自立とは?自立したいけどできない大人が増えてる理由は教育のズレが原因

こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi

自立できない大人が増えている中で子供達は次の段階に入っています。小中高校と起業家教育が始まり、2020年にはプログラミング教育も必修化されるわけですが、僕らが子供時代だった頃は学校で「プレゼンテーション」とか「リーダーシップ」とか「PDCA」なんてものは習っていませんよね?うちの小・中学生の娘と息子は「7つの習慣」なんかも習ってきます。とはいえ、特別な学校に行ってるわけじゃないですよ。

実際に中学生が書いた記事でこのような記事を見つけました。いよいよ大人たちヤバイですね(笑)

要約すると、この学生の学校で文化祭がないらしく、文化祭をやろうとプロジェクトを立ち上げ、予算がかかるためネットでスポンサーを集めて実行したという話。しかも彼はNoteやTwitter、ブログを通じてそのことを書いて、僕が読むまでに至っている。そして、この記事によって、また別の誰かにその事実が伝わっている。

この年齢でも精神的に自立して自ら目的を持って行動するということは別にいまに始まったわけではありません。僕も学生時代にバンドを組んでライブハウスを借りてチケットを売るということなど主体的にやっていましたし、珍しいことではない。でも、今の子供達は学習内容が違うので、起こすアクションがレベルが高いですよね。

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こんにちは。口だけの意識高い系。
こんにちは。いい学校に入ることが全てだと言う先生。
こんにちは。変化の時代について行けない親。
こんにちは。僕の尊敬する大人。あなた達のお陰で僕は追いつき、越せるね。
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彼が言うように、口だけで行動しない大人たちや、今だに「いい学校・いい会社」を推進する大人たち、いまだに5教科の学習塾に行かせて安心してる親たちで日本は蔓延している。

そろそろ気づいた方がいい。
子供の教育に必要なのは「自立」のためのスキルと「時代」の流れだってことに。

■自立できない人の特徴

子育ての目的とは自立させることにありますが、子育ての目的を「いい学校に入れること」「いい会社に入れること」「いい人と結婚させること」「いい暮らしをさせること」「失敗させないこと」と勘違いした親たちが、詰め込み教育をし、我慢させることしか教えなかった結果、世の中は自立できない大人たちで溢れました。

・30歳を過ぎても親と同居
・いちいち判断を親に聞く
・親に弁当を作ってもらっている
・親に送り迎えしてもらってる
・親の資金で家を買う
・親に生活費まで援助を受けている
・親のコネや親の会社で仕事につく
・独立して親にお金を借りる

といった大人が多くなりました。

これはその人の問題ではなく、高度成長期の成功法則である「努力と組織順応」という教育の結果です。

自立できない人の特徴は、以下のように教えられてそれを信じてしまった人です。

・好きなことをしてはいけない
・努力でなんとかなる
・勉強が第一
・公務員や大企業なら安泰
・嫌なことでも我慢するべき

親や先生が、子供が主体的にやろうとしたことを反対し、失敗させず、自分たちの成功法則を押し付けた結果、このように当時の社会的成功パターンを覚えてしまったわけです。

本質でもなく、時代も変わっているのに。

■自立できないのは子離れしない親の「教育のズレ」

誰もが自由に生きていきたいはずです。
なのに、自立したいのにできない、怖い、というのは安心したい親が、失敗させまいとした結果、一生懸命にものを教えましたが「当時の時代の教えと現代の時代のズレ」によって余計に自立できない事態に陥ってしまったということ。教えている親、大人たちは、自分の生きた時代しか知りませんが、時代は変わっているわけで。

少し社会の話をします。
僕らの親世代は、戦後、モノがなかった時代から作ったらモノが売れるという成長経済だった時代を生きています。つまり第一次産業革命(機械化)から第二次産業革命(電力による大量生産)ですが、当時は頑張って物を作ればどんどん売れる時代で、エレクトロニクス系の大企業がどんどん誕生し、企業に努めれば終身雇用、安泰という時代だったわけです。

だから努力と根性で勉強をし、良い大学に入り、組織へ就職することが成功法則だった。なので、教わることは「努力」そして「組織に順応する能力」。つまり頑張って勉強して、組織に適応できる人が社会でうまくやっていけた時代

しかし、1970年代から第三次産業革命(コンピューターによる自動化)に突入し、情報化社会、グローバル化に入った。モノは家庭に足りるようになり、物を作っても創意工夫がなければ売れない時代になりました。需要と供給のバランスが崩れ、価格の下落が始まり1994年あたりから競争市場に入った。ITという新たな産業が生まれ、逆に既存の業種には創意工夫が求められる時代になったわけです。

