こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi)
ゴディバジャパンがバレンタインに向けて出した「日本は、義理チョコをやめよう。」という広告が話題になりましたが、問題はなぜ話題になったか?です。
GODIVAが思い切った広告。これほんとそう思う。 pic.twitter.com/VfuYe3atLG
— もっちゃん家 (@puchu2525) 2018年1月31日
これこそ世界観ね。相手に寄り添いつつ、自社のものの見方を主張して既存の風潮をひっくり返すことでブランドの価値観を際立たせてる。素敵。
でも俺は義理チョコなんて家族以外もらうあてがないが。 https://t.co/PcFaSOlGcd— スギムー(杉村隆) (@sugimuratakashi) 2018年2月2日
この広告はSNSでシェアされ、テレビでも取り上げられましたが、企業の広告としては珍しい現象。賛否がわかれてもプロモーション効果は絶大だったでしょう。実際、うちの家族はなぜかゴディバのチョコを買ってきていました(笑)
ゴディバジャパンは現在の社長になってから5年間で売上2倍という躍進をしている企業ですが、今回の広告もその流れとしてチャレンジしたものと言えるでしょう。有名ブランドの攻めの姿勢が伺えるコピーです。ゴディバジャパンの社長本で戦略が語られています。
「義理チョコ」が良いとか悪いとか、そういう問題は置いておいて、なぜ企業広告がここまで話題となったのか?そこにはゴディバの「世界観」によるマーケティングメッセージの秘訣が隠されています。
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■ゴディバのターゲットは誰なのか?
広告というのはとにかく広がればいいわけでもなく、売れればいいというわけでもなく、戦略に基づいた戦術でなければいけません。つまり、広告には目的があるということ。
今回の広告、「言葉の強さ」ばかり目がいきがちですが、そもそもなぜゴディバがこのような広告を出してるのか?という目的を見ないと本質は見えてきません。
ゴディバジャパンは2010年にジェローム・シュシャン氏が社長就任以来、2016年までの5年間で当初の売り上げの2倍に成長しています。ゴディバジャパンの売上は世界展開するゴディバ全体のいまや1/3の規模にまで占めています。
当初の課題は、ゴディバは高級チョコレートのため、デパートに出店しており、顧客層が40代、50代の人が中心で、価格帯からして特別なギフトとしての利用が主でした。しかし、デパートの売上も低迷している昨今では、今のままの販売方法では厳しい状況だったわけです。
そこで、他の客層にも利用してもらい、客数の拡大、そしてギフトとしての利用用途だけではなく、日常から利用してもらい、利用回数を増やす必要がありました。
商品のパッケージデザインの変更、安い価格帯の商品も新たに加え、全国の都道府県すべてに直営店を出店し、コンビニでの販売も開始、特別な贈り物という位置づけだけではなく、「自分買い」を増やすよう広告展開などを進めたわけですが、それにより、客層の幅を広げ、客数を増やし、利用回数を増やし、普段からコンビニでも接触する高級チョコであり特別なタイミングでも利用するブランドという位置付けを強化する。チョコが売れない夏にはチョコを軸にしたアイスやドリンクまでやっています。
今回の広告もターゲットをバレンタインにチョコを「買う」女性を主役にし、顧客層を拡大しているといえるでしょう。
広告には戦略に基づく目的があるわけです。
■ゴディバの「義理チョコやめよう」広告に見る刺さるメッセージの作り方
「義理チョコをやめよう」という広告は、日経新聞に掲載され、企業のトップ、ビジネスマンに向けられています。企業のトップから女性社員に対して義理チョコを無理して渡さなくていいと伝えてほしいという趣旨から。しかし、こうして拡散され、見込み客である一般女性へとメッセージが伝わっています。この広告は巧みに両者に対して説得力のあるメッセージになっていて、特定の人に刺さるように作られているわけです。
ではどのようにして刺さるメッセージが作られているのか?それは次の3つの要素から成り立っています。