教育・子育て

教育改革を知っている親は9割|2020年に必要なスキルとは?

こんにちは。スギムーです。

教育改革が2020年に実施されることを知っている親は90%というリサーチ結果があります。しかし、こう見えて中学生の子供が2人いるんですが、同世代の親同士の会話に参加すると、あまりに現在の日本の教育が変わっていることに関心がないことに驚くことがあるわけです。

例えば子供の学校でビジネスマンであれば誰もが読んだことがあるだろう「7つの習慣」を実践しているのですが、その講演を学校で開催した際、保護者は自由参加でしたが、ほぼ誰も参加していない状態でした。

例えば「プログラミング」と言っても自分には関係がないことだと思っているようですが、2020年には必修科されてますし、「クリティカルシンキング」と言っても興味がある大人は少ないようですが、必須スキルと言われ、入試にも使われて行くわけです。

そうした、これから必要になるスキルを学べる学校はまだ日本には少なく、インターナショナルスクールや、文科省が指定したスーパーグローバル指定校といったごく一部でしかそうした授業は実施していません。僕の地域でも指定校があるので、さぞ人気かと思えば、受験の定員割れをするくらい人気がない、ということです。

教育改革を知っているという9割の親は、例えば「スクラッチ」や「MECE」とかを本当に知っているということでしょうか?
なぜ教育を変える必要があるのか?という経済の背景を理解しているのでしょうか?
単に授業内容や方法が変わるという理解だけで、本当に改革と言えるのでしょうか?

社会の成功のルールが変わっていることを意識する必要があるはずです。

教育は人生を生きて行くために行うものですし、自立するために必要な能力を身につけさせるのが大人の役割。

今回は子供がいる経営コンサルの立場から、経済の視点を踏まえた今後の教育の動向について書いて行きます。


■教育改革の根本は経済の問題

日本の教育改革の概要についてはこれを見ると分かりやすいです。

ただこれでは「勉強の内容が変わる」っていう話しかしていませんが、重要なのはそこではなく、「時代が変わった」ということですよね。

その時代を生きるのに、今までの学習では問題があるから改革を行うわけです。

ということは、今、どういう時代なのか?が分からなければ、子供が何を勉強しなければいけないのかもよく分かりません。

問題は「なぜ?」なのです。

この話の根幹には経済の問題があります。
「市場の成熟化」と「第四次産業革命」こそが、命題です。

世界経済はもうすでに成熟状態です。

狩猟時代:食料を狩で獲得する時代
農業革命:食料の生産
第一次産業革命:機械化
第二次産業革命:電力化による大量生産
第三次産業革命:IT化による自動化・情報革命

と、世界は成長を続けましたが、現在はモノが行き届き、十分に豊かになったことで需要と供給のバランスが崩れ、モノの値段は下がる一方です。

1990年台半ばから、日本経済は、戦後初めての競争マーケットに入ったと言われます。

そんなこともあって、モノが売れない時代になり、ブラック企業問題をはじめとした働き方の問題、そこから鬱病や、離婚など、様々な問題に派生しているのが現代です。

つまりそれが「成熟市場」です。
成長しきって、今後は伸びないということ。

成長している時代は、とにかく頑張ってたくさん作り、たくさん売れば、豊かになったわけで、それをやる人材としては、正確に支持通りに同じ動作ができる人材が必要でした。

しかし、成熟した今では、頑張るだけでは意味がなく、新しいものを生み出し、問題を解決できる人材が必要になります。

だから、時代の変化とともに、常識が正反対にひっくり返ったわけで、教育も必然的に変わるということです。

さらに、成熟した社会の中で第四次産業革命が始まっています。第四次産業革命は、AI・ロボットによる「自律化」の時代です。これは未来の話ではなく、もうすでにそうなっています。

こうなると単純作業を行う仕事はなくなるわけですから、全く新しい能力が求められる。

こういった背景があって、教育改革が行われるわけですね。

だから教育の変更は、根本は経済問題と言えます。

■教育改革が必要な未来、どう変わるのか?

(1)子供達の65%は今は無い職業に就き、49%の労働力が不要になる

「2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」 (キャシー・デビッドソン氏(ニューヨーク市立大学教授)の予測)
出典:文部科学省提出資料

革命が起きるとどうなるかと言えば、いつの時代でも大量の失業者が生まれます。

手作業から、機械になり、それまでの仕事がなくなる。機械が電力で動くようになり、コンピューターで動くようになりと、イノベーションごとに仕事の種類は変わって行くわけで、今までの職種はどんどんなくなって行き、いまはまだ誕生していない職業に65%の人はつくということになってもおかしくはありません。

英オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授およびカール・ベネ ディクト・フレイ博士 との共同研究により、国内 601 種類の職業について、それぞれ人 工知能やロボット等で代替される確率を試算しました。この結果、10~20 年後に、日本の労働人口の約 49%が就いている職業において、それらに代替することが可能との推計結果 が得られています。
出典:野村総合研究所

さらに、これからのイノベーションは、AIによる自律化ですから、AIが自動的に最適な仕事をしてくれるようになるので、人間にしかできないような職業以外は消えていく。となると、労働力の半分は不要になると言われています。

労働が圧倒的に減る時代に突入すると同時に、指示がなければ仕事ができないような人材は仕事がない時代なわけです。

確かに中小企業など、小規模事業者はAIなどのテクノロジーの導入は遅いでしょうし、いつまでたっても人間が作業しないと成り立たない労働を抱える可能性はあるでしょう。ならば、AI時代に対応できる人材でなくとも、中小企業に勤めればなんとかなるのか?

