マーケティング

競合の意味とは?「ナンバーワンにならなくていい」は大嘘

こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi

ビジネスにおいてナンバーワンになることは、もはや「義務」です。

「ナンバーワンになりましょう」と言うと、「自分なんて」と言う人がいますし、「ナンバーワンにならなくていい」と言う歌もあるくらいですから、そんな耳障りのいい言葉を真に受けて、「ナンバーワンじゃなくオンリーワンを目指します」みたいな人もいます。

しかし、それって同業者の中で、売上とか規模とか認知度とか、そう言う意味で「ナンバーワンにならなくていい」って意味で言ってますよね?

でも、ビジネスは特定の顧客にとってナンバーワンでなければ、あなたのビジネスは「選択されない」と言うことですよ?

考えてみればわかることで、顧客は「数ある競合商品の中から、あなたを選ぶ」と言うことがなされなければ、売れると言う現象は一切起きません。

日本一高い山は?と言う問題には「富士山」と誰でも答えられますが、2番目に高い山はなかなか出てきません。2番目に出てきても、わざわざ2番目に出てきたお店に買いに行きますか?1番目のお店が閉まっているときとか、何か不都合でもない限り、2番目を選ぶ理由はないんですよ。

それとも、結婚相手をナンバーツー以下から選びますか?(笑)結婚する相手はたった一人ですよ。
それと同じく、今日、飲食店に入ってランチを食べるというのは、そのお店が選ばれたということ。父の日のプレゼントに帽子を買ったお店が選ばれたということ。1番目に良いと思った商品サービスしか選んでませんよね。当然なんです。

ですから、「こんな人」「この問題」「この場面」「こんな時」に、「〇〇が必要」となれば、あなたのビジネスが真っ先に出てこない限り、あるいはあなたにたどり着かない限り、一切顧客に必要とされることなんてないのです。

2番目以降なら、「近いから」「やすいから」「仕方なく」「人間関係があるから同情で」「良さそうに誇張して騙して」使われるくらいしか選択される可能性はありません。

真っ当な値段で何かが売れているならばそのビジネスは顧客にとってナンバーワンになってるということなんですよ。

競合の中で、ナンバーワンでなければ、いけないのです。
ナンバーワン以外は、意味がないのです。
「なれたらいいな」じゃなくて、ならないとビジネスにならないのです。

それもこれも、「競合」の意味が理解されていないから、このように「ナンバーワンじゃなくてもいい」と言う耳障りのいい言葉を信じてしまうのです。

競合の本当の意味と、競合の中でナンバーワンになる原理をお伝えして行きます。


■競合の意味とは?

競合とは辞書を引くと「互いに競り合うこと」とあります。

ビジネスで言えば、「同じ消費者をターゲットにしている同じ価値となる商品サービス」に対して使う言葉です。

「競争」というのは「競い争う」ということですから、「同じものを同時に取ろうとする奪い合い」なわけです。

しかし、重要なのは競合とは「同じ商品サービス」や「同業者」ではないということです。

「同じ需要」に対して「同じ価値(結果)」を提供しているものは全て競合しますが、逆に同業者であっても、「同じ需要」ではない場合、「同じ価値」ではない場合は競合しません。

どういうことかと言えば、例えば「のり」と「テープ」は別の商品ですが、利用目的が「紙を貼り付ける」ということなら同じ効果を生むので競合しますよね。

顧客が欲しいのは結果であって、商品ではないのですから、同じ効果が生じる機能を保有した商品サービスは同種の商品ではなくとも競合するわけです。

例えば、同じ洋服屋さんであっても、高額なブランド服と、カジュアルウェアのお店は価格が違うため用途が異なりますから、競合しません。会社に行くためのスーツを買う人は、ブランドスーツのお店は検討しません。同ジャンルでも用途が違えば、競合しない場合も数多くあります。

■競合は同業者だけではない

例えばレンタルDVDショップは同業他社のレンタルDVDショップを競合だと思っていたかもしれません。ツタヤはGEOをライバルだと考えていたかもしれません。しかし、実際は、レンタルDVD市場は、オンライン動画のNetflixやHuluに市場を持っていかれました。

