戦略・ビジネスモデル

薄利多売の意味|薄利多売の逆・反対とは?

こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi

コンサルの仕事をしていると
よくこんなことを言う方に会います。

「薄利多売だから儲からないんですよ」

これ、よく聞きますね。
要するに「薄利」と言うことは「利益の薄い商品」と言う意味ですね。
その利益の薄い商品を多く売っても儲からない。
と言うことでいっていると思います。

それが常識化して「安売りはしたくない」
ほとんどの人が言います。

しかし、ちょっと待ってください。
大企業って、安い商品を売って大企業になっていますよね?
「薄利多売だから儲からない」なんてわけがないんですよ。
それは、大きなビジネスに関わったことのない人が言うことです。

これは大いなる勘違いです。

「薄利多売」の意味をしっかり理解しないと、やばいですよ。


■薄利多売の本当の意味

薄利多売というのは先ほど言ったように、
「利益が薄い商品をたくさん販売する」
という意味です。

で、問題は、たくさん販売すると
利益はめちゃくちゃ多くなる
ということです。
だから、大企業は大企業になったんです。

この勘違いをしている方は、以下の4つと勘違いしているんです。

(1)多売薄利

こんな言葉はありませんが、
「たくさん売ったのに、利益が出ない」
というのが、「多売薄利」です。
言葉をひっくり返しただけですけど、状況が変わりました。

例えば、美容室が1時間半で3500円のカットサービスを販売しているとしましょう。
これ、たくさん売っても絶対に利益が出ないんですよ。

1人の美容師さんが、毎日めちゃくちゃ頑張って5人をカットしたとします。
25日間やって、125人。
それで、43万7500円の売り上げですよね。

で、2人でやっている美容室として、売り上げは87万5千円です。
給料合わせて、固定費が100万円としますね。
もう最初っから赤字です。

これが、「多売薄利」ですよ。
というか利益ゼロなので多売赤字です(苦笑)

で、たくさん客数のいるのに儲かっていないビジネス
ほぼ、こういう現象です。

じゃあ、「値段」の問題なのかというと違います。
美容室で大成功しているQBハウスは1000円ですからね。
しかし、10分カットです。
回転率を上げているので、問題なく利益がめちゃくちゃ出るわけです。

上記の例だと、提供時間と価格のバランスが悪いから、
たくさん売っても儲からない
という状態なわけです。

他のビジネスでも同じですよ。

(2)薄利少売

こんな言葉もありませんが、
「少ない利益の商品」かつ、「ちょっとしか売れない」
という状態です。

安い商品を扱っていたり、利益額が少ない商品を扱っていて、ちょっとしか売れないという場合、確実に儲かりません。

「少ない利益の商品」でも「多売」になれば、利益は高くなります。

でも、「少ない利益の商品」がちょっとしか売れないようなものなら、利益が出なくて当然です。

(3)少売薄利

こんな言葉もありませんが、「多売薄利」の反対の意味です。
つまり、「安い商品ではないけれど、ちょっとしか売れず、結果的に利益が出ない」ということです。

一般的な価格の商品を扱っていて、儲かっていない場合はこれですよね。

値段が一般的な価格なことが問題なわけじゃなくて、
そもそも、ちょっとしか売れないことに問題があるわけです。

売れないということは、
売れるコンセプトになっていない、ポジションが不明、顧客不明、ってことですね。

(4)多利少売

もちろんこんな言葉もありませんが、
「高い利益額の商品」かつ「ちょっとしか売れない」
と言う場合も、儲かりませんよね。

「そうか!たくさん売っても儲からないなら
高額商品だけを販売しよう」

となるわけですが、
全く売れずに、結果的に、利益がない。
と言う状態。

高い商品、利益額の高い商品をやっていればいいと言う問題じゃないですよね。

■薄利多売は利益が出まくる

上記の4つに陥っている状態だから

「安売りはしたくない」
「薄利多売はしたくない」

と考える人がいるんですね。

で、実際にマスになるビジネスというのは
みんなが嫌いな「薄利多売」
なわけです。

しかし、「薄利多売」は薄利じゃないんです。
利益は薄くないんです。

たくさん売れれば、コストが下がるんです。
製造原価でも、仕入れコストでも、
たくさん売れるならコストが下がり、高利になるじゃないですか。

そもそも、マスになるようなビッグビジネスは、
当然、安いものなんです。
日本中の人を相手にするビジネスなら、高級品なんて需要はほとんどないんです。
割合で言えば、8:2で、低価格商品が売れます。
だから、低価格商品をやっている企業が上場しているんですよね。

薄利多売に見えるビジネスは、
いずれマスになり、一般に浸透し、
どんどんコストが下がり、
「多利多売」になるわけです。

まぁそんな言葉はないですけどね(笑)

■薄利多売の逆とは?反対・対義語はない

薄利多売の逆。反対語をあえて作れば
「少売多利」ですかね。

つまり、「ちょっとしか売れないけど、めちゃくちゃ儲かってます」
ということですね。

薄利多売=利益が薄いものをたくさん売る
少売多利=少ない販売数で多くの利益を得る

で、上記の2つだけがビジネス上、正解なんです。

この2つは、継続すればどちらも
「多利多売」になるわけです。

薄利多売=売れば売るほど、コストが下がり、利益が増える
少売多利=継続するほど、顧客数が増え、多売になる

結果、「多利多売」になります。

■やっていいビジネス・悪いビジネス

つまり、まとめると以下の表のようになります。

赤文字がやっていいビジネス。
青文字がダメなビジネス。

ということです。

・薄利多売
・少売多利

というのはオッケーなんです。

で、中小個人ビジネスで、
資金も調達せずに小さく始めるならば、
当然、「少売多利」しか選択肢はありません。

多売にするには、販売力が必要ですからね。
流通チャネルや、営業力、
つまり資金がものを言います。

「少ししか売れなくても結果的に儲かるビジネス」

これを作ることがテーマです。

これをやるために、「競合不在マーケット」に入り、
「儲かる構造」を作り、「優良顧客を集客する」
と、
お伝えしてるんですね。

■薄利多売の認識を改めるべき

薄利多売に見えるビジネスは、
小資本の個人が最初から手を出せるタイプのビジネスではありません。

しかし、「悪の代名詞」のように
「薄利多売は悪!」みたいになっているのはおかしい
です。

暮らしを支えているのは、
本当に必要な商品を低価格で販売するまでに成長した
大企業の存在があるからに他なりません。

マスのビジネスを否定していたら、
いつまでたっても自分も小さいままですし、
良いところを真似することができません。
大企業と「本質的に」同じことをしなければ、成功はあり得ません。

薄利多売ビジネス、大量生産
といったコンセプトをむやみに避難するのは非論理的。
ビジネスはそもそも画一化がテーマです。個別化している時点でアウト。

当然、それによって外注や、下請け、諸外国を
苦しめるような状況を作っている企業は論外ですが、
それは全てではないですからね。

車に乗らず、電話を使わず、パソコンも使わず、
スーパーも、ガソリンも
何もかも使わずに、そんなものは要らない!という人だけが避難していいものです。

最終的には、本物は「多売」ができてこそです。

「多売」ができない「いいわけ」で、
「薄利多売」を避難するようにならないようにしましょう。

 

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