マーケティング

ポスティングの効果がない本当の理由と効果の上げ方

こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi

コンサルという職業柄、ポスティングなど様々な業者さんと深い付き合いがあったりしますが、ここで、衝撃的な事実を伝えたいと思います。

チラシ配布を依頼したクライアントから
ポスティング業者に、クレームがかなりあります。

理由は、「効果がなかったじゃないか!」というものです。

中には「ちゃんと配布しているのか?」と、料金を支払わないという顧客もいます。
これが実際の話です。

ですが、勘違いしないでください。
ポスティング業者は一切、悪くありません。
彼らはしっかりとした仕事をしています。

問題は別にあります。


■ポスティングの効果がないのは、曜日や配り方の問題ではない

結論から言うと、ポスティングの効果がない理由は
チラシそのものが原因です。

集客というのは、要素は2つしかありません。

1、リーチ数
2、反応率

リーチ数というのは、「どれだけ多くの人に告知したか?」です。

そして反応率というのは、「その告知した人からどれだけ反応があったか?」という数字を、リーチ数と反響人数で割り算した数字です。
例えば、1万部配布して30人から反応があれば、反応率は0.3%ということです。

広告がうまくいかないのは、「リーチ数の不足」「反応率の不足」のどちらかしかありえません。要するに、告知した数が少なすぎて最低分母が足りていないか?反応が取れない「広告の内容か」ということです。

で、反応率というのは以下の3つの要素で決まります。

1、マーケット
2、メディア
3、メッセージ

マーケットとは、「対象者」のこと。
どういうニーズのある人を対象者に選んでいるチラシ広告なのか?
それがズレていれば、反応はありません。

メディアとは、「媒体」のこと。
ポスティングを選んだということは、ポスティングという媒体であり、配布エリアということです。

メッセージとは、チラシの内容です。
チラシに書かれている商品やキャッチコピー、オファー(販売条件の提案)といった要素です。
つまり、文字と画像です。

広告の反応率というのは、

「適切なマーケット」
「適切なメディア」
「適切なメッセージ」

が全て揃った時にしか生まれません。

お気付きのように、「ポスティング」というのは、「メディア」という要素だけのことです。
ポスティングだから効果があるとか、ないとかいうことは、一切ありえません。

問題は、対象にしているマーケットのニーズと、広告の内容、作り方そのものにあります。

なので、ポスティング業者にクレームを言っている時点で、そのお店、会社は終わってます。
全くお門違いもいいところなのですよ。

■ポスティングのチラシ効果がないのは広告を作った人の問題

広告制作をデザイン会社に高いお金を支払って制作し、配布したら効果が出ない。
そのクレームがポスティング業者や折込業者に行く。

というチラシ広告の悪循環があります。

しかし、問題の広告制作をしている会社は、クライアントの反応数をヒアリングしたり、効果分析をしたり、テストマーケティングを提案するということは、ほとんどありません。
それをやってる会社なら、反応は出ているはずです。

制作会社も、効果の出ない広告を作っているということ自体を知らない場合も多くあります。

例えば、オープンしたばかりの美容室がデザイン会社にチラシ制作をお願いして、3万部のチラシを配布しましたが、反響はゼロ。

「知名度を上げる目的で」

と流されたそうです。

例えば、整体院がデザイン会社に20万円でチラシ広告を制作依頼し、反響が全くなく、コンサルに相談。

こんなことはザラにあります。

果たして、広告を制作した人は、その会社の経営戦略、目標数値、マーケットセグメンテーション、メディア選定、最適なオファー、メッセージの構築をし、施策の実施後、どれだけ反応があったか?聞いてくれますか?それが問題なんですよ。

「デザイン会社が悪い」と短絡的に「犯人探し」をしているわけじゃなく、
そうした広告の意図を、経営者と制作会社で打ち合わせてしっかり作れているのかどうかが問題なんです。

■効果的なポスティングチラシを作るには?

まず、依頼者はデザイン会社に丸投げをしたり、「カッコよく作って欲しい」「おしゃれに作って欲しい」という、よく分からない見栄を捨てましょう。

集客の数字が必要だから広告を打っているはずです。
目的は、「問い合わせ数」「集客数」と言った「数字」です。

その上で、製作者に、最適なマーケット、メディア、メッセージをどう作ったらいいのかを相談してください。

もし、

「とりあえず、テキストと写真素材をください」

という会社なら、その会社に依頼するのはやめてください。
それでは結果は生まれません。

しっかりと、依頼者の意図を汲んで、戦略を把握して、一緒に数字を追いかけてくれる相手を選んでください。

デザインをする人は、「デザインの意味」をちゃんと理解してください。
販促の意味を理解してください。
おしゃれなものを作るのが販促ではありません。

依頼者は経営をしているんです。

経営をして利益を出していかないといけないんです。
利益を出して、給料を支払って税金を納めていかないといけないんです。

そこに向き合わずにマーケティングの勉強もせずに広告を制作するのはやめましょう。

ちゃんとお互い、しっかりと目的に向かって膝を突き合わせて打ち合わせをして、広告を作ることです。

■ポスティングの効果測定をする方法

ポスティングの広告効果を確かめるには、顧客に「チラシを持参」してもらうことや、電話の際に「チラシを見たとお伝えください」と書けば、反応数は計測が可能です。

マス広告(テレビ・ラジオなどの電波広告、新聞雑誌の広告)は計測が難しいですが、チラシは反応数が確実にわかる媒体です。

中小個人のメディアとしては反応が計測可能なメディアを採用するのが基本です。
大手企業のように効果を求めない、あるいは長期的な認知を狙ったイメージ広告を打つ予算はないでしょうからね。

