思考法

批判的思考で仕事を正しく導く思考法

こんにちは。スギムーです。

「起業ってこうなんですよね」
「〇〇ってこうじゃなきゃいけないんですよね」
という思い込みや、人の主張に振り回されて
苦しんでいる人がいます。

で、そうした1つの考えに囚われてしまっている場合
思考方法が、間違った結論に導かれる方法で、思考している場合が多いのです。

あるいは、信じた他人の意見が
間違っている可能性を見ていない場合が多い。

また、会議や、話し合いといった場面でも
間違った結論にたどり着いてしまったり、
自分の行動を決めるときにも、思考方法が間違っていると
結果的にトンデモナイ方向に行ってしまいます。

今日はそうした物事を論理的に考える方法のお話をします。


■批判的思考がなぜ必要か?

(1)議論は食い違うものだから

例えば、「起業論」です。

「頑張らなくても」
「好きなことをして」
「自由な暮らしを」
「自分らしく」

という起業論があります。

そういうのを見て

「おいおい、何言っちゃってるの?
起業家はイノベーション起こさないと!
そんな個人の幸せのために起業なんかするもんじゃないよ!」

という議論が起きる。

で、こういう議論て
一体、何が正しくて、何が間違っているのでしょうか?

話し合いでもそうですし
男女の恋愛でも、こういう意見の食い違いは起きます。

(2)否定は矛盾を生むから

「起業家」の定義をwikiで見てみましょう。

起業家(きぎょうか)とは自ら事業を興す(起業)者をいう。通常、ベンチャー企業を開業する者を指す場合が多い。アントレプレナー(英語: entrepreneur)とも言う[1]。 ヨーゼフ・シュンペーターはその経済理論において経済革新につながるイノベーションの担い手として重視した。

とあります。

起業家は経済革新につながるイノベーションを
生み出す存在として重視されている。

とはいえ、
自ら開業する人は、イコールで社会イノベーションを
最初から念頭に置いているわけではないですよね。

そういうケースもあるし、そうじゃないケースもある。

ということは

「おいおい、何言っちゃってるの?
起業家はイノベーション起こさないと!
そんな個人の幸せのために起業なんかするもんじゃないよ!」

という主張は、
あるケースにおいては論証できない主張ということです。

つまり、すべての起業家がイノベーションの担い手を目指すのが法律などによって
確立された定義でもない限り、誤った主張な訳です。

(3)定義が不明なものは否定できない

もう一方の主張も見てみます。

例えば、

「頑張らなくても」

という主張。

頑張らなくてもビジネスが成功する方法!
頑張らなくてもできるのです!

という主張ですね。

これを頭ごなしに否定するケースはよく見られるかと思います。

しかし、これを否定するのは、非常に危険です。

「頑張る」ということが何を指しているのか
わからない時点で、否定をするというのは、
誤った見解といえます。

何故なら、
「頑張らない」ということが
例えば、「経営者が現場での労働をせずに」
という意味ならば、経営的には重要な考え方になるからです。

・企業には経営という業務が必要である
・経営を怠ると利益やキャッシュフローに異常をきたし、倒産の可能性があるからだ
・よって、経営という仕事をする人材が必要である

という論理があった場合に、
経営者が現場で働き、経営をしなかった場合のリスクを考慮すると

「頑張らない」という主張は、正しい主張になる。

よって、「頑張らない」の主張の定義が不明である以上
一概に、否定はできない。

もちろん、「頑張らない」が、
「楽して儲かること」
という定義だったとしても
「何が楽なのか?」が不明な以上、否定はできない。

例えば、
毎日、労働をして月商100万円のパスタ屋があったとする
そこで、「もっと労働を減らして利益を生むことはできないか?」
と考え、人気だった生パスタを同業者に販売して
利益が10倍になる

というケースは、果たして起業家として間違った思考なのか?
というと、当然そんなことはない。

この場合、労働を減らし、利益を最大化するという
経営の本質に従ったに過ぎなく、
言葉の印象だけで、「楽して儲かる」が「悪」と考えるのは誤っていることになる。

■間違った回答に導く誤謬の議論とは

「誤謬(ごびゅう)」とは聞き慣れない言葉だと思いますが
wikiによるとこんな意味です。

論理学における誤謬(ごびゅう、英: logical fallacy)は、論証の過程に論理的または形式的な明らかな瑕疵があり、その論証が全体として妥当でないこと。論証において、誤謬には「形式的」なものと「非形式的」なものがある。

簡単にいえば、誤った理論ということですね。

wikiの例がすごい良いので一部引用します。

形式的誤謬の例
後件肯定
「もし P ならば Q である。Q である、従って P である」という形式の推論。「もし魚ならひれがある。この生物にはひれがある。従って魚である」という推論で、クジラなどの存在によって誤謬となる。

間違ったジレンマ
選択肢をいくつか提示し、それ以外に選択肢がないという前提で議論を進めること。例えば、多重債務者の「このまま借金取りに悩まされる人生を送るか、自殺するか、二つに一つだ」という思考(自己破産という選択肢を除外している)。

例えば、
「起業家ならばイノベーションを起こすべきである。従って、イノベーションを起こしていない人物は起業家ではない」
というのは極論であり、誤謬ですよね。

「起業家は楽して稼ぐべきである。従って楽して稼いでいる詐欺師もまた起業家である」
というのも、誤謬な訳ですよね。

このような一方的な主張は、
理論が破綻してしまうわけです。

■誤謬によってビジネスは間違った方向に行く

さらに突っ込むと、経営判断も
こうした論理思考を間違えるために起こります。

例えば、また別の誤謬の例を引用しますと

非形式的誤謬の例
早まった一般化
十分な論拠がない状態で演繹的な一般化を行うこと。「1, 2, 3, 4, 5, 6はいずれも120の約数だ。よってすべての整数は120の約数である」。

例えば、

「同業者を4社調べたら、だいたいこの商品の価格帯は5,000円である。
よって、この商品は5,000円で提供すべきである」

というのは早まった一般化です。

自社の経営や、顧客層、商品の付加価値など
総合的に見て価格をテストし、
最大の結果が得られる価格帯に設定すべきですよね?

