出口戦略のないビジネスはゴールのないマラソン

こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi

「出口戦略」って知ってます?
軍事用語ですが、今ではビジネス用語として使われているもので、「どうやって損害を最小限にして撤退するか?」という計画のことです。

つまり、「事業の撤退のタイミング、数値的な目安」のこと。

あるいは、「最終的にどうやってマネタイズをしてプロジェクトを終わらせるか?」
という意味でも使われるようになりました。

「なんで、頑張ってビジネスをやってる人にそんな終わりについて考えろなんて言うんですか?」

って感じかもしれないですが
起業・新規事業というのは

「事業撤退とワンセットで考える」
「最終ゴールとワンセットで考える」

ということが重要なんですね。

出口戦略(イグジットプラン)はアメリカでは事業計画をたてる際に最初に決めていきます。
その計画がないと、永遠と終わらないマラソンをしているようなものだからです。

■出口戦略が必要な理由とは?

うまく行った場合も、失敗した場合も、その基準を持たない限り、ズルズルと行ってしまいます。

最も重要なのは社長であるあなたの人生です。事業そのものが大きくなること自体は手段にすぎません。継続するほどの失敗のリスクは残ります。成功したとしても、どこで止めるのか?ということを決めることで、リスクを最小限にできますし、自分の人生を犠牲にすることがなくなります。

逆に失敗したとしても、「いくらまでなら損失が出ても問題ない」「何ヶ月までなら収益化しなくてもOK。これだけ期間が経過しても収益化しなければ止める」ということが決まっていれば、損失を膨らませることもなくなります。

<出口戦略のない失敗しているビジネス>

引き際を決めずにビジネスをして、うまくいかない場合、以下のような問題が発生し続けます。

・無駄な時間が流れる
・負債が膨らむ

<出口戦略のない成功したビジネス>

逆に、終わり方を決めずにビジネスが軌道に乗った場合も、以下のような問題が残ります。

・ずっと忙しいまま
・拡大をやめられない

つまり、失敗しようと成功しようと、出口戦略は必要ということです。

■出口戦略を事業計画に入れる

出口戦略を、事業計画の段階で入れるということは以下のようなパターンがあります。

(1)事業が成功した時の出口戦略の例

ビジネスが軌道に乗っても自分がそのビジネスを回し続けていかなければいけないとか、ましてや現場にい続けなければいけないというのは、自分のライフスタイルとしてどうか?ということです。ビジネスを作ってその中で働き続けたいのか?それとも、そのビジネスを誰かに任せて、ビジネスオーナーになりたいのか?それとも、事業を手放して資産だけ手元に残すのか?

それを考えると、例えば、「現金で1億円を作ったら、事業を他者に売却する」「現金で2億円作ったら解散させる」といったことを最初に決めるべきなんですね。

アメリカの起業家に多い出口戦略は「事業の売却」です。
事業の売却が終わり方ならば、「自分にしかできないビジネス」を選択することはありませんから、最初の一歩を間違えることはありません。逆に、ライフワークとして死ぬまでやっていきたい仕事ならば、自分の知識など頭脳だけで労働をするビジネスを選択することもあり得ます。そうなれば、最初は自分が労働をしても、スタッフに任せていく、後継者を育てていくということを考えていくようになるはずです。そうなればビジネスオーナーという位置付けを目指したビジネスプランを立てることになります。

(2)起業を断念、または方向転換する出口戦略の例

起業のやめどき、あるいは方向転換を決定するタイミングにも出口戦略は必要です。

「◯年で損益分岐点に達しなければやめる」「◯ヶ月で利益が◯円に達しなければ、ビジネスプランを変更する」といったことです。

時間こそ資産です。何年もうまくいかないビジネスをしたり、向かない仕事をしているようならば、資金が余裕がある段階でやめるべきなのです。そうしなければ、時間だけがどんどんすぎて行きます。気が付いたら取り返しがつかないくらい状況が変わっているかもしれません。

目安として、個人ビジネスなら副業で30〜50万円の収益を半年〜1年で作り、それをさらに半年以上継続することができなければ、そのビジネスは厳しいでしょう。本業なら、目標の金額や用意した自己資金にもよりますが、資金が尽きる6ヶ月前にはやめるようにしましょう。6ヶ月あれば、転職するにしても、個人ビジネスに切り替えるにしても、まだ間に合います。本当に資金が尽きてからやめるとなると、もうアウトです。また、法人化も融資も、そういった意味で儲かる前にやる必要はないのです。

(3)事業撤退する出口戦略の例

事業撤退というのは、まさに資金との戦いです。ビジネスをやってきた経験のある人ならば、1度や2度の失敗はしているはずです。

・思ったより売れない
・思ったより集客できない
・計画通りに販売されない
・想定以上にコストがかかる

こういったことはいくら綿密に事業計画を立てても起こりえることです。特に、成功事例のない分野は危険です。容易に真似できる業種でもない限り、ビジネスモデルの中身はブラックボックスなので、やってみてから収益化に困ることはよくあります。

そうした場合、「貯金がどんどん減っていく」「自己資金があと◯ヶ月でつきそうだ」といったことになっていきます。

うまくいかない事業を持つことで、本業からの持ち出しが始まり、最終的には、サンクコストを捨てられず破綻する人が出てきます。そうならないように、最初から数字でやめ時を決めておくことです。

■出口戦略を考えよう

出口戦略というのは、撤退だけではなく、個人のビジョンとして成功後も描く必要があります。

そのためにも、

あなたがビジネスで何をしたいのか?
何を得たいのか?
どういう人生を送りたいのか?

ということは最初にはっきりしておきましょう。

起業といえばこの本が最も定番ですが、この中でも出口戦略については語られていますよ。

 

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■この記事を書いた人

杉村 崇 takashi sugimura
日本思想×ビジネスの翻訳家・ビジネスコンサルタント歴20年
株式会社ウェブロック代表。2004年に独立し、200件以上のコンサルティングを実施。IT・音楽業界・店舗・中小企業・個人から上場企業まで経験。大手レコード会社各社の新人開発プロジェクトに参画、SNS最初期にSNS開発に参画、アフィリエイト関連書籍の出版、ECサイト運営、1万人規模のイベント参画、など多くの業種のコンサルティングやプロデュースを経験。運営するブログは年間100万PV達成。僧侶に師事。趣味はギターと茶道。栃木県在住、2人の成人した子供の父親でもある。現在は起業家育成を中心に活動しています。





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