顧客はDVDを借りたいわけではないのです。映画が見たいのです。しかもなるだけ手軽に。

顧客はDVDを借りたいのだと考えていれば、競合他店より多くのタイトル数を用意しようとしたり、より安くしたり、より人材教育をしたり、より特典をつけたりと言った絶対価値を高めて行こうとします。それによって差別化をし、競合より抜きん出ようとします。

しかし顧客は映画が手軽に見たいわけですから、動画でも良いわけですし、人が対応していなくてもサイト上のシステムでもいいわけです。

ライバル同士で戦っている間に、全く別のアプローチで、より顧客の便利な利用方法を考えた月額で見放題のオンライン動画サービスが急に現れて大手企業の市場を持って行くという流れとなりました。実際にツタヤがお手本とした米ブロックバスター社は倒産に追い込まれました。

iTunesやSpotifyに市場を持っていかれたCDショップにしろ、Amazonに市場を取られた本屋や小売にしろ、デジタルカメラに倒産に追い込まれたカメラフィルムの企業にしろ、競合した相手は同業者でもなく、同種の商品サービスでもない全く別ジャンルの相手なのです。

■直接競合と間接競合

このように競合を見誤って、同業者、同種の商品サービスに対して、「さらに価値を高める」「さらに特典をつける」「違いをつける」といった誤った「差別化らしきもの」をするほど、顧客を遠ざけることになり、最終的にはより顧客のことを考えている同業ではないライバルに市場を奪われて行くというのがビジネスの歴史で証明されているわけです。

なぜ競合を見誤るのかと言えば、「商品の品質を同業に対して高める・変える」という視点が間違いの元なわけです。顧客にとっての価値は、同業者よりも優れているということではなく、「欲しい結果が手に入る」ということです。顧客が本棚を作りたいなら、彼らはドリルではなく穴が欲しいのです。商品ではなく効果が欲しい。

顧客が求めている効果・結果を見ているか?
同業、同種の商品を見て競っているか?

の違いです。

顧客が欲しい価値、結果に対して、最適な商品サービスを用意し、最適な提供方法を行ったものが勝つということです。

・直接競合とは?

多くの「競合」と使われる言葉の定義は「直接競合」のことです。
つまり、同業者、同種の商品サービスのことです。

例えば、「オークションを使った副業コンサル」というビジネスを始めた場合は、オークションについて指導しているコンサルタントや副業コンサルタントが被ってきます。これらは顧客が求めているものと同じだからです。

飲食店なら周辺の外食できるお店は全て直接競合します。

・間接競合とは?

一方で間接競合は、レンタルDVDに対しての動画配信サービスであったり、「オークション副業コンサル」に対してなら起業コンサルやブロガーや投資と言った、お金を稼ぐことができるサービスや情報全てが競合して行きます。

飲食店なら、惣菜・お弁当・コンビニ・デリバリーなどの中食が間接競合します。

つまり同じような効果を生むことができる、別の商品サービスが間接競合というものです。

■「ナンバーワンにならなくていい」は大嘘

これら広範囲の競合の中で、顧客は、自分が欲しい結果に対してナンバーワンの商品サービスを選択します。それが避けようのない事実です。この問題を放置すれば個人店舗は大企業と競合します。普通に負けて当然です。

それは、他より優れているということではなく、この場面、この用途、この問題においてナンバーワンという、ケースバイケースの選択です。最高品質や最高級、多機能ばかりを求めるわけではありません。

こういう時にはこのお店、こんな問題にはこの人、こんなケースには、と、使い分けが自然となされてるわけです。

例えば、経営コンサルを依頼するのに、一番有名なコンサルタントばかりに仕事が集中するわけではありません。なぜなら超有名なコンサルは、価格が最高価格なわけですし、上場企業しか相手にしないですし、短い時間しか話せませんし、手取り足取りとは行きません。

駆け出しのコンサルタントも、初心者の経営者や個人事業主などの大きな需要があります。また、その地域でコンサルタントがどれだけいるのか?ということもありますし、あるいは、ITコンサル、WEBマーケティングのコンサル、分野によっての軸もあります。または、顧客層が来店型店舗が得意とか、アフィリエイトのコンサルが得意とか、業種によっての軸もあるでしょう。あるいは、社会貢献できる組織を作ろうとか、自由になろうとか、そういう価値観の軸もあるかもしれません。