その上で、反響がなかった場合、
何が問題かは以下の方法でわかります。

広告チラシAをまず、小規模で配布します。
業種によって反響数は全く違いますから以下の数字は目安になりますが、
ポスティングなら2000部程度でも良いですし
折り込み広告なら1万部程度でも良いでしょう。

それで「広告チラシA」の反応が思ったような反応率であったなら、それを繰り返したり、部数を大きくしましょう。

しかし、最初の小規模のテストで反応もないのに、ポスティングに切り替えて大部数を入れたら反響が取れるかも?と考える人が、ヒジョーーーに多いです。

というか、皆さんそうです。

大部数入れても、反応がないチラシはゼロです。やればわかります。
テレビCMを打っても、全国紙に掲載しても買いたくない商品の広告は反響は取れません。

集客は掛け算です。

リーチ数×反応率=集客数

反応率がゼロなのに、リーチ数をどんどん増やしてもゼロなんですよ。

まず、小規模でテストをして、基本的な反応率が出るまで広告の内容を変更し続けてください。

■ポスティングの広告効果を高める方法

上記は簡単なテストマーケティングの基礎ですが、もう一段階高いレベルの話もしておきましょう。
反応率を高めるということの本質は
「反応率の高いチラシを採用する」ということ
です。

ですから、広告のパターンを複数作って最も反応が良いものをベースにしていくということなんです。

これを「ABテスト」と言います。

最低反応率が出ている場合は、その反応率を高めるために、複数のチラシを作り、同じ条件で走らせて、良い方を採用します。

どのようなパターンがあるかというと

A:同じメッセージでテキスト中心のチラシ
B:同じメッセージで画像中心のチラシ

A:同じメッセージでフルカラーのチラシ
B:同じメッセージでモノクロのチラシ

A:同じメッセージでオファーが1000円のもの
B:同じメッセージでオファーが500円のもの

といった感じで、同じ内容だけど、一要素だけ異なるものを用意します。
これを繰り返して最も良いものを拡大していきます。
これはかなり応用編ですから、基本的なことができてからやってください。

■ポスティング効果の統計データ

「チラシの効果は千三つ」とか「千一」とか言われますよね。
つまり、反響率が、0.1%、0.3%程度だ、と言いたいんでしょうね。

そしてそのデータを聞いて、一般的な反応は

「そんなに厳しんですね・・・」

みたいな(笑)

マーケティングをやっている人からすると笑えますよね。そういう問題じゃないですし、そんな確率はよくあることですし、というか業種や価格やビジネスモデルによっても正解なんて全然違いますからね。

数字だけで言えば、折り込みよりもポスティングの方が反応率は高いです。
ざっくり新聞に挟むよりも、一つずつポストに入れた方が読まれる確率が高いでしょうから、当然ですね。
でも、コスト的にポスティングは一軒ずつ人が配布するぶん、コストが高いですから、費用対効果はさほど変わりません。

で、反響率は先ほど言ったように業種によって全く違います。
まず、業種で違うんですよ。

なぜなら、「頻繁に買うもの」「みんなが買うもの」であれば、反響率が高いに決まっています。
現に、一番、チラシで反響が多いのはスーパーのチラシです。
みんなが、毎日のようにいくからですよね。

なので、平均の反響率を聞いてもあまり意味はありません。
が、大体の目安はあります。

確かに、大体、0,1%〜0.3%で、
飲食のようにみんなが共通する商品は0.3%くらいでますが、
塾やサロンなど、ある程度、使う人が絞られているものは0.1%くらい出れば上出来かと。
そんな感じですね。

僕が実際にやっている内容では、多くの人に共通する商品ならば0.7%前後
そうじゃないものは0.2%前後

というのが多いでしょうかね。

でも、そうした反響率はビジネスにはほとんど関係ないです。
そうした「コピー」や「デザイン」の内容などで消耗している時点で、ビジネス的にはアウトだと言えます。

問題は、「顧客獲得コスト」と「LTV」という指標でしかないのですからね。

■ポスティングのまとめ

デザイン会社とデザイナーを敵に回したみたいですが(笑)

僕は、デザイン系のつながりはたくさんありますので、彼らが嫌いなわけではないですし、僕のようなマーケターが広告制作に入っていれば、彼らのデザイン能力を最大限に生かして、こちらは戦略やコピーに専念できますから、最高のパートナーです。勘違いしないでね。

それから、冒頭で「ポスティング会社はクレームばかり来る」と言いました。
しかし、その会社のクレームはゼロになりました。
詳しくは書きませんが、上記の話をクライアントに理解してもらえばいいというだけです。

何れにしても、常に言っているように、集客では何も解決できません。
世の中は集客ノウハウや集客本であふれていますが、
重要なのは、「欲しい商品を持つこと」ですし、「儲かるビジネスモデルを持つこと」ですし、そこに対して、「優良顧客を集めること」です。

プチでもいいから、顧客にとってのイノベーションがなきゃ、燃えるような仕事はできません。

広告で疲弊しているなら、優良顧客のリサーチをやってくださいね。

 

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