こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi)
「チラシを作ったけど反応がゼロだった」
という相談、かなり受けています。
このブログはお店をやっている人など
地域ビジネスの方も結構見ているので
その中でも集客の悩みが多く、
もっと具体的にいえば「チラシの反応」の悩みが多い。
チラシを3万部まいたけど、反応ゼロ。
これ、本当によくある話で、
綺麗なチラシをド派手にまいて
「あのお店、会社はすごい盛り上がってるんだろうなぁ」
と周囲は思うのですが、
内情は反応とるのに四苦八苦。
その全てはデザイン会社、デザイナーに依頼したもの。
そういう反応率まで集計してフォローしてくれる会社ならまだしも
クレームや、結果の反響までフィードバックを得ていない
デザイン会社が多いのも事実。
デザイナーさん
知らないだけで、クライアントは苦しんでますよ。
Contents
■チラシ依頼の丸投げは経営の丸投げ
チラシを誰かに丸投げするということは
経営をその人に丸投げしているのと同じです。
チラシというのは、経営戦略が表立って表現されたもの。
チラシだけじゃなく、
ウェブも、カタログも、メンバーズカードも
戦略の中で機能させなければいけない戦術。
誰がマーケットで
どういうニーズがあって
何の目的で
どういうメッセージを載せた
チラシを作るのか?
それを、依頼するというのは、
「戦略から考えてくれ」
というようなものです。
■「テキストください」という世界
デザイン会社やデザイナーに依頼すると
ほとんどが「テキストをください」といってきます。
例えば集客チラシなら
お店に顧客を連れてくるとか、
会社に問い合わせをしてもらうとか、
そういう目的があります。
その目的の達成度合いは、
書いてある内容がどういうものなのか?
ということが反応の大半を占めています。
もう一度言いますね。
チラシは、眺めるものではなく、
人間が読むものです。
読むことによって、
問い合わせや来店といった行動を起こさせるものです。
それは、
「書いてある内容がどういうものなのか?」
が反応率を決定づける要因です。
にもかかわらず、
「テキストください」
「テキストをもらえれば、写真を入れたレイアウトを作ります。」
というのは、
結果が出ない方法なのは明白です。
■代理店を卒業してフリーになったデザイナーが知る驚愕の真実
例えば、デザイナーという職業は
大きな会社なら、CD(クリエイティブディレクター)がいて
その人の指示に従ってデザインを起こします。
CDが間抜けでなければ、効果的なデザインを作れます。
CDじゃなく、AD(アートディレクター)でもいいです。
フリーになっても、代理店から仕事をもらい、
代理店のディレクターの指示に従って納品する
というデザイナーも問題は発生しません。
内容に関して責任があるのは、代理店側だから。
そして、そのチラシなりの反応の結果は
デザイナーは知る由もありません。
そうした状況から卒業して、
自分が営業をしてクライアントを獲得するという
業態になったデザイナー、デザイン会社は
ある問題に直面します。
自分でチラシを打って、デザインの仕事を取ろうとした時に
全く反応が取れないということに。
実際に、そうした知人が、
「今まで作ってきたものは何だったのか・・」
ということに恐怖を覚えた、という話を聞いたことがあります。
■チラシはマーケティング。デザイナーはデザインのプロ。
そもそもチラシなどの販促物は
マーケティングという作業です。
マーケティングを組み立てるのがデザイン。
チラシの結果を大きく左右するのは
以下の3つの要素です。
1)マーケットへのリーチ数
その商品やサービスに対して
ニーズのある対象者へ、必要なだけのリーチをできているか
ということ。
2)使用するメディアが適切かどうか?
広告の種類として、
折込チラシ、ウェブ広告、FAX、郵送DM、雑誌、
様々な媒体がありますが、
使う媒体が、自社のターゲットが見ている適切な媒体かどうか?
ということ。
3)メッセージが行動に値するものかどうか?
リーチは予算の問題ですし、
媒体も、そう数がたくさんあるわけでもないので、
大きく外すことはありません。
問題は「メッセージ」です。
メッセージとは、提案する内容そのもの。
商品そのものや資料請求なら資料のタイトルや内容
というレベルから、「メッセージ」と言えます。
これらを考慮して、
デザインにしていくわけですが、
デザイン会社はデザインのプロであって、
マーケティングのプロとは限りません。
■デザインは2段階ある
ここはまた別の記事でも書きたい内容ですが、
デザインというのは2段階あります。
「デザイン」と「スタイリング」です。
(1)デザイン
デザインとは設計のことです。
設計というのは、目的を実現するための機能です。
機能というのは、要素の組み合わせのことです。
家を建てる時に、柱や壁など
パーツの組み立て方を設計図に起こします。
つまり、パーツが最初にあるわけです。
チラシにおけるパーツとは「情報」です。
・ターゲット、誰に向けたものか?
・ニーズ、何の困りごとにアプローチしているのか?
・ベネフィット、未来、得られるは何か?
・証拠、それを信じる要素、データ、第三者の声の提示
・オファー、今すぐそれを利用する必要のある販売条件などの提示
そうした「情報」を組み立てていき、
目的である、「集客」などを実現させていくこと
それがデザインです。
(2)スタイリング
設計ができたら、スタイルを整えます。
家づくりなら、壁紙の色や家具などの話です。
スタイリングとは見た目のことですが、
人の目に入る要素の順番は以下の3つの順です。
1、色
2、形
3、文字
この順番で、人の目に飛び込んできます。
チラシであれば、
1、読まない
2、信じない
3、行動しない
という読者の3つのネックを解除することが
最重要になるのですが、
最初の「読まない」というのを解除するにあたり、
「目に留まる」もの、「読み始めるもの」
を作る必要があります。
そのための色、形、フォントの強弱。
それをするのがスタイリングという作業です。
■デザイナーと役割分担をしましょう
そう考えると、
多くのデザイン会社はデザインをしていません。
いきなりスタイルの話しかしていないと思います。
見た目の話は、素人でも参加できるので
この色が好きとか、
この見た目はかっこいいとか、
そういう枝葉の議論で、会議は満ちあふれます。
何も、デザイナーをディスりたいわけじゃなくて
役割分担をしっかりしないといけないという話です。
戦略を考えるのは、あなたの仕事です。
デザイナーの仕事じゃないのです。
それに沿って、必要なパーツを集めるのもあなたの仕事です。
それらを元にして、
デザイン会社と打ち合わせることができれば、
きっと素晴らしいチラシを作ることも可能になります。
参考にしてみてくださいね。