こんにちは。スギムーです。(@sugimuratakashi)
自分や自分の商品が無名の時は、実績や口コミと言ったある種の「勢い」で売れていくことはまずありません。
「あの人も使っているから」「みんなが使っているから」「お客の声が信用できるから」「友人に紹介されたから」といった、『第三者の声』というのはマーケティング上、今や最も強力な要素になっていますが、最初の段階ではそうした後押しによる恩恵は受けられません。
もし、デビューしたばかりの起業家や商品が、そうした力を持っているように見えるのであれば、それは「演出」にすぎません。平たくいうと「嘘」です。お金を出せばタレントの取材も買えます。雑誌の掲載も買えます。フォロワーもツールで増やせます。アフィリエイターにお金を払えばいくらでも紹介してくれます。コピーで演出すれば実績や、顧客の声もいくらでも都合よく加工できます。
ネットで調べれば実態はわかるのに、そういうことに騙されて「すごそうな人だから」「売れてるらしいから」という理由で購入する人もいまだに多くいるので、そうした「嘘マーケティング」はいまだに横行しています。
そんな嘘やポジショントークで売っても一時的な成果にすぎません。最初の段階で必要なのは、ブランドでも、フォロワーでも、知名度でもなく、ましてや営業力でもありません。
最初に必要なのは「商品力」です。
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■無名なら商品力を磨くべき
顧客はあなたを信じなければお金を払うことはしません。あなたの話を信じなければ申し込まないのです。
その点、あなたが有名だったり、ブランドがあれば、多くの人は信用するでしょう。
例えば大企業で営業の仕事をしていたら、その会社の看板で仕事をすることができますから、ブランド力だけで交渉の舞台を作ることもできるわけですし、大きな実績があれば、それだけで顧客の興味を引くこともできる。フォロワー数や、出版、顧客の声、紹介、そうしたものが『信用』を生み出してくれます。
ブランドがあれば、その信用で商売ができます。
映画「キャッチミー・イフ・ユー・キャン」で天才詐欺師が、パイロットや弁護士に変装して、人に信用してもらい詐欺を働きますが、人間はそうした「信用に値するもの」を見た目や、わかりやすい功績で判断をしますから、ブランドというのは強力なわけです。いちいち判断しなくても、信用に値するものならば、情報を精査せずとも信用してもらえるわけです。
しかし、起業をしたら自分のお店や会社は無名です。誰も信用してくれません。ましてや、それまでの職歴や、受賞歴、人脈、どれだけお金を持っているか?どれだけ立派な店構えをしているか?誰があなたを推薦しているか?といった点でも、多くのスタートアップのビジネスは有名企業や有名起業家に劣ります。
だから、最初は商品力が必要なのです。
商品力があれば、あなたが無名でも、実績がなくても、営業(売り込み)をかけなくても、有名人とランチをした写真をアップしなくても、性格が悪くても、商品は売れてしまうのですから。
■なぜ営業力よりも商品力が重要なのか?
有名な人を真似してもうまくいかないのは、あなたにブランド(信用)がないからです。
はっきり言って、信用されている人ならば、大した商品力がなくても、その信用だけで買われます。
多くの無名な起業家は、有名店の表面的な真似をしたり、有名人のブログを真似したり、有名起業家の見せ方の真似をしたり、インフルエンサーのいうことを鵜呑みにしますが、彼らとの決定的な違いはそのマーケットでのブランド(信用)があるかどうかです。
「商品力」が商品の魅力であれば、「営業力」は商品を販売する能力です。
多くのビジネス書はマーケティング本です。販売を伸ばす方法です。しかし、魅力が作れていない商品は、いくら販売を強化しても大して売れないのは明白です。
大勢の人に商品を見せたり、交渉したりするのが営業力です。
顧客数は、
「商品を見せた人数」×「商品の魅力値」=顧客数
で決まりますから、商品力が弱ければ、ましてやそこがゼロならば、顧客もゼロです。
■商品力の定義|商品力の意味とは?
商品力とは商品の魅力のことですが、ECや営業での数字で表せば、「商品力=成約率」ということです。店頭販売ならそのまま「購入数」です。成約率が高い、あるいは購入数の多い商品が商品力があると言えるということです。
例えば、10社に訪問営業をして2社に売れる商品と、8社に売れる商品があるならば、後者は前者の4倍の成約率ですから、売上もそのまま4倍差が生まれますよね。それぞれ、同じ購入数にするには、前者は4倍多く働く、4倍の人員が必要ということになります。それだけコストがかかり、利益で比較したら4倍多く働くだけでは済まないでしょう。
インターネットでの申し込みであれば、100アクセスに対して1件購入される成約率1%の商品と、100アクセスに対して4件売れる成約率4%の商品があれば、同じだけ売るのに前者は4倍のアクセスが必要。広告費が4倍。そうなれば前者と後者、利益を同じにするには前者は途方もない数を売る必要が出ます。
リスティング広告で1クリック100円ならば、100アクセスで1万円の広告費。それに対して成約率1%なら1件の購入。商品単価が1万円で原価が30%としたら、この時点で原価を考えると3000円の赤字。対して成約率4%なら、1万円の広告費で4万円の売り上げ。原価が12000円なので、広告費と合わせて経費は22000円。初回から18000円の利益が出ます。
もっと言えば、同じだけの売り上げにするのに成約率1%の方は、4万円の広告費が必要です。しかし、売上も4万円。原価が12000円なので、広告費と合わせて52000円の経費。マイナス12000円です。なんと、売れば売るほどマイナスです。
それだけ、「成約率」が高いということは重要なわけです。
それが商品力の高さです。
■商品力を高める4つのステップ
では、どのように商品力を向上させるか?ですが、商品力が高い状態というのは、「顧客の欲しい商品」があることのほかありません。
サイトやチラシなどによる魅力的な伝え方によって成約率を上げることも可能ですが、本質的には見込客の問題を解決する商品かどうか?その商品を継続的に使いたいかどうか?なわけです。
「商品を買うか買わないか?」
という2択ではなく
「課題を解決するか、しないか?」
という選択になる本質的な商品を用意することが必要です。
それには、見込客と一緒に商品を作っていく必要があります。
以下の4つのステップによって確実に顧客が欲しい商品にしていくことができます。