こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi)
よく「楽して稼ぐ!」と言ったメッセージがネット上には溢れているのだけど、その多くはしょうもない情報だったり、人を騙すようなやり方であったり、スパムのような迷惑行為だったりと、実際は販売者が楽して稼ぎたいからそんなメッセージを発信している、と言うオチだったりします。
それで、多くの人は「楽して稼ぐ」ってことに嫌悪感があるし、反射的に「胡散臭い」と感じますよね。
それは当たり前で、そんな悪いやり方で仕事をしたら、そりゃ良くないです(笑)
でもですよ?
実際のところ、ビジネスというのは「楽」をしないと稼げないし、顧客のためにもなりません。
自分がいつまでたっても労働から抜け出せなければ、労働収入しか得られません。どれだけの時間を働いたのか?という時給換算でしか収入は得られません。
大手企業を見てください。多くの人を働かせ、経営者は自分が働かずに収入を得ています。
ずるいですか?卑怯ですか?怠け者ですか?
問題は、これを「ずるい!」と考えてしまう思考にあるんですよ。
楽をしてるから、多くの顧客に適正価格で価値提供できるわけで。
この思考から脱却しないと、いつまでたっても経営の思考は身につきませんし、ビジネスは成長しませんし、労働から抜け出せず、優秀な人材は去っていくことでしょう。
「有能な怠け者」こそ、事業者が目指すべき立ち位置なんですから。
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■有能な怠け者の特徴とは?
ドイツの軍の最高実力者だったゼークトが語ったと言われている「ゼークトの組織論」という軍人ジョークのようなものがあります。
有能な怠け者は指揮官にせよ
有能な働き者は参謀に向いている
無能な怠け者は連絡将校か下級兵士が務まる
無能な働き者は銃殺するしかない
トップは「有能な怠け者」が向いているという話ですね。
有能な怠け者タイプの人間は、自分が働くのが嫌な上に、物事の判断には長けているので、人に仕事を振ったり、仕組みを作ったりと、自分が働かずに済む方法をあれこれ考えます。
僕も、有能かどうかは置いておいて、少なくともめちゃくちゃ怠け者です。
自分が怠けるために、一生懸命に働きます。
例えば、1年がかりで仕組みを作って、2年目からは怠けるというくらい、怠けるために頑張ります(笑)
15年前に起業当初やっていたビジネスは、ECサイト運営、アフィリエイト、コンテンツ販売、ウェブ制作といったビジネスでしたが、
ECは外注に丸投げをし、アフィリエイトは1年間一生懸命にページを増やして以降は放置して月100万以上を稼ぐ、コンテンツ販売は、リスティング広告を自動設定して、LPに飛ばしてステップメール(当時はそういう名前じゃなかったかも)に登録してもらい、自動メールで販売をし、売れたら外注さんが商品を郵送してくれる、という完全自動化。ウェブ制作は外注に投げていました。
とにかく運営に関しては楽をするために仕組みを考えます。
当時、ネットビジネスを始めたのも、資金がかからず、在庫もいらず、事務所も人もいらないという業態の中で、なおかつ、市場が盛り上がっていて効率的に勝てるビジネスを考えて選びました。
今も、1年がかりでブログを書いて月間10万PVになったので、集客は自動化していますし、アフィリエイト商品やアドセンスも載せているので何もせずにちょこっと収益があります。
一度作った教材を自動化で販売をし、単発サービスではなく、長期契約をするモデルと、成果報酬のプロデュース契約などをして、他者を稼がせて稼ぐという、自分の動きは最小限にすることは常に意識しています。
時間が最も価値が高いですからね。
そんな僕みたいな手法を「ずるい!」と感じる人がいるわけです。
■「楽して稼ぐ」ことは有能な怠け者の手法
以下の3つのグループの例を考えてみましょう。
Aグループは、売り上げを作ることができる営業が得意な人と、商品の生産をすることができる技術者がパートナーを組んで、ビジネスを始めました。
1人の生産者が1ヶ月に生産できる商品の生産額は、100万円でした。粗利は50%でした。
彼らの報酬は25万円ずつでした。
これでは報酬が少ないと感じた彼らは
頑張った結果、生産額を140万まで上げることができました。報酬は35万円に上がりました。
労働時間は1日12時間にものぼりました。
しかし、彼らは体を壊し、いくら頑張っても成果は横ばいで、楽しくありませんでした。
Bグループは、同じく売り上げを作ることができる営業が得意な人と、商品の生産をすることができる技術者がパートナーを組んで、ビジネスを始めました。
同じく生産額は月間100万円でしたが、こちらの営業担当者は、自ら営業に行くことなく、見込み客から問い合わせをもらう、問い合わせ型営業のスタイルをとりました。
ウェブサイトやチラシなどの仕組みを作り、自動的に申し込みが入るようにしました。
営業に行かずとも月間100万円の売り上げを作りました。
営業担当者の労働時間は1日1時間もありませんでした。
彼は
と困り果てていました。
しかし、生産担当者は、
と考えていました。
彼の労働時間は1日12時間を超えていました。
こうして、このチームは解散することになりました。
最後にCグループです。
同じく売り上げを作ることができる営業が得意な人と、商品の生産をすることができる技術者がパートナーを組んで、ビジネスを始めました。
営業担当者は問い合わせ型営業の仕組みを作りました。
生産担当者は機械の購入をして商品の生産を自動化しました。
彼らの売り上げはすぐに他のグループの10倍にもなりました。
■本当の怠け者は働き者のこと
さて、最も頑張っていたAグループはたくさん働いたのに成果は多くはありませんでした。
そして悪いことに、Bグループは仲違いをしてしまいました。
メンバー全員が楽をしようとしたCグループしか生き残らなかったのです。
実際はここまで単純ではないけれど、よくある話です。
この登場人物には、「ずるい・卑怯・怠け者」の有能な怠け者の人物と、「頑張り屋」の人物がいますが、どちらがビジネス的に正解だったかは一目瞭然です。
「ずるい・卑怯・怠け者」というのは、対比によってしか判断できないので、Bグループにしか存在しません。Bグループには、頑張り屋の生産者から見て、怠け者の営業担当がいたということです。
しかし、本当の怠け者は生産者と営業担当の、どっちだったんでしょうか?
例えば、Bグループの生産担当者の不満は、「お前も自分と同じように働け!」ということだったんでしょう。しかし、そうしていたらAチームと同じ結果になってしまいます。
営業担当者は自ら動くのか?仕組みで売り上げを作るのか?という手段の中で、仕組みの方を選んだだけであり、決して成果に対して怠けているわけではないですよね。
変わるべきはBグループの生産担当者の考え方だったわけです。
彼が「ずるい・卑怯・怠け者」という考えを捨て、それを受け入れられればCグループのように、ビジネスはうまくいったことでしょう。
逆に、営業担当が、毎回、労働をしないと売り上げが作れない手法を採用していて、生産担当者が機械による自動化をしていたらどうなったでしょうか?
今度は営業担当が生産担当に「なんであいつは楽をしているんだ!」と不満を持ち、生産担当が「なんであいつはもっと売らないんだ!?」と仲違いをすることでしょう。