そうなると「努力と順応」という教育では時代に適合しない。

さらに今は第四次産業革命(人工知能・ロボット・IoT)に突入し、「努力で誰でもできる仕事」というのは大半がなくなっていきます。近い未来、労働力の49%はロボット化するという予測もありますし。

例えば、大手銀行でさえ大量リストラを行い、店舗の小型化をすると発表していますが、オンラインバンクがある中で年間2兆円もの維持費がかかるATMや銀行自体が存在意義がなくなっているわけです。

他にも無数にこのような事例はありますが、時代の変化とともに子供を社会的に成功させる方法なんてものは変わっているわけです。

にもかかわらず、子供から自立心を奪い、勉強させとけば、有名企業に入りさえすれば安心と思っている親。

その方法はもう通用していません。

安心したいのは、大人たちの都合です。

小さい頃から子供を信用して、好きにやらせれば、たくさん失敗して、主体的に何かをやり始めます。それをせずに、ずっと自分の安心を押し付けてきた大人たちのおかげで、時代錯誤な考え方ばかり持っている大人(元子供)が増えてしまったということ。

■自立したいのにできない原因

つまり、子離れできない親と、親離れできない子供の利害一致の共依存関係が原因。
安心したい親と、安心したい・させたい子供。

逆に言えば、親が子供を従わせ、子供が親を使う。

「親子関係」が「上下関係」で成立しているということ。

従わせておけば安心
従っていれば安心

だからです。

スヌーピーという漫画に、こんな言葉があります。

ーーー
安心って言うのは車の後部座席で眠ることさ。前の席には両親がいて、心配事はなにもない。でもね、ある時、その安心は消え去ってしまうんだ。
スヌーピー/チャーリー・ブラウン
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そう。子供だった僕らが親になる時、安心は消え去り、自分が子供を安心させる側になる大人になる必要があります。

大人とは、自分で車とガソリンを買い、ハンドルを握り、後部座席に乗せた子供の命を預かること。

■自立の意味・定義とは何か?

「自立」という言葉の意味を調べるとこうあります。

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自分以外のものの助けなしで、または支配を受けずに、自分の力で物事をやって行くこと。
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しかし、これを「全てを自分でやること」と勘違いしている場合が多いです。実際に考えればわかりますが、人間がなににも頼らずに生きて行くことは不可能です。

「人間」という文字は「人の間」と書くように、人と人の間でしか、人間は生きていけません。人間は協力し合うから社会を築くことができます。僕らは自分の力では鉛筆一本、お米1粒すら作ることはできないのです。

「7つの習慣」では人間が一人前になるにあたって、以下の3つのステップがあるとしています。

(1)依存

(2)自立

(3)相互依存

最初は子供であれば誰もが大人に依存し、世話をやいてもらいます。他人によって自分が支配されています。だから何かがあれば他人のせいです。

そこから自分のことが自分でできるようになるという自立の段階に向かいます。自分で目的を決め、自分の責任において、主体的に物事の優先順位を決め、行動をしていくことが自立です。

そこから、他人と協力し合い、win-winの関係を作り、相手を理解し、お互いの力で相乗効果を発揮するという、社会的な成功が相互依存の段階です。

つまり、本当の自立とは、

■自立とは依存先を増やすこと

本当の自立というのは、自分で全てを行うのではなく、様々な社会の人々や資源を活用し、自ら環境を生み出すことです。自立とは依存先を増やすことです。

子供は親だけに依存しています。

しかし、本当に社会生活を問題なく過ごすには、頼る場所が親だけではないということであり、頼る先は無償でなんでもしてくれる親ではなく、互いに助け合う協力関係であるということです。

会社に入り、仕事をする代わりに賃金をいただく。
代金を支払う代わりに、商品を買わせていただく。
自分で住む場所を自由に決め、代わりに家賃を支払い、
なんでも自分だけで解決しようとしたり、親や特定の人物に相談するのではなく、自分で適材適所の相談をすべき相手を見つけ、自己解決することができるということ

例えば自殺する人は誰にも相談せずに自分で決めてしまう。これは自立ではなく、依存先がないから、解決策を知らない自分が最終的にできる解決策を取ってしまった結果。実際にこれは僕が経験があること。一言、誰かに相談していれば状況は変わったかもしれない。

他にも経営者が倒産をする理由の第一位に銀行などが挙げている理由は、「相談者がいないことによる知識不足」。解決できないのに自分で解決しようとした結果、不幸な結果になってしまうということ。