というとそれも厳しいと言わざるを得ません。

(2)企業の寿命の短縮・倒産合併・寡占化・後継者問題

成熟した社会では、企業の寿命、商品の寿命はどんどん短くなって行きます。
今でさえ、企業の平均寿命は23年と言われていますし、個人事業や中小企業も入れればもっと短い間に、企業は倒産、あるいは合併などをします。

そうなると、人間が生きている間に、全ての人は必ず、倒産・リストラなどに1回以上は合うということになります。

ならば、常に大人になっても新しいことを学習し続け、新しい職業につく努力をしないといけない時代なのです。学習能力、対応力が必要になります。

もっと言えば、あらゆる市場は現在、寡占化しています。
つまり、市場の大半のシェアを大手企業の数社が獲得している状態ということです。そうなれば、中小企業など小規模事業者のマーケットはどんどん小さくなり、拡大して行く大企業はさらに拡大を続けます。

実際に、大企業の多くは合併をして資本を巨大にして行くというのがすでにトレンドになっています。

例えば、飲食店の年間の新規出店数と、閉店数は同じくらいですが、出店しているのは大手で、倒産しているのは中小企業です。

さらに言えば、中小企業の1/3程度は、後継者不足の問題があり、経営者が高齢になることでの倒産がほぼ確定しています。2025年には127万社が後継者不足による倒産する可能性があります。

こうした流れによって、とりあえず小さい会社にでも就職すればいい、という発想も厳しい時代になるでしょう。

(3)複業の常識化・ギグエコノミーの到来

さらにさらに、今の時代、共働きが当たり前になってきています。なぜかと言えば、一人の収入では家族を養えない時代だからです。

それによって副業の解禁も推進していますが、未来、1社に雇われるというスタイルは古くなる可能性が大きいわけです。

つまり、誰もが「複業」をして行く時代です。
複数の仕事を掛け持つ、というフリーランスのような働き方が主流になるという見方もあります。
1社から30万円をもらっていても生活ができない上に、いつ解雇されるかわからないという感覚から、複数の会社と契約し、10万円で5社と契約する、と言った発想になって行く。

これが「ギグエコノミー」と言われるもので、日本ではまだマッチングサイトを利用して仕事を獲得するという、web系やデザイン系、ライターなど、SOHOのような人の働き方だと思われていますが、アメリカでは例えば美容師さんのようなフィールドワークも市場が発生しています。

こうなると、いかにプロフェッショナルであるか?柔軟な働き方ができるか?と言った人物が、今後の社会で活躍できる人物像になるはずです。

こうした未来に対して、問題解決力や思考力、判断力、創造力、起業家教育、ファイナンス教育、リーダーシップ、コミュニケーションスキル、と言った教育改革の方向性は理にかなっているわけです。

こうしたことに問題意識がないのは危険としか言いようがありません。

決して、一部のエリート教育を受けたい子供たちの問題ではなく、全ての子供に関係がある話だと思います。

■教育改革の例

実際にどのような教育改革の例があるかというのをいくつか挙げていきます。

(1)センター試験廃止

大学センター試験が2020年に廃止され「大学入学共通テスト」というものになりますが、これからはグローバル人材を求めているので、英語が中心になり、さらに「思考力・判断力・表現力」を中心に評価するということになっています。

何れにしてもこれも、宿題を出して詰め込み教育をして行く時代から、自立した人間を教育して行くための改革の1つに過ぎないわけで、英語を強化して勉強すればいいとか、入試に受かるには?と言った発想をしている親はアウトでしょうし、そういう発想の学習塾は潰れて行くでしょう。

フィンランドやオランダの教育が飛び抜けているのは、「生きる力」をベースにした教育だからです。

フィンランド

オランダ教育

(2)金融教育の強化

文科省、金融庁などが後援している「エコノミクス甲子園」というのが高校生を対象に行われています。経済の知識をクイズで競い合うものですが、金融教育はさなどのざまな形で導入されていくでしょう。

背景としては、2022年からは18歳で成人になるからですね。

何も知らない18歳が、クレジットカードを持ったり、一人暮らしをした際に、大変危険ですから、そうした学習をさせるべきだという動きということです。

(3)プログラミング教育の必修化

これはもうテレビでも取り上げられるようになってきたのでご存知の方も多いはずですが、2020年からプログラミング教育が小学校から必修化されて行くというものです。

プログラミング自体を学ぶのか、論理的思考としてプログラミング思考を学ぶのかは、よくわかってませんが、何れにしても、テクノロジー社会においてITリテラシーは必須知識にはなります。

