アーティストビジネス

音楽を売ってはいけない!アーティストはコミュニティビジネスだ

こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi

音楽アーティスト活動講座を実施中です。↓

音楽記事シリーズ。

アーティストの価値を高める4つの方法。
2つ目は「付加価値」です。


■アーティストはコンテンツビジネスではなく「コミュニティビジネス」だ

音楽アーティストは、
音楽というコンテンツを販売するのが仕事
だと思われていますが、本質はコミュニティビジネスです。

そもそも音楽コンテンツは
CDなら1000円、3000円。
コンサートの数千円のチケット。

と言った商品しかありません。

しかもそれが150円程度のデジタルコンテンツや
定額配信などになり
低価格化が進みました。

それどころかYoutubeなどでは無料です。

もはや、音楽コンテンツではビジネスにならないのは明白ですよね。

そもそも、音楽アーティストは、
ファンを獲得し、ファンを維持し、
その中で様々なキャッシュポイントを用意して
コミュニティとしてのビジネスを成立させるもののはずです。

いつからコンテンツ産業がメインになったのでしょうか?

■テレビメディアの成長とともに音楽コンテンツ産業が拡大してしまっただけ

ビジネスは3つの数字で売上が決まります。

「お客さんの数」×「客単価」×「販売回数」

そのうち、コンテンツ産業がやっていたのは
圧倒的に「お客さんの数」を増やすということ。

CDなどは販売単価が決まってきますし
そもそも低価格です。

同じCDを買う人はいませんから
年間に何回もリリースしないと販売回数も増えません。

かと言って、お客さんの数を増やすというのは
ビジネス上、最も難しい仕事であり、
最もコストがかかります。

顧客獲得に対して、広告宣伝費が確実にかかるからです。

ですから、どの業界であっても
「客単価」と「販売回数」を
効率よく増やすためのビジネスモデルを模索します。

しかし、音楽業界はテレビメディアと一緒に成長したため、
TVに無償で取り上げられれば、
とんでもない広告効果を無料で手にすることができた。

あるいは、90年代のように
みんながTVしか見ていない時代なら
新人アーティストでも、TVに広告投資を集中投下するだけで
効率よく知名度を上げられた。

しかし、ご存知のように、もはやTVを見る人自体が少なくなり
この客数を増やすということを無料で展開する
という離れ業は、なかなかできなくなったわけです。

■1000円のものを10万人に売る時代から、1000人に年10万円使ってもらう時代

そうした背景から、
他の業界と同様に、
客数を増やすだけではなく、
ビジネスモデル自体にリピート性、高額性を加えて
一人あたりの購入額と、購入回数を増やす。

ということに注目しなければいけません。

これをLTV(Life Time Value 顧客生涯価値)と言います。

年間、生涯にわたって、
顧客がそのビジネスにいくら支払うのか?
という指標ですね。

要するに、大勢の人を感動させる以前に、
目の前の一人を感動させ続けましょうよ!

ってことなのです。

目の前の一人を感動させ続けられれば、
それを10倍、100倍の人たちに提供すれば
もっともっと、価値の高い、収益性もあり、
社会を動かすほどのプロジェクトになり得るわけです。

今までが
1000円のものを10万人に売る時代なら

これからは

1000人に年10万円使ってもらう時代

ということです。

計算すれば分かる通り、同じ1億円の売り上げです。

瞬間的に人気になって大勢に消費されるより、
少数でも長期的に熱狂的ファンのいるプロジェクトの方が
安定性、収益性、何より、
社会貢献度が違います。

その上で、拡大するかどうかは選べばいいのです。

■コミュニティには付加価値が必要だ

それには、コンテンツを売るという考えから
コミュニティを主宰するという考えにシフトすべきでしょう。

もちろん、いま、大成功して、
継続的に長期的に活動されている
ほとんどのアーティストは
結局はこの「コミュニティビジネス」の成功を手にしているわけです。

そのアーティストのファンになり、
そのコミュニティに入ると、
素晴らしい体験があり、
素晴らしい人生が拓けているからこそ、
感動があり、
長期的にファンで居続けているのです。

本当のファンは、楽曲ではなく
アーティストの存在そのものに投資しているはずです。

楽曲を選んで買うのはライトユーザー。

本物のファンは新譜を聞かずとも買いますよね。

それは、そこにしか得られない価値があるからなのです。

一方で、楽曲的ヒットをしても、
長期的にファンに支持されずに衰退していくプロジェクトもたくさんあります。

ファンとしては、
そこに入る理由、そこに居続ける理由がなかったのです。

■コミュニティの付加価値とは?

そもそも付加価値とは
持っている資源を加工した際に生まれる価値の差のことです。

元の材料よりも加工後の資源の方が価値が高まります。

材料を集めてカレーを作れば売り物になるのと同じです。

ビジネスは、相手のニーズに対して、
持っている資源をどう加工するかで付加価値が発生します。
相手にメリットがあり、
他のコミュニティにはない価値があれば
それは相当な価値の高さになるでしょうし、
一般的に解決されている問題ならあまり価値はありません。

そうした付加価値そのものを
人は買っています。

そして前回お話ししたように、
価値とは得られる未来のことです。

では、コミュニティにとっての付加価値とはなんでしょう?

ただ人が集まればコミュニティでしょうか?
そんなことないですよね。
それでは価値はありません。

そこに何を求めてやってきたのか?
何を得たいのか?
その得たいものがそこにあるのか?

アーティストが持っているコンサートや
コミュニティを推進する求心力は
誰にとって、何を、どう変化させるものでしょうか?

ビジュアルや、アイドル性が求心力でしょうか?
疑似恋愛が求められていることでしょうか?

それとも、
夢や情熱を与えている求心力があるのでしょうか?
何かを達成することを応援しているのでしょうか?

求められていることを把握することが最初の一歩です。

■資源を加工してコミュニティを作ろう

つまり、まず自分のファンの求めていること、
悩んでいること、問題、欲求、困りごと
を把握します。

その問題に対して、
自分のコンサートや、コミュニティ自体の
機能性を加工していくことで付加価値は作ることができます。

例えば、女性シンガーのユニットで
心の健康をテーマに作品にしていて
自分が持っている資源を掘り下げると、

「看護師さんとしての仕事経験」
「健康おたく」
「料理が得意」

という方がいました。

リスナーは男性が中心で、精神的な癒しを
作品に求めて集まっているというリサーチがありました。

そのニーズと、自分の資源を加工して

「健康になる料理の話題」を中心にしたコミュニティを形成し
数百人規模のワンマンライブを定期的に実現し
メジャーデビューをしたインディーズのアーティストの方がいました。

例えば、そのようにして
「有名ではなくても」
どんな小規模であっても、
コミュニティ自体に価値を作ることで
そこに熱狂と共通の話題をうみ、
ファン形成を実現することが可能です。

ぜひ、チャレンジしてみてください!

次回は、さらにこのコミュニティの価値を高める方法をお伝えします。

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