こうした例からもわかるように、「自分で解決する」というのは、様々な協力を得て自己解決できる能力のことであり、「全てを自分で行う」という意味ではないのです。
自立が「孤立」と勘違いされている傾向にあるので注意しましょう。

■自立するには?自立する3つの方法

「自立とは依存先を増やすこと」が前提にあり、細かくすると自立には3つの定義があります。

(1)物理的自立をする

まず一つ目は「物理的自立」。

親と同居している場合や親元で働いている場合、親が近所に住んでいる場合など、物理的に自立できない環境であれば、依存度が高くなりやすいです。

その場合は、自分の時間や空間を持って、なるべく物理的に離れたほうがいいわけです。

しかし親が子離れしない、親が毒親などであれば完全に距離を取るしかありません。

経済的に問題がなければ、そうした親元の環境は一旦離れるようにしないと、30過ぎても40過ぎてもずっと親子関係で悩み続けることになります。

徐々にできるだけ離れましょう。それしかない。
まずは孤独になる時間をとることからでも。

ちなみに僕は18歳で家を出てから一切帰ってませんが(笑)

(2)精神的自立をする

次に精神的自立とは、主体性のことで、全ての選択は自分で行ったものであり、自分の選択に責任を持つということです。

人間は人生において常に様々な判断をし続けています。
その判断の結果が人生の結果です。

精神的に自立していない場合は、「親が言ったから」「画稿で教わったから」「一般的にそうだから」「常識的に」「テレビで」「有名な人が」と言った、「他人の軸」で物事を判断しているわけです。

自分の人生を他人に預け、うまくいかない現状を他人や社会のせいにしているということ。

精神的に自立をするというのは、自分で物事を決めるということです。

そのために必要なのは「えいや!」と決める勇気でもなんでもありません。

「情報収集」です。
正しい情報を集め、そこから考えを組み立てる癖をつけましょう。

かと言って、有名人やインフルエンサーの本を読んで鵜呑みにしていたらまた依存と変わりません。情報の取得先を一箇所に依存せずに、客観的に情報を集めて、自分の頭で考える。様々な情報に触れるということです。

まずはそうしたインプットから始めましょう。

(3)経済的自立をする

経済的な自立をするというのは、「どうなっても稼げる」というスキルを持つことです。

職を失えばまたハローワークに行って面接先を探すしかない、という1つの解決策ではなく、他にも収入源はたくさんあります。

そもそも、一箇所の会社から収入を得ているというのは危険なわけで、先ほども言っているように第四次産業革命の流れで既存の市場は急激に縮小化したり、職業の大半が消えたりなわけで、大企業だから安全という神話は消えています。

副業も解禁されていく傾向にあるわけですから、どんどん副業など収入源を複数に増やすべきです。

つまり経済的に自立している状態というのは「複数の収入源」があることです。

その収入源も複数のクライアントや、複数の案件から生まれているほうが安全です。一箇所がダメになったり、顧客が一人離れたりしても安定するからですね。ビジネスモデルもそうやって作っていくものです。

今やネット上で短期的な仕事を受注する「ギグエコノミー」という経済圏も誕生しています。これにより、フリーランスの形で働く若者がわんさか出てきているわけです。

例えば、以下のようなサイトに登録しておくと単発で仕事の依頼を獲得できるってことですね。

■ココナラ
■クラウドワークス
■Bizseek

他にもネットでの収入源なら、ブログやアフィリエイト、ECサイト、Amazon販売など、収入源を分散させる手段はいくらでもあります。

■親は子供の自立を邪魔してはいけない

これを読んでいるあなたが、どんな立場なのかわかりません。

「自分が自立できていない」のか
「親として子供を自立させたい」なのか
それとも教育関係者なのか。

何れにしても、子供の自立を(我々の自立を)妨げる要因になったのは他者のアドバイスです。

冒頭の中学生は精神的に自立していますよね。自分でやって見たいからチャレンジする。そのために情報を集めて採用して行き、自分の考えたことを実現していました。

失敗(すればいい)させればいいんです。
間違(えればいい)わせればいい。
自分で考えて決め(ればいい)させればいい。

チャレンジをするから、大人になるわけで、その機会を子供から(自分から)奪ってはいけないんです。

自立するとは、依存先を増やすことであり、そのために情報を集め、自分で主体的に決断をして行動をしていくことに他なりません。それには失敗もつきもの。

だからこそ大人になっても常に学習をしていく姿勢が必要です。

ぜひ、これからの子供達を導ける大人に一緒になりましょう。

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