こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi)
音楽記事シリーズの最後。これで一区切りにします。
アーティストの価値を高める4つの方法。
最後はこれです。
Contents
■アーティストは「発言」によって価値を高めている
結論を言うと、アーティストの価値を高めるのは
作品を有名にすることや
コミュニティの価値を作ることや
その価値をストーリーによって明確にしていくこと
以外に、
誰でもできるのがこれ。
「発言」の力です。
事実、多くの有名ミュージシャンは
その奇抜な発言や、
独自の哲学、
あるいは「ビッグマウス」といった発言で
注目を集めてきました。
もちろん、ミュージシャンだけではなく
人気のスポーツ選手や
多くの芸術家は、
たくさんの「名言」を残しています。
これはまさに彼らの「世界観」によって
人々が惹きつけられている証拠ですね。
■ジョン・レノンの世界観
例えば、ジョン・レノン。
彼の世界観については、メルマガの中でも話してきました。
非常に明確で、わかりやすいメッセージを発信していますよね。
ジョン・レノンといえば「ラブ&ピース」です。
世界観というのは、詳しくはこちらの記事などを
読んでいただきたいのですが↓
その素晴らしい発言の裏には
明確な「共通の悪」があるのです。
だからこそ、
いかに素晴らしいラブ&ピースの思想を展開する
ジョン・レノンであっても
時に、その「悪」に対しての批判のメッセージ
辛辣な言葉があります。
そうした発言こそが
注目の的になり、話題になり、
時に批判になり、時に、共感になるのです。
■ジョン・レノンの数々の問題発言
例えば、ビートルズがデビュー間もない頃のコンサートで、
エリザベス女王などの王族も見ている前で
ジョンレノンはこのような発言をしたことが当時話題になり
今では伝説になっていますね。
安い席の方は拍手をお願いします。
それ以外の方々は、すみませんが宝石をジャラジャラさせてください。
/ジョン・レノン
皮肉が込められ、ジョークにもなっていますが、
裏側には貧富の差に対して好ましく思っていない
という思想も見えるジョークです。
あるいはこのような発言もし、大きな反感を買いました。
政治に興味がないわけじゃないんです。
ただ政治家に興味がないだけです。
/ジョン・レノン
そして最も有名かつ、暴動にまで発展した発言もありますね。
キリスト教は廃れるだろう。衰退して無くなると思う。議論の余地はないよ。僕は間違ってないし、そのうち証明もされるだろう。僕たち(ビートルズ)は今やイエス・キリストより有名だ。どっちが先に消えるんだろうね。ロックンロールかキリスト教か。イエスはいいと思うよ、でも彼の弟子たちが愚鈍だったと思う。弟子たちのせいでおかしくなったと思うし、それで僕は嫌になっちゃった。
/ジョン・レノン
ジョン・レノンの歌詞の中には
宗教やスピリチュアル、政治家などへの批判が多くみられ
それと同時に「世界を1つにしよう」という
ラブ&ピースのメッセージが込められています。
同じようにそうしたものを悪と感じ、
彼の向かうべき世界に対して共感できる人々が
ビートルズやジョンレノンの熱狂的ファンになっているはずです。
■会田誠「いかにすれば世界で最も偉大な芸術家になれるか」
現代芸術家の会田誠さんなどは、最強の発言をしています。
「天才でごめんなさい」という会田誠展のネーミングからして最強ですが。
その中で「いかにすれば世界で最も偉大な芸術家になれるか」という
ことをまとめているのがこちら。
1 同じことは・・いや似ていることさえ、二度と繰り返すな。
天才芸術家には毎秒毎秒記憶喪失を繰り返すくらいの、精神の鮮度が必要だ。
2 自分の過去がどうだっていいように、人類の過去だってどうだっていい。
天才芸術家にとって過去の奴らなんて、みんな取るに足らない下手っぴばかりだ。
3 芸術家にスケジュールや納期という概念はない。
4 英語を喋るなんて凡庸なことを平気でできる時点で、自分の才能を疑った方がいい。
どうしても母国語以外を喋るという暇つぶしがしたいなら、古代シュメール語とか犬語とか、面白いのにしておけ。
5 パスポートは要らない。海の向こうからの客は、気が向けば迎えてやってもいいが、自分が客になることはありえない。
6 指から伝わって魂が腐るから、金には触るな。
というか、そういうものが腐ったこの世にまることを、最初から知るな。
7 大物な権力者やコレクターやキュレーターやギャラリストや批評家にあっても、すぐに忘れろ。
そして次にあったら「は?どなたさん?」と言え、というか、理由もなく突然、殴ってみてもよい。
8 向精神作用のある有害物質を含む、あらゆる嗜好品を常時摂取し続けろ。
それを肝臓で濾過するのも馬鹿馬鹿しい話だから、あらかじめそんな無用な臓器は摘出しておけ。
9 大恋愛と決闘は、定期的にやるとよい。
10 仕事するな。何も作るな。
/会田誠
完全に最強発言ですよね(笑)
この独特な世界観から、
あの独特な作品が生まれているわけです。
こうした発言によって、さらに注目度を高めてしまいます。
■村上隆の「芸術起業論」
こうした「発言による価値の向上」については
実は、現代芸術家の村上隆さんの著書「芸術起業論」にも
似たように触れています。
村上さんは等身大フィギュアが16億円で落札されるなど、
作品の価値を高めていくことに対してのマネージメントを
論理的に実行している数少ない芸術家の一人でしょう。
芸術作品の価値は、発言で高めるべき
金銭を賭けるに足る物語がなければ芸術作品は売れません。
村上隆著書「芸術起業論」
ヒットというのは、コミュニケーションの最大化に成功した結果です。
村上隆著書「芸術起業論」
天才同士が戦いを繰り広げている頂上決戦の中で、凡人は斬り捨てられていくのが弱肉弱食の世界のルール。どの世界でも、ごくわずかの天才の数より、天才を求める人の数の方が多い。美術作品の価格が高騰していく過程はそれに比例する
村上隆著書「芸術起業論」
どのようにして需要と供給のバランスを崩し、
価値を高めていくのか?
その基本戦略として、まずあげているのが「発言」です。
ツイッターで炎上商法を行なっていることも公言されているくらいです。
アーティストや起業家は
世界観を語り、作品の価値、コミュニティ(商品サービス)の価値を
語れなければいけません。
■過激であれ、ということではない
このような話をすると、
そんな過激な思想は持っていない
という方がいますが、
その必要はありません。
過激であることや、毒舌であるということが重要なのではなく、
誰かにとっての悪を消し去っていくための活動である
必要があるだけです。
問題を解決しようとしない意味のない商品を買う人はいません。
可もなく不可もない
ということは、熱狂的な支持者もいません。
アンチがいてもいいのです。
好き嫌いを分断するからこそ、
あなたに共感する人だけが周囲に集まってくるのです。
■ブログを書いて世界観を発信しよう
はっきり言って、アーティストで情報発信をしていなければ
誰にも言葉が刺さりませんからファンができるはずがありません。
サーバを借りてワードプレスで情報発信をする
というのは、アーティストにとって常識になってもらいたいものです。
世界観による発言の重要性を
理解できた人から、上昇していきます。
トップレベルのアーティストは
この力を知っていますし、使いこなしているのです。
チラシを撒いたって、宣伝したって
価値がなければ、そこに物語がなければ、
その物語を語る発言がなければ
人が集まっても継続性や熱狂性に欠けるでしょう。
さぁ、世界観を作りましょう!
↓こちらでもアーティストのビジネスの全体像をつかめます。