「創業3年以内の従業員10名未満の小さい来店型店舗」の「インターネット集客」を「〇〇の地域で」依頼するなら、この人がナンバーワン、と言ったことが起こり得るということです。

例えば、一番売上高のある飲食店の単独ブランドはマクドナルドですが、マクドナルドが他の飲食店よりも圧倒的に美味しいわけでも、食材がいいわけでも、サービスが圧倒的なわけでもありませんよね。
なのになぜ売上高が最も高いのかといえば、外食に対して最も多い需要を満たすだけの価値を保有しているからです。「外で気軽に早く飲食する」というケースにおいてナンバーワンということですし、「手軽な価格帯のハンバーガー」という製品ラインでもナンバーワンなわけで、「ハンバーガー食べたい」と言えば真っ先に思い浮かぶはずです。

つまり、どういう「局面」においてナンバーワンになるか?ということが重要なのです。

■競合は少ない方がいい

顧客はナンバーワンしか選びません。
ならば、どの「局面」においてナンバーワンになるのか?です。

小さな会社であろうと、個人だろうと、だれかにとってのナンバーワンになることを決めなければなりません。その特定の顧客層にとってのナンバーワンであればいいのです。

ビジネスは当然、「需要と供給」が支配しています。需要があるのに供給されていない価値を提供すれば、ビジネスはうまくいくようになります。

供給されていないということは競合がいない。

ですから、競合を減らすこと。言い換えれば、競合のいない局面で戦うことがナンバーワンになる唯一の方法です。

■競合局面とは?

競合に対してナンバーワンになるためには競合が少ない、競合しない局面を選んでビジネスを展開していくことが重要です。

いわゆる「競合局面」を設定することで特定のニーズでナンバーワンになり、有利なポジションが作れます。

競合局面は、通常2つの軸で考えて行きます。

「この商圏でこの品種の店舗は当店だけ」
「この時間帯にこの商圏で営業しているこの業態は当店だけ」
「この客層向けのこの品目はこの商品だけ」
「この用途に合ったこの業態は自分だけ」

と言った感じで、最低でも2つの軸の局面を重ね合わせれば、他社(他者)とターゲットやニーズがかぶることが極端に少なくなって行きます。

これは「ニッチにする」ということでなく、「顧客の困りごとに対して自社のあり方を決める」ということです。大手企業ほど競合局面を正確に設定しています。店舗ビジネスは商圏単位で競合が弱い場所にしか出店しませんし、イノベーションを起こした企業は、既存の競合とは真逆の客層を狙ったりと、いうことは今まで事例を散々書いてきてるので過去記事をどうぞ。

もちろん、設定する局面はただ他社(他者)とずらせばいいということではなく、実際にニーズのある局面でなければいけません。

例えば、マーケティングコンサルタントという業種の1つの軸だけでは競合がたくさんいるわけで、注目を集めるのは難しいですが、「情報発信でWEB集客をしたい」という用途のある人向けのマーケティングコンサルにすれば競合が減って行きます。似たようなポジションの人が増えてきたら、また別の軸を付け足したり変更して市場での優位性を保つようにして行きます。

競合する軸の例をざっと挙げると以下のようなものになります。

<競合局面の例>
・地域
・時間帯
・業態
・品種(分野カテゴリー)
・品目(商品サービス)
・客層(男/女・個人/法人・若者/年配・職業・etc)
・TPOS(用途)
・フリケンシー(購買頻度・利用頻度)
・プライスゾーン(価格)

これらの組み合わせによって、ライバル不在の局面においてナンバーワンになるということが、顧客から、「近いから」「他より安いから」「仕方なく」「人間関係があるから同情で」「良さそうに誇張して騙して」という理由以外の正当に選ばれるために必要なポジショニングというわけです。

■競合ではなく顧客を見よう

というわけで、「特定条件でナンバーワンになることは必須である」「競合は同業だけではない」「競合を減らすには局面を絞り込むこと」ということが分かりました。

競合ばかり見ていると視野が狭くなり、顧客の本当に欲しい結果が見えなくなってしまいます。

見るべきは競合より顧客なのです。

顧客が欲しい結果とは何か?
競合が未解決のままになっている局面は何か?

ぜひ、最初からナンバーワンになれる軸を明快に打ち出して行きましょう。

 

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