(4)起業家教育の強化

学校教育の中でビジネスの疑似体験をすることを起業家教育としています。実技をしたり、起業家の講演を聞いたりということを行っています。「7つの習慣」などもこれに該当することになるでしょう。

経済産業省が推進してすでに小学校の10%、中学校の33%は起業家教育を導入しているようです

ーー
起業家精神(チャレンジ精神、創造性、探究心 等)と起業家的資質・能力(情報収集・分析力、判断力、実行力、リーダーシップ、コミュニケーション力 等)を有する人材を育成する教育です。起業家や企業経営者だけに必要な特殊なものではありません。高い志や意欲を持つ自立した人間として、他者と協働しながら、新しい価値を創造する力など、これからの時代を生きていくために必要な力の育成のために起業家精神と起業家的資質・能力の育成をするための教育です。
出典:経済産業省「生きる力」を育む起業家教育のススメ

(5)批判的思考(クリティカルシンキング)の学習

世界の大企業が加盟する世界経済フォーラムでも2020年に重要なビジネススキル第二位になっているクリティカルシンキングは、ビジネスマンで知らない人はいないでしょう。

クリティカルシンキングは物事を客観的に分析し、論理的に最適解を導き出すための思考法です。ものを考える、最適な方向に導き、判断する上で欠かせないスキルと言えます。

ーー
2012年(平成24年)6月4日、文部科学大臣平野博文は「社会の期待に応える教育改革の推進」で批判的思考を重視した改革を提唱し、大学入試などでへの導入が提案された。また平成24年9月7日の中央教育審議会高等学校教育部会で京都大学大学院(教育認知心理学)教授の楠見孝は批判的思考を「高校生が身につけておくべき最も重要なもの」とした。
ーー

■現場はアクティブラーニングが中心になる

こうして見て行くと、本質的な教育とは「生きる力」を身につけることであって、学問の知識を増やすことではないという方向に国の教育制度が変わって行くことがわかります。

教育改革によって『学習する内容』が上記のような、「プログラミング」「クリティカルシンキング」「起業家教育」「金融教育」「グローバル人材のための英語」といったものになりますが、『学習する方法』は今までの座学から「アクティブラーニング」に切り替わって行っています。

ーー
アクティブ・ラーニングは学修者が能動的に学習に取り組む学習法の総称である。これにより学習内容を確かに修得しつつ、座学中心の一方的教授方法では身につくことの少なかった21世紀型スキルをはじめとする汎用的能力、ひいては新しい学力観に基づくような「自らが学ぶ力」が養われることが期待されている。
ーー

ということで、

発見学習
問題解決学習(課題解決型学習)
体験学習
調査学習
グループディスカッション
ディベート
グループワーク

と行った手法のことを指します。

より実践的に身につく学習方法に学校が切り替わって行くということですね。とても良いことです。

僕はビジネスの指導をしていますが、この業界でもセミナーといった座学が中心でしたが、そうしたものから知識を入れるだけならばEラーニングに需要は切り替わり、現場ではより実践的なワークを取り入れた学習スタイルがこれから主流になって行くはずです。

つまり、動画で学習をして、現場では体験学習(アクティブラーニング)というのが本名策ということです。

こういったことを理解していない一般の学習塾はかなり潰れると思いますね。代わりに、Eラーニングに取って代わるでしょうし、プログラミング教室などはかなり流行るでしょう。

■インプット学習は動画教育の切り替わる

実際に、リクルートの小中高生むけ動画学習サービスの「スタディサプリ」なんかは、一流の塾講師の授業が月980円で見放題ということで、すでに33万人以上が利用しています。

「全国初!渋谷区立小中学校の全児童・生徒約8000人が『スタディサプリ』を教材として9/1~利用開始」という話題や、「オンライン学習サービス『Quipper Video』フィリピン マニラ首都圏で5都市目の公的導入決定」といった公的機関への導入もされ、近い未来、学校のインプット授業もEラーニングになるかもしれませんね。すでに効果も出ているとのこと。

実はうちの子供もスタディサプリに入っています(笑)
試しに無料登録をしたら授業内容がよかったので、そのまま申し込みました。



インプット学習は、Eラーニングでやって、現場では仲間と一緒にアクティブラーニングという時代になって行くことでしょう。

■まとめ

さてここまで聞けば、いかに自分たちの時代といまの時代が変化していて、その変化に対応すべくスキルを子供達が身につける時代になったか?ということがわかったと思います。

子供に「ああしろこうしろ」ということはもう言えない時代です。

だって未来、どうなるのか全くわからないわけで。

正解がないわけです。
大人はまずそれを理解して、子供への価値観の押しつけをやめないといけない。

大人ができることは、そんな時代でも生き抜ける、人間力を底上げしてあげることなはずです。

彼らの想像力、問題解決力、考える力、そうしたものを育むには、自由に、様々なことにチャレンジができる環境を与えることではないでしょうか。

というわけで、子供に幸せな仕事についてもらいたいなら、まずは自分が幸せな仕事をしましょう。

 

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