです。そうすれば、山田さんにも優しくできるし、ビジネスでいえば、山田さんを抽象的に捉えることで、顧客になる対象が広がります。

・抽象度を上げるとは?

抽象度を上げるというのは、それがなんのグループに属していて、そのグループの1つ上のカテゴリーを見つけ続けることです。

例えば、

「自分」→「男性」→「日本人」→「地球人」

ということ。

最近ではこのCMが抽象度の高い思考をしていますね。

こうして捉えられれば、自分の利益だけではなく、他者の利益を考えられるようになります。他者の利益を考えることで、自分にも利益があるということが理解でき、行動できれば「公共性」は身につきます。

・人間力を向上させる抽象度の上げ方

まず「主体性がない」というのは、自分の人生が「自分ごと」ではなく「他人事」になっているという状態です。

例えば、アルバイトをしていたとします。
お金が欲しいからやっているので、仕方なくやっています。

しかし、この仕事を抽象的に捉えて、

・アルバイト→主任→店長→オーナー→社長
・アルバイト→就職→起業→経営者
・アルバイト→出会い→将来

という目線が手に入ればどうでしょうか?

  • 身につけたスキルが将来、役に立つことがあるかもしれない。
  • この仕事を通じて経営を理解することで、将来会社を作れるようになるかもしれない。
  • 出会う人が将来の人脈になるかもしれない、もしかしたら生涯のパートナーが見つかるかもしれない。

ということが理解できるようになる。そうすると、自分の大切な人生の時間を、時給のために嫌々に働くと言ったことがなくなりますよね。

物の見方が抽象度が低いからこそ、「今」「自分」という目に見えるものを自分本位にしか捉えることができず、人間力が上がらず自立した人間になれないのです。抽象度が上がることで、全ての物の見方を変えていくことができます。

・人間力を鍛える本

抽象度を上げて物事を捉えるというのはトレーニングが必要です。

まず抽象度が高い情報に慣れることから始めましょう。

人間力を高める情報でおすすめなのは、言わずと知れた7つの習慣ですね。抽象的な話を飽きずに読めれば、論理的思考も想像力も高まり、抽象度が上がります。

 

■人間力のまとめ

・学力だけでなく人間力が入試にも重視される時代
・人間力とは「知的能力」「対人関係」「モチベーション」の3種類
・抽象度が低い思考は人間力低下、自己中心的
・人間力を向上させるには抽象度を上げること

抽象度が上がれば、自分が社会の一員であり、ビジネスの一員であり、人類の一員であることに気づけます。

ぜひ、抽象度を上げて人間力を磨いて行きましょう!