他にもよく見られるのが

偏りのある標本
母集団から見て偏った例(標本)だけから結論を導くこと。「(日本在住の人が)周囲には黄色人種しかいない。よって世界には黄色人種しかいない」。

例えば、

「同業者がどんどん倒産している。よって、この市場は破綻している」

と考えて、諦めている経営者は
一部の情報だけを見ているに過ぎません。

前後即因果の誤謬 (羅:post hoc ergo propter hoc)
A が起きてから B が起きたという事実を捉えて、A が B の原因であると早合点すること。呪術と病気の治癒は因果関係ではなく前後関係である。

例えば、この例では

「神社に行くと顧客が獲得できた」

のようなジンクスや

「広告をやると赤字になる」

という過去の経験から、広告を極端に嫌うケースなど。

あらゆる誤謬が潜んでいます。

そうした誤謬によって、経営判断は間違った方向にいきがちです。

■批判的思考とは何か?

「批判的思考(クリティカルシンキング)」とは
分析によって最適解に導く思考法です。

批判的思考(ひはんてきしこう)またクリティカル・シンキング(英: critical thinking[1])とは、あらゆる物事の問題を特定して、適切に分析することによって最適解に辿り着くための思考方法である。ただし、「批判」の定義については論者によって異なり、多くは単に否定的になるのではなく、自身の論理構成や内容について内省することを意味する。

「批判」というと何かを批判したり、
否定的な印象を持ちますが、
そうではありません。

いわゆる悪口や、こき下ろすこと、
自分と価値観が合わないものを切り捨てること
ではなく、

自分自身の持っている情報を疑うこと

にこそ、批判的思考の意味はあります。

多くの誤謬は、前提条件の誤りから引き起こされたり
他のケースを除外してしまったり、
証拠が不十分であったり、
そうした素材の吟味を怠ったために引き起こされているわけです。

ですから、

「AであるとBである」

といった自分の知識や信念をベースにするのではなく

「果たしてAなのか?」

「Aとは何か?」

という問いから始めるべきなのです。

■あえて起業論を批判的思考で主張すると

僕があえて起業論を主張するとして、
まず、それぞれの主張の掘り下げを行います。

「起業家はイノベーションを起こすべきである」
→商品の購買とは、特定の競合局面においてその顧客にとって最良の選択肢であるから行われる
→よってイノベーションはビジネスにとって必要条件の1つである
→しかし、起業家のステージによって、イノベーションの大小は異なる。

「頑張らなくても」
→ビジネスには行動が必要である。しかし、行動には優先順位がある。経営活動において経営が最重要優先事項と言える。
→行動レベルで利益を作り続ける業態は戦略を欠いている。よって、経営レベルで利益を生み出す仕組みを構築する必要性がある。

のように、価値観や経験則ではなく、
なるべく普遍性のある原理原則に基づいた考察をします。

まとめると、

その人なりの成功があるのだから
目標の範囲はステージによって合わせることでいい。
かと言って、現時点で実行可能範囲内で起業するということではなく、
顧客にとって、特定の局面においてイノベーションを生み出すことは
ビジネスとしての必須条件である。

という主張になります。

つまり、スタンスはどっちもアリ。
しかし原理としてはココは必須ですよね?

という意見です。

■巧妙な話し・主張は疑いましょう

こうした批判的思考が身についてくると
簡単に情報を鵜呑みにしなくなります。

自分の頭で考えて、「本当にそうなのだろうか?」
という癖がついてきます。

「そもそもは・・・」
「果たしてこれは・・・」
「なぜ?なぜ?なぜ?」
「つまり・・・」

という言葉を使って考えることが大事です。

巧妙な悪いセールスや、人心掌握をする人物、
主義主張が強い人など

そうした強い意見や、手口に丸め込まれたり、
信じ切ってしまうのは自分を苦しめる結果になります。

起業はこうじゃなきゃいけない!

と言われても、
「果たしてそうだろうか?」
と冷静になれば、
そうでもあるし、そうでもないし、
というフラットでいられる。

その上で、自分が必要であると感じられたらその考えを採用する。

僕は、楽観主義でも悲観主義でもないし
「きらきらキレイゴト派」でも
「毒舌現実主義者」でもない

主義は持たない

だからどっち側の人にも敵視される

「お前はさてはあっち派だな?」と(笑)

いやいや、本質的でいたいだけです。

どっちも正しいし、どっちも間違いがある。

言葉には誤った側面と真実と両方がある。

その上で、原理原則に沿って人としての幸せをそれぞれが持てばいい。

批判的思考というのは、
何かを否定するのではなく、
まず自分にとっての当たり前や自分の行動を疑うことから。

これは習慣として、思考する際に心得てほしい考え方の一つです。

もし現状に違和感があるなら
そろそろ前提や、信念、教えを疑って見てはどうでしょう?

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